公表内容
事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者機構日本(以下「消費者機構日本」という。)が、株式会社くるなび(以下「くるなび」という。)に対し、同社と消費者との間で締結する車両買取契約(以下「本件契約」という。)に適用される車輌(りょう)買取契約約款(以下「本件約款」という。)について、以下のとおり申し入れた事案である。ア 本件約款第5条第1項の規定は、「次のいずれかの場合、買主は、売主に対する事前の通知・催告なしに、ただちにこの売買契約を解除することができます」とし、無催告解除を認めているところ、同項は、無催告解除ができる場合を履行不能や瑕疵(かし)の程度が売買契約の目的を達成できないほどに重大なものである場合などに限定をしていないことから、消費者契約法第10条(※)に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。したがって、同項について、無催告解除ができる場合を履行不能や瑕疵(かし)の程度が売買契約の目的を達成できないほどに重大である場合などに限定するよう、規定を修正すること。イ 本件約款第5条第1項の定める解除事由①は、「第2条①、②または④の事項のいずれかに反する事実が判明したとき」としており、同第2条②は、「本車輌(りょう)の事故歴、修復歴、改造、接合、冠水歴、距離計交換、距離数巻き戻し、外色の塗り替え、エンジンチェックランプ等の警告灯点灯の有無及び、走行距離について売主が申告した表面の記載が真実で、その内容に間違いないこと」と規定しているところ、第2条②に反する場合とは、「隠れたる瑕疵(かし)」に当たるものの例示といえる。しかしながら、第2条②に反する場合でも瑕疵(かし)の程度が売買契約の目的を達成できないほどに重大である場合とは限らず、解除事由①のうち第2条②に反する場合に本件契約を解除することができるとする本規定は、民法の瑕疵(かし)担保責任規定と比べても、解除をできる事由が幅広くなっており、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。したがって、本件約款第5条第1項の解除事由①のうち第2条②に反する事実について、民法の瑕疵(かし)担保責任と同様に売買契約の目的を達成できないほどに重要である場合に限定するよう、規定を修正すること。ウ 本件約款第5条第1項の定める解除事由①は、「第2条①、②または④の事項のいずれかに反する事実が判明したとき」としており、同第2条④は、「売主が未成年である場合、親権者の同意があること」と規定しているところ、民法は親権者の同意のない未成年者の法律行為について、相手方に取消権や解除権を認めるものではなく、解除事由①のうち本件約款第2条④に反する場合に本件契約を解除することができるとする本規定は、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。したがって、本件約款第5条第1項の解除事由①から、第2条④に反する事実について除外すること。エ 本件約款第6条第2項の規定は、「第2条②に反して、事故歴、修復歴、改造、接合、冠水歴、距離計交換、距離数巻き戻し、外色の塗り替え、エンジンチェックランプ等の警告灯点灯や走行距離の相違がオークション会場などで判明した場合」に、買主が、それにより減額される相当額を契約金額から差し引いた金額で再契約し又は車両の返却ができることを規定している。しかし、民法の瑕疵(かし)担保責任では、損害賠償請求又は(瑕疵(かし)の程度が売買の目的を達成できないほどに重大であるような場合に限り)解除が認められるにすぎず、売主との合意なしに、買主が一方的に金額を減額して再契約することは民法上認められていない。したがって、第2条②に反することが判明した場合に減額して再契約することができるとする本規定は、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるため、本件約款第6条第2項を削除すること。 (※)消費者契約法(消費者の利益を一方的に害する条項の無効) 第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:令和元年5月24日、消費者機構日本とくるなびは、大要以下の合意をして和解した。ア くるなびは、消費者機構日本に対し、本件約款第5条第1項及び第6条第2項について、以下の趣旨に従い改定することを約束する。① 第5条第1項について「②または④の事項のいずれかに」の文言は削除する。瑕疵(かし)があるため無催告解除ができる場合について、本件約款第2条との連結 を断ち、重大な内容であるものに限定する。② 第6条第2項について本件約款第2条との連結を断ち、重要な事項について売主の申告との相違が判明した場合や新たな瑕疵(かし)が判明した場合は原則として損害賠償請求で対応する趣旨の規定とする。イ くるなびは、消費者機構日本に対し、上記アによる本件約款の改定につき、自らの従業員等が令和元年7月1日以降に改定前の条項に基づく意思表示を行わないよう、また、改定前の条項が記載された契約書及び約款等を使用しないよう、自らの従業員等に対し、適切な研修、指導を行うなど、必要な措置をとることを約束する。
- Classification
- 中立的な公的活動
- Record nature
- 中立的な公的活動
- Event type
- consumer_injunction_publication
- Event date
- 2019年5月24日
- Announced
- 未収録
- Effective from
- 未収録
- Effective to
- 未収録
- Record status
- 終了
- Status as of
- 未収録