Official public records

公的記録データベース

行政処分だけでなく、製品安全・回収、許認可・登録状態、取引所措置、公的活動を 意味の異なる記録として分離しています。各記録から公式公表元を確認できます。

処分・制裁

2,402件

製品安全・回収

8,863件

許認可・登録状態

0件

公的活動

424件

取引所措置・開示

0件

公的資金・契約上の措置

154件

397 件の公式記録

公的活動2019年8月27日

埼玉消費者被害をなくす会とイマジン・グローバル・ケア株式会社との間で差止請求に関する協議が調ったことについて

イマジン・グローバル・ケア株式会社

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人埼玉消費者被害をなくす会(以下「埼玉消費者被害をなくす会」という。)が、イマジン・グローバル・ケア株式会社(以下「イマジン・グローバル・ケア」という。)に対し、同社が販売する「ブロリコ」に関する新聞折込広告及び同社Web広告において同社が行う下記表示①から表示④までは、次のとおり、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)第5条第1号(※1)の規定に該当するとして、各表示の使用停止及び適切な内容への変更を申し入れた事案である。ア ブロッコリーの効果に関する表示 イマジン・グローバル・ケアが有する特許は、その発明の名称、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明をみても、特殊な技術によってブロッコリー等から自然免疫活性化作用を有する組成物を抽出することができるという範囲でしか特許権の範囲は及ばないと思われるところ、ブロリコが当該作用を有する組成物を利用して製造されたものであったとしても、それを摂取することで得られる効果は自然免疫機能が活性化されることに尽きるのであって、元気パワーが出ることにまで特許が付与されているとはいえないと考えられる。 にもかかわらず、下記表示①等がなされると、これらの表示全体から、一般消費者は、ブロリコを摂取すると驚きの元気パワーが生じるよう誤認すると考えられるので、当該表示は、特許権の範囲を超えた効果があると誤認させる表示として、同号に規定する優良誤認表示に該当する。イ 特許と関連した表示 特許権を取得した(又は取得しようとした)ものについては、当業者(その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者)が公開内容を見て、当該発明の課題を容易に実施可能であることが特許要件の一つとなるところ、下記表示②の「他社に真似できない」、「技術をもっているのは当社だけです」との表現は、特許権が付与されていることと矛盾するのみならず、イマジン・グローバル・ケアのみが有する特殊技術によってブロリコが製造されたとの印象を与える表示であって、ブロリコが事実に相違して競争業者に係るものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示として、同号に規定する優良誤認表示に該当する。ウ 強調表示と打消し表示に関する表示 イマジン・グローバル・ケアは、下記表示③の強調表示を行っている反面、その打消し表示として、1,000倍というのは比活性の値比較にすぎないこと、また、精製前のブロリコで比較すると約140倍にすぎないことを表示している。 しかしながら、1,000倍ではない例外があることについて必ずしも大きな文字で分かりやすく表示がなされているとはいえないことや、打消し表示に比活性や活性率等の専門用語が用いられていることから、打消し表示が一般消費者にとって分かりやすい表示とはいえない。 したがって、本件の打消し表示は一般消費者に正しく理解されないものとして有効とはみなされず、1,000倍との強調表示は、同号に規定する優良誤認表示に該当する。エ 体験談表示に関する表示 下記表示④のうち、前者の例について、ブロリコが本当に野菜不足を補うのであれば景品表示法上の問題は生じないが(そうであれば根拠資料が必要)、そうでない場合、当該例の表示は、同号に規定する優良誤認表示に該当する。また、後者の例についても、体調を崩さなくなるとの効果についての根拠資料が必要になる。・表示① ブロッコリーの効果に関する以下の表示・「ブロッコリーの新しいパワー」(新聞広告)・「驚きの元気パワー」(新聞広告)・「『ブロリコ』のパワーは,非常に高い」(新聞広告)・「元気成分『ブロリコ』のパワーがあなたの体を守ります」(新聞広告)・「大きなパワーを持つ」(Web広告)・表示② 特許と関連した以下の表示・「他社に真似できない世界初の成分」(新聞広告)・「技術をもっているのは当社だけです」(新聞広告)・表示③ 強調表示と打消し表示に関する以下の表示・「驚きの元気パワーはプロポリスの1000倍以上」との強調表示とそれを打ち消す表示(新聞広告)・表示④ 体験談表示に関する表示・体験談表示中の例えば「野菜不足を補ってくれているみたい」(新聞広告)・「体調を崩しやすくで悩んでいたのが,一週間で効果を実感しはじめ,季節の 変わり目でも元気に過ごせるようになった」(Web広告)等の効果表示(※)不当景品類及び不当表示防止法第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの 二 ・三 〔略〕注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:平成30年11月7日、イマジン・グローバル・ケアは、埼玉消費者被害をなくす会に対し、表示①の「驚きの元気パワー」を「健康パワー」に(表示③も同様)、「元気成分『ブロリコ』のパワー」を「健康成分『ブロリコ』のパワー」に、また、表示②を「当社が発見した世界初の成分」、「サプリメントとして販売しているのは当社だけです」に修正するほか、他の表示についても上記の申入れに対応する旨を連絡した。 これを受けて、令和元年8月27日、埼玉消費者被害をなくす会は、上記の申入れの該当表示はいずれも削除されたことを確認し、申入れの趣旨に沿う内容の改善がなされたものとして、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2019年8月7日

埼玉消費者被害をなくす会と株式会社ノジマとの間で差止請求に関する協議が調ったことについて

株式会社ノジマ

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人埼玉消費者被害をなくす会(以下「埼玉消費者被害をなくす会」という。)が、株式会社ノジマに対し、同社の「延長保証基本規定」及び「延長保証プレミアムサービス基本規定」(以下「本件規約」と総称する。)に記載された条項に関して、消費者契約法第 10 条(※)に規定する消費者契約の条項に該当するとして、以下のとおり申し入れた事案である。 ア 「当社は、事前の予告なしに、また、お客様の承諾を得ることなく、規定等の追加または変更をすることができるものとします。」という条項は、文言上、事業者に本件規約の内容の一方的な変更を無制限に認める条項となっており、また、本件規約を変更する旨、変更後の本件規約の内容及びその効力発生時期について、消費者に対して何らの周知もされることなく、事業者が一方的に本件規約を変更することができるものとなっており、民法第 521 条以下の規定に比して消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものとして消費者契約法第 10 条に抵触し無効であることから、これを使用することを停止し、又は改定すること。イ 「本規定等の違反によって、損害賠償義務が発生し、その請求回収のために、当社に訴訟手続およびその他の費用等(弁護士費用含む)が発生する場合は、お客様の負担とします。」という条項は、損害賠償の範囲について何らの限定をすることなく、債務不履行又は不法行為との間に相当因果関係がない損害まで消費者に賠償させるものとなっており、民法第 416 条第1項の規定による場合に比して消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものとして消費者契約法第 10条に抵触し無効であることから、これを使用することを停止し、又は改定すること。 (※)消費者契約法(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:株式会社ノジマは、埼玉消費者被害をなくす会に対し、平成31年3月25日、本件規約について上記ア及びイの申入れを踏まえた改定を行ったことについて連絡した。 これを受けて、令和元年8月7日、埼玉消費者被害をなくす会は、本件規約について別紙のとおり改定がなされたことを確認し申入れを終了した。

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消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2019年7月24日

消費者支援ネット北海道とキタコー株式会社との間の裁判上の和解について

キタコー株式会社

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者支援ネット北海道(以下「原告」という。)が、不動産の賃貸を業とするキタコー株式会社(以下「被告」という。)に対し、被告が消費者との間で賃貸借契約を締結する際に使用している契約書に含まれる以下の契約条項(以下「本件契約条項」という。)は、消費者契約法(以下「法」という。)第8条第1項第1号(※)、同項第3号(※)及び第10条(※)に規定する消費者契約の条項に該当してその効力が否定されるものであるとして、法第12条第3項に基づき、本件契約条項を内容とする意思表示の差止め、本件契約条項を内容とする意思表示が記載された契約書書式及び同書式を含む電磁的記録の廃棄、並びに、被告の役員、従業員等に対して注意喚起する書面を配布することを求めた事案である(平成29年8月9日付けで札幌地方裁判所に対して訴訟を提起)。<本件契約条項>① 別紙契約条項目録1の第7条第1項各号(ただし、第7号を除く。)所定の各事由が生じたことにより無催告で契約を解除することができるとする条項② 別紙契約条項目録1の第7条第1項各号所定の各事由が生じたことにより水道光熱の供給停止や入室禁止の処置をとることができるとする条項③ 別紙契約条項目録1の被告の損害賠償債務を免責する条項④ 別紙契約条項目録2の第15条各号(ただし、第1号及び第4号を除く。)所定の各事由が生じたことにより賃借人の承諾を得ないで居室内に立ち入ることができるとする条項⑤ 別紙契約条項目録2の第15条各号所定の各事由が生じたことにより被告が適切な処置をとることができるとする条項⑥ 別紙契約条項目録3の賃借人の退去後に賃貸物件内又は建物内に残置された物品等について賃借人が所有権を放棄したとみなす条項⑦ 別紙契約条項目録3の賃貸人による任意処分及び賃借人に対する処分費用の請求を認める条項⑧ 別紙契約条項目録4の第19条第1項第4号ないし第7号、及び第10条所定の各事由が生じたことにより契約を解除することができるとする条項⑨ 別紙契約条項目録4の第19条第1項各号所定の各事由が生じたことにより無催告で契約を解除することができるとする条項⑩ 別紙契約条項目録5の被告の損害賠償債務を免責する条項⑪ 別紙契約条項目録6の賃借人の造作買取請求権の放棄の条項⑫ 別紙契約条項目録6の物件の明け渡し時に被告の負担する債務を免責する条項⑬ 別紙契約条項目録7の通常損耗の補修を賃借人に負担させる条項(※)消費者契約法(抄)(事業者の損害賠償の責任を免除する条項等の無効)第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。 一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項 二 〔略〕 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する民法の規定による責任の全部を免除する条項 四・五 〔略〕2 〔略〕(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 民法、商法(明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。(注)上記の訴えが提起された日現在の規定 結果:令和元年7月24日、原告と被告との間で、別添の和解条項を内容とする裁判上の和解が成立した。

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消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2019年7月24日

埼玉消費者被害をなくす会と株式会社NTTドコモとの間の訴訟に関する控訴審判決の確定について

株式会社NTTドコモ

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人埼玉消費者被害をなくす会(以下「控訴人」という。)が、株式会社NTTドコモ(以下「被控訴人」という。)が不特定かつ多数の消費者との間でXiサービス契約及びFOMAサービス契約(以下「本件各契約」という。)を締結するに当たり、消費者契約法(以下「法」という。)第10条(※1)に規定する消費者契約の条項に該当する本件変更条項(「当社は、この約款を変更することがあります。この場合には、料金その他の提供条件は、変更後の約款によります」との内容を有する契約条項)を含む契約の申込み又はその承諾の意思表示を現に行い、又は行うおそれがあると主張して、被控訴人に対し、本件変更条項を含む契約の申込み又は承諾の意思表示の停止を求めるとともに、これらの行為の停止又は予防に必要な措置として、本件変更条項が記載された本件各契約に係る契約書の用紙を廃棄すること及び当該廃棄を指示する書面を従業員に対して交付することを求めた事案である。 原判決(東京地方裁判所が平成30年4月19日に言渡し)が、本件変更条項が法第10条に規定する消費者契約の条項であるとはいえないとして、控訴人の請求をいずれも棄却したところ、控訴人が控訴した。(※1)消費者契約法(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:控訴審(東京高等裁判所)は、平成30年11月28日、以下のように判断した上で、控訴人の控訴を棄却した(控訴人は、平成30年12月7日付けで上告及び上告受理申立てを行った。)。 令和元年7月24日、最高裁において上告棄却及び申立て不受理の決定がされ、控訴審判決が確定した。 当該裁判の主たる争点:ア 主たる争点 本件変更条項が法第10条に規定する消費者契約の条項であるといえるか。イ 主たる争点についての裁判所の判断① 本件変更条項は、控訴人の主張する法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して、消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項である(法第10条前段)といえるか。 ㈠ 法第10条前段所定の「法令中の公の秩序に関しない規定」、すなわち任意規定には、明文の規定のみならず、一般的な法理等も含まれると解するのが相当である。 控訴人は、契約は当事者の合意によりはじめて拘束力を持つという意思主義の原則のもと、本件変更条項は当事者の一方が相手方の同意なく契約内容を変更することはできないという一般的な法理に比べて、契約者(消費者)の義務を加重する条項である旨主張する。他方、被控訴人は、契約の一方当事者は、個別に相手方と合意することなく、合理的な約款変更をすることができるという一般的な法理が既に確立しているから、本件変更条項は、この一般的法理に適うものであると主張する。 そこで、検討するに、本件変更条項について、次のような事情を指摘することができる。 (ア) 本件各契約の特殊性 本件各契約は、携帯電話の利用に係る通信サービスを提供する契約であり、不特定多数の相手方に対して均ーな内容の給付をすることを目的とするものという特殊性を有する契約であるところ、被控訴人の契約件数は7000万件を超えるものであるから、約款に定められた契約内容を変更するために常に顧客である契約者の個別の同意が必要であるとすると、その意思確認をするために多大な時間とコストを要することになり、一部の相手方から同意が得られない場合には、提供されるサービス内容に差異が生じることに伴う管理コストが増大する結果、契約者が負担するサービス利用料が増加し、ひいては不特定多数の相手方に対して均ーな内容の給付をするという目的を達成すること自体が困難になるおそれがある。また、本件各契約は、携帯電話の利用に係る通信サービス契約であるから、携帯電話機や通信に係る技術革新等に応じて、高い頻度で契約内容を変更する必要性が生じることも予想される。 これらの事情によれば、携帯電話の利用に係る通信サービスを提供す る事業者である被控訴人にとって、契約者との間の本件各契約の内容を画ー的に変更する必要が生じた際に、契約者の個別の合意を得ることなく契約内容を変更する必要性が高いととも共に、顧客にとっても、一定の場合には、個別の同意を得ることなく一方的に契約の内容を変更することを認めることによって、コストの増加を回避でき、不特定多数の相手方に対する均ーな内容の給付を可能にするという利益となる面があるといえる。 (イ) 約款変更に関する裁判例、約款法理を認める裁判例の存在 現代社会では、様々な約款が利用され、大量の取引を合理的・効率的に行っていることから、一定の場合には、変更後の約款は当事者を拘束することや、必要に応じて合理的な範囲において変更することが予定されており、既存顧客との個別の合意がなくとも、既存の契約に変更の効力を及ぼすことができる場合があることが裁判例で認められているといえる。 (ウ) 改正民法の定め 民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)による改正後の民法(以下「改正民法」という。)第548条の4第1項には、一定の場合に、定型約款準備者が定型約款の変更をすることにより、変更後の定型約款の条項について合意があったものとみなし、個別に相手方と合意をすることなく契約の内容を変更することができる旨定められている。同項第2号は 、相手方に何らかの不利益を生ずる変更であっても、客観的に変更が合理的といえる場合には、一方的に約款を変更することを認めている。そして、その合理性を判断するにあたって、「この条の規定により定型約款の変更をすることがある旨の定めの有無」は、合理性判断の一考慮要素とされている。その趣旨は、定型約款にこのような変更条項が含まれていたのであれば、相手方は一方的に変更される可能性があることを予測し得たといえることから、定型約款の変更が合理的であることを肯定する事情の一つとして考慮することとしたものであると解されている。 そして、単に定型約款を変更することがある旨の規定を置くのみでは、合理性を積極的に肯定する事情として考慮することは難しいとされているが、相手方に、一方的に変更される可能性があることを予測させる機能は有していると考えられる。 (エ) 約款法理について 以上のような約款の性格、裁判例の存在、改正民法の定めによれば、本件各契約の内容となっている約款については、本件変更条項の有無にかかわらず、必要に応じて合理的な範囲において約款が変更されることは契約上予定されており、少なくとも「当事者の個別の同意がなくても約款を変更できる場合がある」という限度では、約款法理は確立しているものと認めるのが相当である。 そして、どのような場合に約款変更が認められるかは、個別に検討していくほかないが、現時点では、改正民法の定めが参考となり、契約の目的、変更の必要性、変更後の内容の相当性、定型約款を変更することがある旨の定めの有無等に照らして、合理的なものであるか否かを検討する必要があるものと解される。 したがって、本件変更条項の有無にかかわらず、本件各契約約款は、一定の合理的な範囲で変更できると解するのが相当である。 ㈡ そこで、本件変更条項が、法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して、消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する条項といえるかにつき検討する。 この点、前記のとおり、約款法理に基づいて、一定の合理的な範囲において、個別の合意がなくても約款を変更することができる場合があるという限度においては、意思主義の原則の例外を認めることができること、本件変更条項は、以下に述べるとおり、一定の合理的な範囲においてのみ変更が許される趣旨と限定的に解すべきことに照らせば、これにより約款法理を含む一般的な法理を変更するものとは解されない。したがって、本件変更条項が、一般的な法理と比べて、契約者(消費者)の権利を制限し又は義務を加重する条項であるとはいえず、 控訴人の主張は採用できない。 本件変更条項は「当社は、この約款を変更することがあります。この場合には、料金その他の提供条件は、変更後の約款によります。」というものであり、その文言は抽象的であることから、文言上は事業者側を一方的に利する恣意的な変更も許容されるように読める。しかしながら、前記のとおり、約款法理は、一定の合理的な範囲において認められるものである。最判平成5年7月19日(集民169号255頁)は、免責約款上に記載されていない文言を付加することによって、約款を合理的に限定解釈したものと解することができ、このように、約款の文言について合理的な限定解釈を加えることは認められるべきものであるから、たとえ無限定な変更を認めるかのような変更条項が存在したとしても、事業者側を一方的に利する合理性を欠く恣意的な変更が許容されると解釈する余地はない。したがって、本件変更条項は、「当社はこの約款を変更することがあります。この場合、料金その他の提供条件は、変更が客観的に合理的なものである場合に限り、変更後の約款によります。」との趣旨と解するのが相当である(ただし、条項自体からは、無限定の変更が許されるように読める点からすれば、文言の明確性の観点からも、変更が許される一定の合理的な範囲について、できる限り明確な文言により定めておくことが将来の紛争を防止するためにも望ましいものと思料する。)。 これに加えて、本件変更条項による約款変更の合理性は、変更の内容を問題とされるべきものであって、本件変更条項自体は、価値中立的なものである。消費者に有利な変更がされることもあれば、不利な変更がされることもあり得るのであって、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重するかは、変更される条項の内容次第であるから、法第10条該当性も、変更後の内容につき判断されるべきである。 被控訴人は、本件変更条項は、本来は確認的なものであるが、創設的な意味もある旨主張する。しかしながら、約款の変更条項が存在しなくても、一定の合理的な範囲において変更が許される場合があるという意味では、本件変更条項は、基本的に、創設的ではなく確認的な条項であるというべきである。そして、約款の変更があり得ることを告知する条項を約款に規定することにより、むしろ、消費者に「一方的な約款変更があり得ること」について注意を促すという積極的な意味を有することは否定できない。仮に、このような抽象的な文言では、改正民法第548条の4第1項の解釈に照らして、 約款変更の合理性を積極的に肯定する意味を有するとまではいえないとしても、注意喚起の効果が否定できないことに照らせば、無意味な条項とはいえない。 ㈢ 以上によれば、本件変更条項が、法令中の公の秩序に関しない規定の適 用による場合に比して、消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する条項である(法第10条前段)とは認められない。② 本件変更条項は、控訴人の主張する民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの(法第10条後段)に当たるか。 ㈠ ある条項が信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるか否かは、法の趣旨、目的に照らし、当該条項の性質、契約が成立するに至った経緯、消費者と事業者との間に存する情報の質及び量並びに交渉力の格差その他諸般の事情を総合考量して判断すべきである。 本件各契約は、携帯電話の利用に係る通信サービス契約であり、不特定多数の相手方に対して均一な内容の給付をすることを目的とし、被控訴人の契約件数が7000万件を超えるものである。携帯電話の利用に係る通信サービスを提供する事業者である被控訴人にとって、契約者との間の本件各契約の内容を画一的に変更する必要が生じた際に、契約者の個別の同意を得ることなく契約内容を変更する必要性は高いのみならず、このような変更は上記のサービス利用料の増加等を回避でき、不特定多数の相手方に対する均一な内容の給付を可能にするという意味において、これらの者にとっても利益となる面がある。 もっとも、本件変更条項によって確認されている約款法理により、契約者は、自己が個別に同意していないにもかかわらず変更後の契約内容に拘束されることになるのであるから、そうした意味で一定の不利益を被る可能性は否定できないところである。しかしながら、約款の変更は客観的に合理性を有するものでなければならないこと、また、変更後の約款は、その内容が任意規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は義務を加重するものであり、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものである場合には、法第10条により無効となる。このように、本件変更条項が存在するからといって、上記のような約款変更が当然に有効となるわけではなく、有効になし得る約款変更は上記の各場合に当たらないものに限られるから、契約者が被る一定の不利益は重大なものであるとはいえない。 ㈡ これらの事情によれば、(a)本件変更条項によって確認されている約款法理により本件各契約約款の内容を変更する必要性は高いのみならず、(b)この ような変更は契約者等にとっても利益となる面があるのであるから、こうした本件変更条項の性質や必要性、同条項により契約者が被る不利益の程度、同条項により追加された本件手数料条項の目的・内容の相当性等を総合的に考量すると、本件変更条項が、契約者と事業者である被控訴人との間の情報や交渉力の格差を背景として、契約者の法的に保護されている利益を信義則に反する程度に両当事者の衡平を損なう形で侵害しているということはできない。 ㈢ 控訴人は、消費者が本件変更条項により被る不利益(法第10条後段)とは、(a)自己決定の自由の侵害と、(b)限定のない、いかような変更も受け入れざるを得ないという不利益である旨主張する。 上記(a)について、控訴人は、仮に、消費者が本件変更条項に基づく約款の変更に不満を持ったとしても、契約者が2年以内に解約する場合には数万円の解約手数料を支払わねばならない旨の条項を含んでいるため、被控訴人との契約から自由に離脱することができないことを指摘する。しかしながら、解約により契約の拘束から離脱すること自体はできるのであるから、控訴人の指摘は、前記認定を左右するものではない。控訴人は、中途解約や更新時期以外に解約する場合に解約金を支払わなければならないことを定めた解約金の支払に係る契約条項が存在することにより、消費者が自ら選択した時期に解約金を支払うことなく解約することができない場合があることを指摘するものと解されるが、解約金の額が法第9条第1号に規定する「平均的な損害」の額を超えて、過度に高額な場合には、それ自体有効性が問題となり得るし、高額の違約金が存在して解約が制限される事態については、諸々の合理性の判断の一要素として、変更が認められにくくなる一事情とも解されるから、控訴人の主張は採用できない。 また、上記(b)についても、控訴人は、本件変更条項によって「限定のない、いかような変更もできる」旨主張するが、前記のとおり、約款法理により、一定の合理的な範囲において約款変更ができるのであって、本件変更条項により、いかなる変更もできるということにはならないから、控訴人の主張は採用できない。③ 当審における控訴人の補足主張に対する判断 ㈠ 控訴人は、本件変更条項は、消費者にとって個別同意のない約款変更の合理的限界を見出すことのできない不明確かつ包括的な不当条項であり、事業者に対して消費者契約の条項の明確化を求めている法第3条の定めにもそぐわない旨主張する。しかしながら、仮に包括的な変更条項が、文字通りいかなる変更をも許す趣旨であれば、消費者の権利を害する不当条項といわざるを得ないが、本件変更条項が存在するか否かにかかわらず、一定の要件を満たした場合には約款変更が認められる場合があることは、当事者間に争いがないこと、本件各契約約款の変更に関して、その変更が許容される場合(すわなち合理性の基準)を全て網羅して本件変更条項に規定することは困難であって、文言が抽象的となることもある程度仕方ないものと思料されること、このことは、改正民法第548条の4第1項の規定も、「合理的な約款変更」の内容について、「変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき」と規定するに留まっており、事例ごとに様々な要素を総合的に考慮して判断することを前提としているものと解されること、前記のとおり、消費者に対し、約款が一方的に変更される場合があることを注意喚起する意味を有していることに照らせば、差止めを認めて、本件変更条項を直ちに削除すべきとまでは認められない。 ㈡ 控訴人は、約款変更が認められるのは、利用者にとって有利な変更であるなど、いわゆる推定的同意が認められる場合に限られるから、無意味な同意を含む本件変更条項は、約款変更を肯定する直接の根拠とはなり得ない旨主張する。しかしながら、本件変更条項が、基本的に合理的な変更のみ許容すると解される約款法理を確認した趣旨と解されることは前記認定のとおりであって、控訴人の主張は、前記認定を左右するものではない。 ㈢ 控訴人は、本件変更条項により一方的に約款の変更権を付与された被控訴人が合理的と判断する変更であれば有効な変更として消費者を拘束することにより、一定の不利益ではなく、変更後の約款に強制的に拘束されるから、消費者の権利を著しく制限している旨主張する。しかしながら、約款変更が有効なものとして当事者を拘束するのは、約款法理に照らして客観的に合理性が認められることが必要であり、また、改正民法施行後は、約款変更の要件(改正民法第548条の4)を満たす必要があるのであって、被控訴人が合理的と判断する変更であれば有効な変更となるものではないから、控訴人の主張は採用できない。 ㈣ 控訴人は、被控訴人が有期契約で当事者を縛り、異議のある消費者に対して解約手数料を免除することもしていないことからすれば、本件変更条項が信義則に反することは明らかである旨主張する。そして、法制審議会の民法(債権関係)部会や文献等において、合理性を判断する要素として、相手方に解除権が与えられているなどの措置が講じられているか否かが要素となること、期間内の約款変更はよほどの場合でないと認められるべきではないなどの意見があったことが認められる。しかしながら、前記のとおり、中途解約ができないわけではないこと、解約金の額が法第9条第1号に規定する「平均的な損害」の額を超えて、過度に高額な場合には、それ自体有効性が問題となり得るし、高額の違約金が存在して解約が制限される事態については、諸々の合理性の判断の一要素として、変更が認められにくくなる一事情とも解されるのであるから、控訴人の主張は採用できない。 ㈤ 控訴人は、本件変更条項には合理性の基準が用意されておらず、包括的なものであり、文言上いかような変更も可能である旨、実際にも本来は許されない約款変更が行われている現実がある旨主張する。しかしながら、本件変更条項の文言上、合理性の基準が用意されていないことは指摘のとおりであるが、前記のとおり、約款の変更は、約款法理に基づいてされるべきものであって、本件変更条項は確認的、注意的な規定に過ぎないものであるから、その文言が包括的であるとしても、本来は許されない合理性のない変更はなし得ないものであるから、控訴人の主張は採用できない。④ 結論 以上によれば、本件変更条項は、法第10条の要件に該当するとは認められないから、控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は相当である。

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公的活動2019年7月23日

消費者被害防止ネットワーク東海と株式会社静岡銀行との間で差止請求に関する協議が調ったことについて

株式会社静岡銀行

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者被害防止ネットワーク東海(以下「消費者被害防止ネットワーク東海」という。)が、株式会社静岡銀行(以下「静岡銀行」という。)に対し、静岡銀行の「静岡銀行カードローン セレカ規定(当座貸越規定)」における下記の第7条第1項第7号(以下「本件条項」という。)は、静岡銀行においては、債務者の相続人に対して一括返済を求めることを可能にし、しかも利息よりも相当高い遅延損害金の請求を可能にするという利益が生じる一方で、カードローン利用者である相続人(消費者)においてのみ予期せぬ多大な不利益を与えるものであって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するといえるため、消費者契約法第10条(※)に規定する消費者契約の条項に該当して無効であるとして、これを削除することを求めた事案である。(本件条項)第7条(期限の利益の喪失)1.借主について次の各号の事由が一つでも生じた場合には、借主は銀行から通知催告等がなくとも、本取引によるいっさいの債務につき当然期限の利益を失い、直ちに債務を返済するものとします。 (1)~(6) 略 (7) 相続が開始されたとき。(※)消費者契約法(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:令和元年6月20日、静岡銀行は、消費者被害防止ネットワーク東海に対し、令和元年6月17日付けで「静岡銀行カードローン セレカ規定(当座貸越規定)」を改定し、本件条項を削除したことについて連絡した。 これを受けて、令和元年7月23日、消費者被害防止ネットワーク東海は、申入れの内容を踏まえた改定がなされたものとして、申入れを終了した。(当該事案に関する改善措置情報(※)の概要) 静岡銀行は、1(1)の申入れ及び消費者契約法等の関係法令の趣旨を踏まえ検討を行い、令和元年6月17日、消費者被害防止ネットワーク東海に対し、当該申入れに係る条項のほか、「静岡銀行カードローン セレカ保証委託約款」第4条第1項第6号についても削除する旨連絡した。(※)改善措置情報とは、差止請求に係る相手方から、差止請求に係る相手方の行為の停止若しくは予防又は当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとった旨の連絡を受けた場合におけるその内容及び実施時期に係る情報のことをいう(消費者契約法施行規則第14条、第28条参照)。

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公的活動2019年7月23日

消費者被害防止ネットワーク東海と株式会社ワニブックスとの間で差止請求に関する協議が調ったことについて

株式会社ワニブックス

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者被害防止ネットワーク東海(以下「消費者被害防止ネットワーク東海」という。)が、株式会社ワニブックス(以下「ワニブックス」という。)に対し、同社が運営する通信販売サイト「ワニブックス スペシャルエディション」(以下「当サイト」という。)の利用に係る「ご利用規約」(以下「本件利用規約」という。)について、消費者契約法第8条第1項第1号(※)、同項第3号(※)及び第10条(※)の規定に該当するとして、以下のとおり申し入れた事案である。ア 利用者に生じた損害の賠償責任を一切負わないことを定めた本件利用規約第2条第5項及び第7条第4項の規定は、消費者契約法第8条第1項第1号及び第3号に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるので、これらの条項を消費者契約法第8条第1項第1号及び第3号に適合する条項となるよう見直すこと。イ 本件利用規約第5条第2項は、商品不良や商品誤配送等があった場合でも、利用者から商品到着後1週間以内にワニブックス所定の方式による連絡がなければ、ワニブックスはこれを「受け付け」ないことを定めている。当該規定が、ワニブックスが一切の損害賠償責任を負わないことを意味するのであるならば、当該規定が定める連絡期間等の限定は、民法が規定する債務不履行責任(民法第415条)や瑕(か)疵(し)担保責任(民法第570条)の適用による場合に比し、意思表示の期間、手段及び方法に制限を設けるものであり、消費者の権利を制限する条項であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであり、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるので、これを削除すること。(※)消費者契約法(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効) 第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。 一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項 二 〔略〕 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する民法の規定による責任の全部を免除する条項 四・五 〔略〕2 〔略〕(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:ワニブックスは、平成31年3月6日までに、消費者被害防止ネットワーク東海に対し、本件利用規約を改定した旨を連絡した。 これを受けて、令和元年7月23日、消費者被害防止ネットワーク東海は、上記アの申入れに関する条項は「当サイト(業務委託先を含む)の責めに帰すべき事由による場合を除き」責任を負わないとの内容に修正されたこと、及び上記イの申入れに関する条項は削除されたことを確認し、よって申入れの趣旨に沿う内容の改善がなされたものとして、申入れを終了した。

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公的活動2019年7月12日

埼玉消費者被害をなくす会と株式会社サンユウ群馬との間で差止請求に関する協議が調ったことについて

株式会社サンユウ群馬

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人埼玉消費者被害をなくす会(以下「埼玉消費者被害をなくす会」という。)が、株式会社サンユウ群馬※(以下「サンユウ群馬」という。)に対し、サンユウ群馬の商品である「おひさまCARルーフ」の契約書における下記の第6条(以下「本件条項」という。)の規定は、本来民法上注文者が負担しなくてもよい危険について、一方的に消費者である注文者に転嫁させるものとして民法と比して消費者の義務を加重する条項となり、損害額が10分の1を超えた場合にその超えた全ての金額を注文者に負担させるものであって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するといえるため、消費者契約法第10条(※)に規定する消費者契約の条項に該当して無効であるとして、これを修正することを求めた事案である。 (※) サンユウ群馬は、埼玉消費者被害をなくす会との間で協議が行われている中、令和元年7月10日付けで、その商号又は名称を株式会社Viscariaに変更している。 (本件条項) 第6条(不可抗力による損害) 天災その他の事由において、甲乙いずれにもその責めを帰することができない場合によって工事の出来高部分または工事現場に搬入した検査済みの工事材料について損害を生じたときは、乙は事実発生後遅滞なくその状況を甲に通知しなければならない。その損害については、乙が善良な管理者の注意をしたと認められた時に限り、その損害額が請負代金額の10分の1を超えたものについて、その超過額を甲が負担する。損害は甲乙協議して定めるものとし、火災保険その他損害をてん補するものがあるときは、それらの額を控除したものを損害額とする。 (※)消費者契約法 (消費者の利益を一方的に害する条項の無効) 第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。 (注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:令和元年7月12日、サンユウ群馬は、埼玉消費者被害をなくす会に対し、本件条項を別紙のとおり変更することについて連絡した。 これを受けて、埼玉消費者被害をなくす会は、申入れの内容を踏まえた修正がなされたものとして、申入れを終了した。

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公的活動2019年7月3日

ひょうご消費者ネットと株式会社シャンヴル・スフレとの間で差止請求に関する協議が調ったことについて

株式会社シャンヴル・スフレ

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人ひょうご消費者ネット(以下「ひょうご消費者ネット」という。)が、株式会社シャンヴル・スフレ(以下「シャンヴル・スフレ」という。)に対し、同社が消費者に対してエステティック契約(以下「本件契約」という。)の勧誘をするに際し、以下に記載する各行為(以下「本件各行為」という。)を現に行い又は今後も行うおそれがあるとして、①本件各行為を行わないこと、②同社の従業員に対し、本件各行為を行わないよう、適切な指示・指導・研修を行うこと、を申し入れた事案である。(本件各行為)ア 消費者契約法第4条第3項第2号(※)に規定する、事業者が消費者契約の締結について勧誘をしている場所から消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から当該消費者を退去させない行為。イ シャンヴル・スフレと消費者との間で締結される本件契約は、特定商取引に関する法律における特定継続的役務提供契約に該当するところ、同契約に関する同法第44条第1項第6号(※)の規定が禁止する、本件契約の解除を妨げるため、本件契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為。(※)消費者契約法(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)第四条 〔略〕2 〔略〕3 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。一 〔略〕二 当該事業者が当該消費者契約の締結について勧誘をしている場所から当該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から当該消費者を退去させないこと。4~6 〔略〕注)上記の差止請求が行われた日現在の規定(※)特定商取引に関する法律(禁止行為)第四十四条 役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務提供等契約の締結について勧誘をするに際し、又は特定継続的役務提供等契約の解除を妨げるため、次の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。一~五 〔略〕六 当該特定継続的役務提供等契約の解除に関する事項(第四十八条第一項から第七項まで及び第四十九条第一項から第六項までの規定に関する事項を含む。)七・八 〔略〕2・3 〔略〕 結果:令和元年5月10日、シャンヴル・スフレは、ひょうご消費者ネットに対し、今後本件各行為を行わないこと、及び、同社の従業員に対し、本件各行為を行わないよう、適切な指示・指導・研修を既に行った又は今後行う旨を連絡した。 これを受けて、令和元年7月3日、ひょうご消費者ネットは、申入れの内容を踏まえた改善がなされたものとして、申入れを終了した。

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公的活動2019年6月21日

消費者支援機構関西とフォーシーズ株式会社との間の訴訟に関する判決について

フォーシーズ株式会社

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者支援機構関西(以下「原告」という。)が、家賃債務保証業を営むフォーシーズ株式会社(以下「被告」という。)に対し、被告が消費者を相手方として締結する次の契約(以下「本件契約」という。)に含まれる次の契約条項(以下「本件契約条項」という。)は、消費者契約法(以下「法」という。)第8条第1項第3号(※)及び第10条(※)に規定する消費者契約の条項に該当してその効力が否定されるものであるとして、法第12条第3項の規定に基づき、本件契約条項を含む消費者契約の申込み又は承諾の意思表示の差止め、本件契約条項が記載された契約書ひな形が印刷された契約書用紙の廃棄及び被告の従業員らへの指示を徹底する旨の書面の配布を求めた事案である(平成28年10月24日付けで大阪地方裁判所に訴えを提起)。<本件契約> 被告が、住宅等の賃貸借契約(以下「原契約」という。)の当事者たる賃貸人 (以下「原契約賃貸人」という。)や賃借人(以下「原契約賃借人」という。)等との間で締結する、原契約に係る賃料等債務につき原契約賃借人から保証を受託することを含む「住み替えかんたんシステム保証契約」と称する契約。なお、本件契約に係る実際の契約条項については、別紙契約条項目録を参照のこと。 <本件契約条項> ① 本件契約第13条第1項のような、家賃債務保証受託者である被告に原契約を無催告解除する権限を付与する趣旨の条項(以下「本件被告解除権付与条項」という。) ② 本件契約第13条第1項のような、被告が原契約の無催告解除権を行使することについて原契約賃借人に異議がない旨の確認をさせる趣旨の条項(以下「本件異議不存在確認条項」という。) ③ 本件契約第14条第1項のような、被告が原契約賃借人に対して事前に通知することなく原契約賃貸人に対する保証債務を履行することができるとする条項 ④ 本件契約第14条第4項のような、被告が原契約賃借人に対し事後求償権を行使するのに対し、原契約賃借人及びその連帯保証人が原契約賃貸人に対する抗弁をもって被告への弁済を拒否できないことをあらかじめ承諾する条項 ⑤ 本件契約第18条第2項第2号のような、原契約賃借人が賃料等の支払いを2か月以上怠り、被告において合理的な手段を尽くしても原契約賃借人本人と連絡がとれない状況の下、電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から原契約の目的たる賃借物件を相当期間利用していないものと認められ、かつ、賃借物件を再び占有使用しない原契約賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存するときに、原契約賃借人が明示的に異議を述べない限り、賃借物件の明渡しがあったものとみなす権限を被告に付与する条項(※)消費者契約法(事業者の損害賠償の責任を免除する条項等の無効)第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。一・二 〔略〕三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する民法の規定による責任の全部を免除する条項四・五 〔略〕2 〔略〕(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 民法、商法(明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。(注)上記の訴えが提起された日現在の規定 結果:大阪地方裁判所は、令和元年6月21日、次のとおり判断して、原告の請求を一部認容した(被告に対し、本件契約条項⑤を含む契約の申込み又は承諾の意思表示の差止め、本件契約条項⑤が記載された契約書ひな形が印刷された契約書用紙の廃棄等を命じた。)。なお、原告及び被告は、当該判決を不服として大阪高等裁判所に控訴した。 当該裁判の主たる争点:ア 主たる争点 ⅰ)本件被告解除権付与条項(本件契約条項①)の法第10条の該当性 ⅱ)本件異議不存在確認条項(本件契約条項②)の法第8条第1項第3号又は第10条の該当性 ⅲ)本件契約条項③及び④の法第10条の該当性 ⅳ)本件契約条項⑤の法第8条第1項第3号及び法第10条の該当性イ 主たる争点についての裁判所の判断の概要 【争点ⅰ】 ㈠ 本件被告解除権付与条項(本件契約条項①)の解釈 本件被告解除権付与条項は、原契約の特約として位置付けられるものである。本件被告解除権付与条項に基づく被告の解除権が、原契約賃貸人の解除権と同様、賃貸借契約を終了させ、賃借物件を明け渡させるための手段として行使されるものであること、不動産賃貸借契約における賃貸人による解除特約については、継続的契約の当事者間の信頼関係を基礎とする限定解釈を及ぼすことが一般的であることに鑑みると、本件被告解除権付与条項についても、家屋賃貸借契約が当事者間の信頼関係を基礎とする継続的契約であることを基礎とする信頼関係破壊の法理を前提としたものであると理解すべきである。 したがって、本件被告解除権付与条項は、原契約賃借人が賃料等及び変動費の支払を賃料3か月分以上怠り、これがため原契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情が存する場合に限り、被告が無催告で解除権を行使することができる旨を定めた規定であると解するのが相当である。 ㈡ 本件被告解除権付与条項(本件契約条項①)の法第10条前段の該当性 本件被告解除権付与条項は、原契約について、第三者たる被告に、その契約関係を一方的に終了させる権限を与えるものであり、民法第541条又は民法上の一般的な法理と比較して、原契約賃借人の権利を制限するものといえ、また、原契約の債務の履行を怠ることにより、被告から解除権を行使される地位に立たされるという点で、原契約賃借人の義務を加重するものといえるから、法第10条前段の該当性を肯定することができる。 ㈢ 本件被告解除権付与条項(本件契約条項①)の法第10条後段の該当性 原契約賃借人は、本件被告解除権付与条項により、原契約当事者でない被告の判断によって、原契約が一方的に終了させられるという不利益を受けることとなる。しかし、被告が無催告解除権を行使し得るのは、原契約賃借人が賃料等及び変動費について賃料3か月分以上を滞納し、かつ、これがため契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められない事情が存する場合に限られる。そして、仮に原契約賃貸人との間で、本件被告解除権付与条項と同内容の無催告解除特約が締結されているとすれば、原契約賃借人が賃料等及び変動費について併せて賃料3か月分以上を滞納し、これがため契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められない事情が存する場合には、原契約賃借人は、原契約が一方的に終了させられるという不利益を受忍せざるを得ない地位にある。 そうすると、本件被告解除権付与条項の行使条件は、一般的な無催告解除特約に比して原契約賃借人にとって格別不利益なものであるとはいえず、無催告解除権が原契約当事者でない被告に付与されたことによる原契約賃借人の不利益は限定的なものにとどまるものということができる。原告の主張する弁護士法第72条が想定する弊害の発生のおそれ、利益相反性等について検討しても、本件被告解除権付与条項が、信義則に照らして消費者である原契約賃借人を一方的に害するものということはできない。 よって、本件被告解除権付与条項が、法第10条後段に該当するとの原告の主張は採用できず、本件被告解除権付与条項に係る意思表示の差止めの請求には理由がない。 【争点ⅱ】 ㈠ 本件異議不存在確認条項(本件契約条項②)の解釈 本件異議不存在確認条項の前提たる本件被告解除権付与条項についての【争点ⅰ㈠】の解釈を前提とすれば、本件異議不存在確認条項には、無効と解される解除権行使がされた場合において、原契約賃借人が被告に対して取得する損害賠償請求権等の法的権利を放棄させたり、そもそも無効と解されるべき被告の解除権行使について、これを争う利益を放棄させたりするとの趣旨を読み取ることはできない。そうすると、本件異議不存在確認条項は、本件被告解除権付与条項に基づく被告の有効な無催告解除権の行使について、原契約賃借人が「異議がない」ことを確認する旨の条項にすぎず、無効な解除権の行使の効力等を争う権利を放棄させる条項と解釈する余地はなく、また、被告に対する損害賠償請求権を免除させる条項と解釈する余地もないというべきである。 ㈡ 本件異議不存在確認条項(本件契約条項②)の法第8条第1項第3号及び第10条前段の各該当性 本件異議不存在確認条項を㈠の趣旨に解することを前提とすると、本件異議不存在確認条項は、原契約賃借人が有すべき損害賠償請求権を放棄させたり、原契約賃借人においてその効力を争う権利を放棄させたりする条項とはいえないから、法第8条第1項第3号に該当するものとはいえず、また、法第10条前段に該当するものともいえない。 したがって、法第10条後段該当性について検討するまでもなく、本件異議不存在確認条項に係る原告の主張は採用できず、本件異議不存在確認条項に係る意思表示の差止請求には理由がない。 【争点ⅲ】 ㈠ 本件契約条項③(本件契約第14条第1項)及び④(本件契約第14条第4項)の解釈 本件契約条項③には、被告の原契約賃借人に対する求償金請求について、原契約賃借人が被告に対し「債権者に対抗することができる事由」(民法第463条第1項・第443条第1項)を主張することを妨げ、被告が事前通知なくして弁済等をした場合であっても、同法第463条第2項・第443条第2項の規定に基づき、有効な弁済等であったものとみなすことを可能とする効果がある。 本件契約条項④には、被告が原契約賃借人に対して自らの保証債務の履行が有効であることを主張できる場合において、原契約賃借人の被告に対する抗弁の主張を妨げる効果がある。 ㈡ 本件契約条項③及び④の法第10条前段の該当性 以上の内容は、原契約賃借人の法的地位に関し、任意規定である民法第463条第1項及び第2項・第443条第1項及び第2項が定める内容と比べ、その権利を制限し又は義務を加重するものであるといえる。よって、本件契約条項③及び④は、法第10条前段に該当するものといえる。 また、原契約賃借人の連帯保証人についても、原契約賃借人の原契約賃貸人に対する抗弁の主張を援用することを妨げる効力を有するものであるから、本件契約条項③及び④は、消費者たる連帯保証人との関係においても、民法上の任意規定と比べてその権利を制限するものであるといえ、法第10条前段に該当する。 ㈢ 本件契約条項③及び④の法第10条後段の該当性 原契約賃借人の不利益が問題となる(イ)原契約賃借人が賃料等の弁済をした後、被告が原契約賃貸人からの請求に応じ保証債務を支払った場合、(ロ)原契約賃借人が、原契約賃貸人による修繕義務(民法第606条第1項)の不履行に基づく損害賠償請求権や必要費償還請求権(民法第608条第1項)など、原契約賃貸人に対する反対債権を有している場合その他の原契約賃借人の不利益が問題となる場合につき検討しても、(イ)については、原契約賃借人が甘受すべき賃料等の二重払いのリスクは、基本的には、賃料等1か月分及び変動費、更新料程度であるということができること等から、(ロ)については、原契約賃借人は、既発生の賃料等債務に係る相殺が民法第463条第2項・第443条第2項又は本件契約第14条第3項により無効とされた場合であっても、同じ債権をもって、将来発生する賃料等債務とその対当額において相殺することにより、原契約賃貸人に対する債務を免れるとともに、原契約賃貸人に対する自働債権を回収することができること等から、本件契約条項③及び④によって、原契約賃借人に対して生じる不利益が大きいものということはできない。 また、原契約賃借人の連帯保証人についても、本件契約条項③及び④によって生じる不利益は大きいものとはいえない。 これに対し、被告においては、本件契約条項③及び④を設けることについて、次のような点から、その必要性及び許容性が認められる。 (1) 被告の保証債務の履行自体は、被告の通常業務の過程で反復的・集団的に起こるものであり、この保証債務履行のたびに原契約賃借人に対する事前通知を行うことによるコストは、軽視できるものとはいえない。 (2) 被告が、原契約賃貸人から保証債務履行請求を受けた場合において、原契約賃借人が原契約賃貸人に対して法的に対抗し得る事由を有していることが多くはなく、むしろ、例外的である。 (3) 原契約賃借人が賃料等を支払っていない場合、原契約賃貸人が被告に対して賃料等相当額の保証債務履行請求をすることは通常、予測可能であり、原契約賃借人が、原契約賃貸人に対して法的に対抗すべき事由を有している場合、これを原契約賃貸人に対してだけでなく、賃借物件を管理する宅地建物取引業者や被告に対して通知する機会がないとはいえない。 (4) 金融機関の貸付けに際して、信用保証協会が個人又は事業者の債務を保証する場合において、その保証委託契約には、信用保証協会による保証債務の履行について、主債務者に対する事前の通知義務を免除する特約が存し、その他の金融機関についても、同種の特約が存することが少なくない。 以上によれば、本件契約条項③及び④は、原契約賃借人に関する部分及び原契約賃借人の連帯保証人に関する部分のいずれについても、信義則に照らして消費者の利益を一方的に害するものということはできない。 したがって、本件契約条項③及び④が法第10条後段に該当するとの原告の主張は採用できず、本件契約条項③及び④を含む契約締結の意思表示の差止請求についてはいずれも理由がない。 【争点ⅳ】 ㈠ 本件契約条項⑤(本件契約第18条第2項第2号)の解釈 本件契約条項⑤は、本件契約第18条第1項とは異なり原契約が終了したことが要件となっていないこと及び本件契約の他の条項に照らすと、本件契約条項⑤に定める要件が存するときに、原契約が解除等を理由として終了したか、又は原契約終了の前提となる解除の意思表示が有効であるか否かにかかわらず、原契約を終了させ、(α)原契約賃貸人及び被告が賃借物件内に存する動産類を搬出保管することにつき、原契約賃借人において異議を述べない旨、(β)(α)の搬出の日から1か月以内に引き取らないものについて、原契約賃借人に所有権を放棄させ、これを被告が随意処分することにつき、原契約賃借人において異議を述べない旨、(γ)(α)の搬出に係る動産類の保管料等の費用を原契約賃借人が支払うこととする旨を定めた条項であると解するのが相当である。その「異議を述べない」という文言の趣旨に、原契約賃借人が、原契約賃貸人及び被告による賃借物件内の動産類の搬出・保管及び随意処分の各措置を受け入れ、拒絶しないことが含まれることは明らかである。 ㈡ 本件契約条項⑤の法第8条第1項第3号の該当性 本件契約条項⑤が、原契約自体の終了原因の有無や解除の意思表示の有効性を問わずに同契約を終了させる趣旨のものであることに照らすと、本件契約条項⑤の適用により、いまだ原契約が終了しておらず、原契約賃借人の占有が失われていない場合であっても、被告等は、賃借物件内の動産類の搬出・保管を行い得ることとなる。このような行為は、原契約が終了しておらず、いまだ原契約賃貸人に賃借物件の返還請求権が発生していない状況で、被告等が自力で賃借物件に対する原契約賃借人の占有を排除し、原契約賃貸人にその占有を取得させることにほかならず、自力救済行為であって、本件契約の定めいかんにかかわらず、法的手続によることのできない必要性緊急性の存するごく例外的な場合を除いて、不法行為に該当する。また、本件契約第19条第1項は、被告が動産類を搬出・保管し、原契約賃借人が、搬出から1か月以内に引き取らないものについて、被告が随意処分することに異議を述べない旨定めるものであり、これは、原契約が終了しておらず、原契約賃借人が賃借物件に対する占有を失っていない場合にも適用される。 このような本件契約上の関連条項の文言に照らすと、本件契約条項⑤は、本件契約第18条第3項及び第19条第1項と相まって、上記の各措置によって原契約賃借人が法律上保護された利益を侵害された場合であっても、これを理由とする損害賠償請求をしない旨、すなわち、被告等による上記の各措置が本件契約における債務の履行に際してされた原契約賃借人に対する不法行為に該当する場合であっても、原契約賃借人にこれを理由とする損害賠償請求権を放棄させる趣旨も含むものと解するのが相当である。 したがって、本件契約条項⑤は、本件契約第18条第3項及び第19条第1項と相まって法第8条第1項第3号に該当する条項であるということができる。 そして、被告は、現在、本件契約の契約書用紙を使用していることから、不特定多数の消費者との間で、本件契約条項⑤を含む消費者契約の申込み又は承諾の意思表示を現に行い、又は行うおそれがあるものと認められる。 そうすると、本件契約条項⑤に係る他の争点を検討するまでもなく、本件契約条項⑤を含む消費者契約の申込み等の意思表示の差止めを求める原告の請求には理由がある。

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COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2019年6月18日

消費者被害防止ネットワーク東海と医療法人ひらい会との間で差止請求に関する協議が調ったことについて

医療法人ひらい会

事案の内容:本件は、消費者被害防止ネットワーク東海が、「ひらい歯科」を運営する医療法人ひらい会(以下「ひらい会」という。)に対し、同歯科のホームページにおいて掲載されている「名古屋エリア1位、年間600本以上の実績」及び「『ストローマンインプラント』で名古屋市最多、年間700本の症例実績」との広告(※1)は、不当景品類及び不当表示防止法第30条第1項第1号(※2)に規定する優良誤認表示に該当するとして、その改善等を求めた事案である。(※1)広告の記載内容は、いずれも、消費者被害防止ネットワーク東海の申入書から抜粋。(※2)不当景品類及び不当表示防止法第三十条 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体(以下この条及び第四十一条において単に「適格消費者団体」という。)は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して次の各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が当該各号に規定する表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると誤認される表示をすること。 二 〔略〕注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:平成31年4月10日、ひらい会は、消費者被害防止ネットワーク東海に対し、「名古屋エリア1位」「名古屋市最多」といった文言は削除するとともに、症例実績に係る部分については「2018年度ストローマン社調べ、証明可能な実績です。」との記載を加える等の対応をする旨連絡した。 これを受けて、令和元年6月18日、消費者被害防止ネットワーク東海は、申入れの趣旨に沿う内容の改善がなされたものとして、申入れを終了した。

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COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2019年6月14日

佐賀消費者フォーラムと株式会社平安閣エヌピーオー互助会との間の訴訟に関する判決について

株式会社平安閣エヌピーオー互助会

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人佐賀消費者フォーラム(以下「原告」という。)が、冠婚葬祭の互助会を運営する株式会社平安閣エヌピーオー互助会(以下「被告」という。)に対し、被告が不特定かつ多数の消費者との間で締結する、消費者が将来行う冠婚葬祭に備え、所定の月掛金を前払で積み立てることにより冠婚葬祭に係る役務等の提供を受ける権利を取得し、被告が当該消費者の請求により冠婚葬祭に係る役務サービス等を提供する義務を負うことを内容とする契約(以下「本件契約」という。)に適用される契約約款中、契約期間中に消費者が解約したときの返戻金額を支払済みの月掛金残高から所定の手数料を差し引いた金額とする旨の条項(以下「本件解約金条項」という。)は、消費者契約法(以下「法」という。)第9条第1号及び第10条(※)の規定に該当して無効であると主張して、法第12条第3項の規定に基づき、①解約時に支払済金額から解約金を差し引いて消費者に対し返金することを内容とする意思表示の差止め、②本件解約金条項が印刷された契約書ひな形の廃棄、並びに③①の内容の意思表示を行うための事務を行わないこと及び②の契約書ひな形を破棄すべきことを被告の従業員らに指示することを求めた事案である(平成28年12月5日付けで佐賀地方裁判所に対して訴訟を提起)。 (※)消費者契約法(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分 二 〔略〕(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 民法、商法(明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。(注)上記の訴訟が提起された日現在の規定 結果:佐賀地方裁判所は、令和元年6月14日、以下のように判断した上で、原告の請求を全て棄却した(原告は、同月26日付けで福岡高等裁判所に控訴した。)。 当該裁判の主たる争点:ア 主たる争点 ⅰ)本件契約の解約により生じる平均的な損害の額 ⅱ)本件解約金条項は法第10条の規定に該当し無効であるかイ 主たる争点についての裁判所の判断の概要【争点ⅰ】 ㈠ 法第9条第1号の「平均的な損害」について 法第9条第1号の「平均的な損害」とは、同一事業者が締結する多数の 同種契約事案について類型的に考察した場合に算定される平均的な損害の額を指し、具体的には、解除の時期等により同一の区分に分類される複数の同種の契約の解除に伴い、当該事業者に生じる損害の額の平均値をいうものと解される。 本件については、訴訟が提起された直前の1年間である基準年度(平成27年5月1日から平成28年4月30日までの期間をいう。以下同じ。)に生じた費用をもって、被告に生じる損害の額の平均値を算定することが可能である。㈡ 本件解約金条項所定の解約手数料が同種の契約の解約に伴い被告に生じる損害の額の平均値を上回るかについて ① 本件契約の性格について 本件契約によって、被告が結婚式や葬式といった具体的な役務サービ ス等を提供するのは、会員(被告との間で本件契約を締結した消費者をいう。以下同じ。)から請求があった後ではあるが、被告は、本件契約を締結することにより、会員から請求を受けた際に適切に役務サービス等を提供するための会員管理の業務(以下「会員管理業務」という。)を行うことになる。 また、本件契約は、各会員が、将来行う冠婚葬祭の際、多額の出費が必要となることに備えて、数千円程度の比較的少額な月掛金を前払する方法で積立てを行い、最終的には契約金額(積立金の合計金額)よりも高額な費用を要する儀式の施行を受けるというものである。現実に儀式を施行する時期は不確定であり、あらかじめ予測することが困難な場合も多い。そうすると、互助会を構成する会員が一定数確保され、会員からの積立金が蓄積されることにより、常時、その一部を利用して、契約金額を上回る金額の役務サービス等を当該会員に提供できる状態にあることが、互助会制度を維持していく上で不可欠となる。ところが、役務サービス等の提供は1回に限られるから、儀式の施行が終われば、原則として契約は終了するし、会員による中途解約、月掛金の延滞による契約の失効等によっても会員数は減少する。そうすると、被告は、会員に対し本件契約に基づく役務サービス等の提供を適切に履行するために、常時新規の会員を獲得する必要があり、そのための募集業務(以下「会員募集業務」という。)を行うとともに、会員数を維持するための措置を講じる必要があることになる。 ② 中途解約に伴う「平均的な損害の額」の算出方法について ①のとおり、被告は、役務サービス等の提供の請求を受ける前であっても、各会員に対し将来適切な役務サービス等を提供するために、会員の募集・管理に係る業務を行う必要があるところ、これについて被告が支出した費用は、会員が中途解約することで無駄なものとなるから、当該中途解約に伴う損害であると認められる。 ある期間中に支出された会員募集費用は、当該期間中に締結された新規の本件契約について生じたものと考えられるし、ある期間中に支出された会員管理費用は、当該期間中の契約総口数について生じたものと考えられるから、当該期間中の会員募集及び会員管理の費用をこれらで除することで、特定の中途解約に伴う平均的な損害を算出することが可能である。 ③ 被告の「平均的な損害の額」について 基準年度中に被告が支払った(1)会員募集業務に従事する従業員に係る人件費、(2)会員管理業務に従事する従業員に係る人件費、(3)会員募集業務の委託手数料、(4)会員募集業務及び会員管理業務に係る電話料、(5)会員募集業務及び会員管理業務に係る交通費等、(6)新規会員の募集のために作成された会報誌その他の書類の作成費用、(7)被告が会員募集業務及び会員管理業務のために用いる建物について支出した費用、(8)本件契約に関し割賦販売法第35条の3の62が準用する同法第18条の3の規定に基づき被告が前受金保全措置として締結した前受業務保証金供託委託契約に係る保証料、(9)多数に上る本件契約を適切に管理するためのコンピュータシステムの利用の費用、(10)完納通知費用等については、いずれも平均的な損害に含まれる。 被告が違約金や身元保証金として徴収した金員のうち、違約金については不適切な会員募集によって歩合給を獲得した者に対する制裁金として徴収されていると認められるのであり、これにより中途解約による損害が補填されているとは認められない。身元保証金については中途解約による損害の補填に充てられた事実は認められない。 ④ 本件解約金条項の定める解約手数料が「平均的な損害の額」を上回るかについて 本件で算定された本件契約を解約された場合の「平均的な損害の額」は、本件契約の3つのコース、いずれの払込時点等においても、本件解約金条項の定める解約手数料を上回っている。 したがって、本件解約金条項の定める解約手数料は、法第9条第1号 に定める「平均的な損害の額」を超えているとは認められない。【争点ⅱ】 本件解約金条項の定める解約手数料は、法第9条第1号に定める「平均的な損害の額」を超えているとは認められないから、本件解約金条項は、任意規定による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重するものとはいえない。【結論】 よって、原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとする。

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COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2019年6月10日

消費者支援かながわと株式会社ビックカメラとの間で差止請求に関する協議が調ったことについて

株式会社ビックカメラ

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者支援かながわ(以下「消費者支援かながわ」という。)が、株式会社ビックカメラ(以下「ビックカメラ」という。)に対し、同社がインターネット上で運営するウェブサイト「ビックカメラ.com」において提供するサービスに係る利用規約(以下「本件利用規約」という。)の条項について、消費者契約法第8条第1項第1号、同項第3号及び第10条(※)に規定する消費者契約の条項に該当するとして、以下のとおり申し入れた事案である。ア 本件利用規約第8条第5項の規定における「当社は、(中略)、本サイトの業務処理において、当社に故意または重大な過失がない限り、法律上の請求原因の如何を問わず、いかなる場合においても本サービスの利用に関してご利用者に生じた損害、損失、不利益等に関して責任を負いません。」との記載は、消費者契約法第8条第1項第1号、同項第3号及び第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるので、同規定の使用停止及び削除又は修正をすること。イ 本件利用規約第16条第6項柱書きの規定において、「契約の成立の如何にかかわらず、以下の理由により当社は無条件でご注文をお断りし、または契約を解除することができます。」と記載した上で、同項第4号で「本サイトに表示された価格が市場相場等に比して誤っていると当社が判断した場合。」と、また、同項第7号で「その他当社がご注文のお断りまたは契約の解除の必要を認めた場合。」と記載するのは、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるので、同規定の使用停止及び削除又は修正をすること。ウ 本件利用規約第19条第2項の規定における「お届けした商品に初期不良等瑕疵(かし)があった場合、商品到着後30日以内にご連絡下さい。(以下略)」との記載は、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるので、同規定の使用停止及び削除又は修正をすること。(※)消費者契約法(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効)第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。 一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項 二 〔略〕 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項 四・五 〔略〕2 〔略〕 (消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。(注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:ビックカメラは、消費者支援かながわに対し、平成31年4月8日、上記アからウまでの申入れに係る本件利用規約の改訂等について連絡した。 これを受けて、令和元年6月10日、消費者支援かながわは、別紙のとおり改訂がなされたことを確認し申入れを終了した。(当該事案に関する改善措置情報(※)の概要) ビックカメラは、上記の申入れ及び消費者契約法等の関係法令の趣旨を踏まえ検討を行い、消費者支援かながわに対し、平成31年4月8日、当該申入れに係る条項のほか、「第8条第3項(免責事項)」及び「第12条第8項(ポイント)」についても変更する旨連絡した。(※)改善措置情報とは、差止請求に係る相手方から、差止請求に係る相手方の行為の停止若しくは予防又は当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとった旨の連絡を受けた場合におけるその内容及び実施時期に係る情報のことをいう(消費者契約法施行規則第14条、第28条参照)。

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COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2019年6月4日

消費者支援群馬ひまわりの会と株式会社群馬銀行との間で差止請求に関する協議が調ったことについて

株式会社群馬銀行

事案の内容:本件は、消費者支援群馬ひまわりの会が、株式会社群馬銀行(以下「群馬銀行」という。)に対し、① 群馬銀行の「ナイスサポートカード契約規定」第16条第1項第6号は、「相続の開始があったとき」に、借主は、「債務全額について当然に期限の利益を失い、直ちに本契約による債務全額を支払うもの」としており、また、「ぐんぎんネットDEローン規定」第7条第1項第2号においても、「相続の開始があったとき」に、借主は「債務全額について期限の利益を失い、直ちにこの契約による債務全額を返済するもの」としているところ、これらの条項は、消費者契約法第10条(※)に規定する消費者契約の条項に該当して無効であるとして、これらを削除すること② ①のほかに、消費者を対象とした金銭消費貸借契約について、相続の開始を期限の利益喪失事由とする同趣旨の条項がある場合に、当該条項を削除することを求めた事案である。(※)消費者契約法(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:平成31年3月26日、群馬銀行は、消費者支援群馬ひまわりの会に対し、消費者を対象とした金銭消費貸借契約に規定されている期限の利益喪失事由から「相続の開始があったとき」との条項を削除する旨連絡した。 これを受けて、令和元年6月4日、消費者支援群馬ひまわりの会は、申入れの趣旨に沿う内容の改善がなされたものとして、申入れを終了した。

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COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2019年5月24日

消費者機構日本と株式会社くるなびとの間の裁判外の和解について

株式会社くるなび

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者機構日本(以下「消費者機構日本」という。)が、株式会社くるなび(以下「くるなび」という。)に対し、同社と消費者との間で締結する車両買取契約(以下「本件契約」という。)に適用される車輌(りょう)買取契約約款(以下「本件約款」という。)について、以下のとおり申し入れた事案である。ア 本件約款第5条第1項の規定は、「次のいずれかの場合、買主は、売主に対する事前の通知・催告なしに、ただちにこの売買契約を解除することができます」とし、無催告解除を認めているところ、同項は、無催告解除ができる場合を履行不能や瑕疵(かし)の程度が売買契約の目的を達成できないほどに重大なものである場合などに限定をしていないことから、消費者契約法第10条(※)に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。したがって、同項について、無催告解除ができる場合を履行不能や瑕疵(かし)の程度が売買契約の目的を達成できないほどに重大である場合などに限定するよう、規定を修正すること。イ 本件約款第5条第1項の定める解除事由①は、「第2条①、②または④の事項のいずれかに反する事実が判明したとき」としており、同第2条②は、「本車輌(りょう)の事故歴、修復歴、改造、接合、冠水歴、距離計交換、距離数巻き戻し、外色の塗り替え、エンジンチェックランプ等の警告灯点灯の有無及び、走行距離について売主が申告した表面の記載が真実で、その内容に間違いないこと」と規定しているところ、第2条②に反する場合とは、「隠れたる瑕疵(かし)」に当たるものの例示といえる。しかしながら、第2条②に反する場合でも瑕疵(かし)の程度が売買契約の目的を達成できないほどに重大である場合とは限らず、解除事由①のうち第2条②に反する場合に本件契約を解除することができるとする本規定は、民法の瑕疵(かし)担保責任規定と比べても、解除をできる事由が幅広くなっており、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。したがって、本件約款第5条第1項の解除事由①のうち第2条②に反する事実について、民法の瑕疵(かし)担保責任と同様に売買契約の目的を達成できないほどに重要である場合に限定するよう、規定を修正すること。ウ 本件約款第5条第1項の定める解除事由①は、「第2条①、②または④の事項のいずれかに反する事実が判明したとき」としており、同第2条④は、「売主が未成年である場合、親権者の同意があること」と規定しているところ、民法は親権者の同意のない未成年者の法律行為について、相手方に取消権や解除権を認めるものではなく、解除事由①のうち本件約款第2条④に反する場合に本件契約を解除することができるとする本規定は、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。したがって、本件約款第5条第1項の解除事由①から、第2条④に反する事実について除外すること。エ 本件約款第6条第2項の規定は、「第2条②に反して、事故歴、修復歴、改造、接合、冠水歴、距離計交換、距離数巻き戻し、外色の塗り替え、エンジンチェックランプ等の警告灯点灯や走行距離の相違がオークション会場などで判明した場合」に、買主が、それにより減額される相当額を契約金額から差し引いた金額で再契約し又は車両の返却ができることを規定している。しかし、民法の瑕疵(かし)担保責任では、損害賠償請求又は(瑕疵(かし)の程度が売買の目的を達成できないほどに重大であるような場合に限り)解除が認められるにすぎず、売主との合意なしに、買主が一方的に金額を減額して再契約することは民法上認められていない。したがって、第2条②に反することが判明した場合に減額して再契約することができるとする本規定は、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるため、本件約款第6条第2項を削除すること。 (※)消費者契約法(消費者の利益を一方的に害する条項の無効) 第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:令和元年5月24日、消費者機構日本とくるなびは、大要以下の合意をして和解した。ア くるなびは、消費者機構日本に対し、本件約款第5条第1項及び第6条第2項について、以下の趣旨に従い改定することを約束する。① 第5条第1項について「②または④の事項のいずれかに」の文言は削除する。瑕疵(かし)があるため無催告解除ができる場合について、本件約款第2条との連結 を断ち、重大な内容であるものに限定する。② 第6条第2項について本件約款第2条との連結を断ち、重要な事項について売主の申告との相違が判明した場合や新たな瑕疵(かし)が判明した場合は原則として損害賠償請求で対応する趣旨の規定とする。イ くるなびは、消費者機構日本に対し、上記アによる本件約款の改定につき、自らの従業員等が令和元年7月1日以降に改定前の条項に基づく意思表示を行わないよう、また、改定前の条項が記載された契約書及び約款等を使用しないよう、自らの従業員等に対し、適切な研修、指導を行うなど、必要な措置をとることを約束する。

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公的活動2019年5月10日

消費者ネットおかやまとアサヒカルピスウェルネス株式会社との間で差止請求に関する協議が調ったことについて

アサヒカルピスウェルネス株式会社

事案の内容:本件は、消費者ネットおかやまが、アサヒカルピスウェルネス株式会社(以下「アサヒカルピスウェルネス」という。)に対し、同社が運営する「アサヒの健康通販」オンラインショップのショッピング利用規約には、同社が一切損害賠償責任を負わない旨の記載がされている条項(以下「本件規約条項」という。)が含まれており、本件規約条項は、消費者契約法第8条第1項第1号ないし第4号(※)に規定する消費者契約の条項に該当し、無効であるとして、その改定を求めた事案である。 (※)消費者契約法(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効) 第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。 一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項 二 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項 四 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項 五 〔略〕2 〔略〕注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:平成31年4月23日、アサヒカルピスウェルネスは、消費者ネットおかやまに対し、本件規約条項に関し、同社は「故意または重過失による場合を除き」一切の責任を負わないこととする内容の改定をする旨連絡した。 これを受けて、令和元年5月10日、消費者ネットおかやまは、申入れの趣旨に沿う内容の改善がなされたものとして、申入れを終了した。

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公的活動2019年5月8日

消費者支援ネットくまもとと株式会社SOUWAとの間の判決について

株式会社SOUWA

事案の内容:本件は、原告が、自動車販売業者である株式会社SOUWA(以下「被告」という。)に対し、被告が不特定かつ多数の消費者との間で自動車販売契約を締結するに際して使用している書面には消費者契約法(以下「法」という。)第9条第1号(※)の規定に該当する条項(以下「差止請求条項」という。)が含まれているとして、法第12条第3項の規定に基づき、差止請求条項を内容とする意思表示の停止及び差止請求条項が記載された用紙の廃棄並びにこれらを従業員に指示する措置を採ることを求めた事案である。(差止請求条項)① 本件解約料条項 契約後のキャンセルは原則できません。購入者の一方的なキャンセルにつきましては、キャンセル料(契約額の30%)の支払を申し受けます。② 本件損害賠償条項 契約が解除されたときは、乙(注文者)は甲(販売店)に対し直ちに自動 車代金等に相当する額の損害賠償金及びこれに対する(ただし書の場合は、各号の金額を控除した額に対する)商事法定利率による遅延損害金を支払います。ただし、下記各号に該当する場合、甲はその金額を前記損害賠償金の支払に充当するものとします。 ⑴ 乙が甲に頭金及び残代金の一部を既に支払っているときはその合計額。 ⑵ 自動車が返還された場合(甲が乙に自動車を提供したが、乙が第2条に違反したため自動車の引渡しができなかったときを含む。)は財団法人日本自動車査定協会による査定評価額及び乙に支払う消費税・地方消費税が生じた場合はその額。ただし、乙が任意に自動車を返還しないため、甲が仮処分その他自己の費用をもって自動車を回収した場合、甲が自動車の評価額から回収費用を差し引くことができるものとします。(※)消費者契約法(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分 二 〔略〕(注)上記の訴えが提起された日現在の規定 結果:熊本地方裁判所は、令和元年5月8日、以下のように判断した上で、原告の請求をいずれも棄却した(原告は、令和元年5月20日付けで福岡高等裁判所に控訴した。)。 当該裁判の主たる争点:ア 主たる争点 差止請求条項が法第9条第1号に規定する消費者契約の条項であるといえるか。イ 主たる争点についての裁判所の判断 ① 法第9条第1号の「平均的な損害」の意義㈠ 法第9条第1号の趣旨は、消費者が、違約金等条項が存在しない場合に民法第416条により負担すべき損害賠償の額に比して、違約金等条項により不当に過大な義務を課されるおそれを防止することにあると解される。そうすると、法第9条第1号の「平均的な損害」と民法第416条の「通常生ずべき損害」は本質的に異なるものではなく、「平均的な損害」の額とは、当該事業者が一定の類型の消費者契約について消費者の債務の不履行によって解除権を行使する場合に、民法第416条により消費者に賠償を請求することができる損害額の平均を合理的に算出した額をいうものと解される。 したがって、「平均的な損害」には当該事業者の一定の類型の消費者契約について合理的に算出した平均的な逸失利益が含まれるというべきである。㈡ もっとも、具体的な消費者契約の性質やその締結に関する実情により、事業者が消費者による解除を織り込んで事業を運用していると解される場合には、事業者が消費者に請求できる損害賠償の範囲が民法第416条の定める範囲よりも制限される場合もあり得ると考えられる。しかしながら、被告が買主による解除を織り込んで自動車販売業を運用しているとは認められない。㈢ 事業者が、消費者契約を消費者の債務不履行によって解除した場合に、当該契約の目的を他の契約に代替ないし転用できるか否かによって、民法第416条の「通常生ずべき損害」に逸失利益が含まれるか否かに差異が生じるものではないから、法第9条第1号の「平均的な損害」についても、消費者契約の目的を他の契約に代替ないし転用できるか否かによって逸失利益が含まれるか否かに差異が生じるとは解し難い。 もっとも、事業者が、消費者契約を消費者の債務不履行によって解除した場合に、解除によって事業者が利益を得たときは、当該利益は損益相殺の対象となると考えられ、事業者が締結できる契約の数が限られているなどの事情により、締結した契約の解除によって新たに契約を締結できる機会が増加したと評価できる場合には、新たに契約を締結できる機会を得たことが損益相殺の対象となると解する余地もないではない。しかしながら、被告は締結した自動車販売契約の解除によって新たに契約を締結できる機会が増加したと評価することはできない。したがって、被告における自動車販売契約の解除によって、被告が損益相殺の対象となる利益を取得することはできない。㈣ 以上によれば、法第9条第1号所定の「平均的な損害」には平均的な逸失利益が含まれ、被告が締結する自動車販売契約における「平均的な損害」の額は、被告が締結する自動車販売契約における平均的な逸失利益の額を下回ることはない。 ② 本件解約料条項が法第9条第1号に該当するか 法第9条第1号の「平均的な損害」及びこれを超える部分については、消費者契約の条項が同号に該当して無効であると主張する者において主張立証責任を負うべきところ、原告は、被告の平均的な逸失利益についての具体的な主張立証を行わない。 そうすると、本件解約料条項の定めるキャンセル料が、被告が締結する自動車販売契約における「平均的な損害」の額を超えるものとは認められないから、本件解約料条項が法第9条第1号に該当するということはできない。 ③ 本件損害賠償条項が法第9条第1号に該当するか 本件損害賠償条項は、買主に帰責性のある事由により契約が解除された場合の損害賠償の額が民法第416条の「通常生ずべき損害」の額であることを前提として、「財団法人日本自動車査定協会による査定評価額」をもって車両の評価額とすることを予定するに過ぎないものと考えられ、原告は「財団法人日本自動車査定協会による査定評価額」が平均的な車両の評価額を下回る旨の主張立証を何ら提出しないから、この点をもって本件損害賠償条項が法第9条第1号に該当するとは認められない。 原告の主張の主眼は、法第9条第1号の「平均的な損害」に含まれる損害の範囲は民法第416条の「通常生ずべき損害」に含まれる損害の範囲とは異なるとの解釈を前提として、損害賠償の額が民法第416条の「通常生ずべき損害」の額であることを確認する条項も法第9条第1号の違約金等条項であって、「平均的な損害」の額を超える部分は無効であるという点にあると解されるが、上記解釈を採用できないのは上記①のとおりである。 ④ 結論 よって、原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとする。

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公的活動2019年4月25日

消費者支援ネットワークいしかわと株式会社北陸銀行との間で差止請求に関する協議が調ったことについて

株式会社北陸銀行

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者支援ネットワークいしかわ(以下「消費者支援ネットワークいしかわ」という。)が、株式会社北陸銀行(以下「北陸銀行」という。)に対し、北陸銀行の下記の「カードローンNOW契約書(当座貸越契約書)」第9条第1項第7号及び「ほくぎんカードローンクイック・マン契約規定」第14条第1項第7号の規定(以下「本件各契約条項」という。)は、北陸銀行においては、被相続人(借主)の死亡という偶然の事情により、保証会社からの保証により全額の返済を受けることができ、貸し倒れリスクを免れる一方で、カードローン利用者の相続人(消費者)に予期せぬ遅延損害金を負担させ得るものであって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するといえるため、消費者契約法第10条(※)に規定する消費者契約の条項に該当して無効であるとして、これを削除することを求めた事案である。 (カードローンNOW契約書)第9条(期限前の全額返済義務) 1.借り主について次の各号の事由が一つでも生じた場合には、借り主は銀行からの通知催告等がなくとも、本取引による債務の全額について期限の利益を失い、第6条の返済によらず、直ちに本取引による債務全額を返済するものとします。 (1)~(6) 〔略〕 (7)相続の開始があったとき。 (ほくぎんカードローンクイック・マン契約規定)第14条(期限の利益喪失) 借り主について次の各号の事由が一つでも生じた場合には、借り主は銀行からの通知、催告がなくてもこの契約による債務全額について当然に期限の利益を失い、直ちにこの契約による債務全額を支払うものとします。 (1)~(6) 〔略〕 (7)相続の開始があったとき (※)消費者契約法(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。 注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:平成31年4月25日、北陸銀行は、消費者支援ネットワークいしかわに対し、本件各契約条項を削除する旨を連絡した。 これを受けて、消費者支援ネットワークいしかわは、申入れを終了した。

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公的活動2019年4月23日

ひょうご消費者ネットと阪南理美容株式会社との間で差止請求に関する協議が調ったことについて

阪南理美容株式会社

事案の内容:本件は、ひょうご消費者ネットが、阪南理美容株式会社(以下「阪南理美容」という。)に対し、同社が運営する理美容店「プラージュ」が消費者に交付している「ヘアカラーメンバーズカード」の裏面に下記の文言(以下「本件文言」という。)が記載されているところ、本件文言は消費者契約法第8条第1項第1号から第4号まで(※1)に規定する消費者契約の条項に該当するとして、これを削除することを求めた事案である。 (本件文言) 「仮に施術により貴社が使用する薬剤で頭皮や皮膚がかぶれたり、何らかの異常が発生したとしても、全て自己責任として、貴社及び貴社従業員に対し、裁判上又は裁判外を問わず一切の異議申立て、訴訟提訴、その他各目の如何を問わず何らの請求を行わないことを誓約いたします。」(※2)(※1)消費者契約法(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効)第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。 一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項 二 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項 四 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項 五 〔略〕2 〔略〕注)上記の差止請求が行われた日現在の規定(※2)文言の記載内容は、ひょうご消費者ネットの申入書から抜粋。 結果:平成31年3月6日、阪南理美容は、ひょうご消費者ネットに対し、本件文言を「ヘアカラーメンバーズカード」から削除した旨連絡した。 これを受けて、平成31年4月23日、ひょうご消費者ネットは、申入れの趣旨に沿う内容の改善がなされたものとして、申入れを終了した。

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公的活動2019年3月18日

埼玉消費者被害をなくす会と株式会社トーソーコンストラクションとの間の裁判上の和解について

株式会社トーソーコンストラクション

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人埼玉消費者被害をなくす会(以下「原告」という。)が、建築工事の設計、請負、施工及び監理等を目的とする株式会社トーソーコンストラクション(以下「被告」という。)に対し、被告が消費者との間で外壁等塗装契約(以下「本件契約」という。)を締結する際に使用する契約書に記載された下記の各条項(以下「本件契約条項」という。)について、下記①及び②の事項を求めた事案である(平成30年12月7日付けでさいたま地方裁判所に対して訴訟を提起)。 「第9条(遅延損害金) (1)甲が請負代金の支払期日に支払いを遅延した時は、乙は、甲に対し遅延額の年14.6 % に相当する遅延損害金を請求することが出来る。 (2)乙の責めに帰すべき事由により期間内に契約の目的物を引き渡すことが出来ない時は、甲は、遅延日数1日につき請負代金額(工期内に部分完工引渡しがなされた時は引渡部分に対する請負代金相当額を控除した金額)の1000分の1の損害金を乙に請求することが出来るものとし、実際に発生した損害がこれを、超える場合でも、超過額の請求は出来ないものとする。 第10条(クーリング・オフ) (1)お客様が弊社による飛び込み営業をきっかけとしてご契約された場合は、御契約日から8日以内に書面で契約申込の撤回(クーリング・オフ)をすることができるものとする。 第11条(甲の中止又は解除権) (1)甲は、工事が完成するまでは、必要に応じてこの契約を解除することができる。この場合甲は、工事進捗状況に伴う実費清算の他、違約金として契約金の三割を支払うものとする。」① 本件契約条項のうち、第9条(1)は特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第10条第2項(※1)の規定に違反し、第9条(2)は消費者契約法第8条第1項第2号(※2)に規定する消費者契約の条項に該当し、第10条(1)は特定商取引法第9条第8項の規定(※3)に該当し、第11条(1)は消費者契約法第9条第1号(※4)の規定に該当するとともに、訪問販売により本件契約が締結された場合には特定商取引法第10条第1項第3号及び第4号(※5)の規定に該当し、それぞれ、不当条項に該当するから、被告が、消費者との間で本件契約を締結するに際し、本件契約条項を含む契約の申込み又は承諾の意思表示を行わないこと。② 被告は、その従業員らに対し、被告が①の意思表示を行うための事務を行わないことを各指示すること。(※1・3・5)特定商取引に関する法律(訪問販売における契約の申込みの撤回等)第九条 〔略〕2~7 〔略〕8 前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。(訪問販売における契約の解除等に伴う損害賠償等の額の制限)第十条 販売業者又は役務提供事業者は、第五条第一項各号のいずれかに該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約又はその役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。 一・二 〔略〕 三 当該役務提供契約の解除が当該役務の提供の開始後である場合 提供された当該役務の対価に相当する額 四 当該契約の解除が当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供の開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額2 販売業者又は役務提供事業者は、第五条第一項各号のいずれかに該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約についての代金又はその役務提供契約についての対価の全部又は一部の支払の義務が履行されない場合(売買契約又は役務提供契約が解除された場合を除く。)には、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、当該商品若しくは当該権利の販売価格又は当該役務の対価に相当する額から既に支払われた当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の額を控除した額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。(※2・4)消費者契約法(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効)第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。 一 〔略〕 二 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項 三~五 〔略〕2 〔略〕(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分 二 〔略〕注)上記の訴えが提起された日現在の規定 結果:平成31年3月18日、原告と被告との間で、別添の和解条項を内容とする裁判上の和解が成立した。

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公的活動2019年3月12日

消費者被害防止ネットワーク東海と宗教法人薬師寺との訴訟に係る請求の認諾について

宗教法人薬師寺

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者被害防止ネットワーク東海(以下「原告」という。)が、宗教法人薬師寺(以下「被告」という。)に対し、被告が一畑山薬師寺における永代納骨に関する契約(以下「本件契約」という。)を消費者と締結する際に約款及び本件契約申込書として用いる「永代供養のご案内」と題する書面に記載された以下の契約条項(以下「本件契約条項」という。)は、本件契約が解除される時期にかかわらず、被告が既に受領した金銭を一律に返還しない旨を定めるものであって、永代供養が開始される前の解除の場合であっても被告が既に受領した金銭を返還しない点で、平均的な損害の額を超えるものであるから、消費者契約法第9条第1号に規定する消費者契約の条項に該当し、平均的な損害の額を超える部分について無効であるとして、①本件契約条項を含む意思表示を行わないこと、②本件契約条項が記載された書面を破棄すること及び③被告の職員らに対し、これらを指示することを求めた事案である(平成30年1月19日付けで名古屋地方裁判所に対して訴訟を提起)。(本件契約条項) 「キャンセルの際、ご返金はできません。」​(※)消費者契約法(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分 二 〔略〕(注)上記の訴えが提起された日現在の規定 結果:被告は、平成31年3月12日の第8回弁論準備手続期日において、原告の請求を認諾した。

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