Official public records

公的記録データベース

行政処分だけでなく、製品安全・回収、許認可・登録状態、取引所措置、公的活動を 意味の異なる記録として分離しています。各記録から公式公表元を確認できます。

処分・制裁

2,402件

製品安全・回収

8,863件

許認可・登録状態

0件

公的活動

424件

取引所措置・開示

0件

公的資金・契約上の措置

154件

397 件の公式記録

公的活動2025年6月3日

やまなし消費者支援ネットと株式会社クア・アンド・ホテルとの間の差止請求に関する協議が調ったことについて

株式会社クア・アンド・ホテル

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人やまなし消費者支援ネット(以下「やまなし消費者支援ネット」という。)が、株式会社クア・アンド・ホテル(以下「クア・アンド・ホテル」という。)に対し、クア・アンド・ホテルがホームページ上で公開する施設利用規約の下記条項(以下「本件条項」という。)が、消費者契約法(以下「法」という。)第8条第1項各号(※1)に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、本件条項の削除又は修正を求めた事案である。(本件条項)第8条(ロッカーキーのお取扱い) ロッカーキーは、当館滞在中は常に携帯し、所持をもって本人とみなします。館内にて紛失された場合は、直ちに従業員まで連絡し、お帰りの際までに発見されない場合は、預かり金を徴収することもございます。なお、ロッカー収容物についての紛失事故は責任を負いかねますので、現金、貴重品はフロントにお預けください。第9条(寄託物等のお取扱い) 1.お客様が当館内にお持込みになった物品(現金、貴重品を含み、以下「物品等」と表記します。)については、フロントにお預けください。お客様がフロントにお預けになった物品等について、滅失、毀損等の損害が生じたときは、当館の故意又は過失による場合に限り、当館は、その損害を10万円を上限として賠償します。但し、現金その他の高価品については、フロントにお預けになる際にお客様が予めその種類及び価額を明告されなかった場合には、当館の故意又は重大な過失により滅失、毀損等の損害が生じたときを除き、当館はその責任を負いません。 2.お客様が当館内にお持込みになった物品等であってフロントにお預けにならなかったものが滅失、毀損等した場合、当館はその責任を負いません。但し、当館の故意又は重大な過失により滅失、毀損等の損害が生じたときは、当館はその損害を10万円を上限として賠償します。(理由) 本件条項のうち第8条の「ロッカー収容物についての紛失事故は責任を負いかねますので、」という部分は、クア・アンド・ホテルの故意又は過失の有無にかかわらず(故意又は重過失がある場合でも)、クア・アンド・ホテルの債務不履行及び不法行為に基づく損害賠償責任の全部を免除するものであり、法第8条第1項第1号及び第3号に規定する消費者契約の条項に該当し、無効である。 本件条項のうち第9条第1項及び第2項は、利用客が持ち込んだ物品等の滅失、毀損等につき、クア・アンド・ホテルに故意又は重大な過失がある場合でも損害賠償額の上限を10万円と定めることにより、クア・アンド・ホテルの損害賠償責任の一部を免除し、又はクア・アンド・ホテルに損害賠償責任の限度を決定する権限を付与するものであり、法第8条第1項第2号及び第4号に規定する消費者契約の条項に該当し、無効である。(※1)消費者契約法(事業者の損害賠償の責任を免除する条項等の無効)第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。 一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項 二 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除し、又は当該事業者にその責任の限度を決定する権限を付与する条項 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項 四 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除し、又は当該事業者にその責任の限度を決定する権限を付与する条項2・3 [略](注)上記差止請求が行われた日現在の規定 結果:やまなし消費者支援ネットは、令和7年3月25日、クア・アンド・ホテルに対する申入れを開始し、クア・アンド・ホテルにより申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、同年6月3日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2025年5月29日

消費者市民ネットとうほくと株式会社ナガセとの間の差止請求に関する協議が調ったことについて

株式会社ナガセ

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者市民ネットとうほく(以下「消費者市民ネットとうほく」という。)が、株式会社ナガセ(以下「ナガセ」という。)に対し、ナガセが提供する中学学習塾「東進中学NET」の契約書における、「中学学力判定テスト(年4回)」の中途解約及び模試費の返金はできないとする旨の条項(以下「本件条項」という。)について、消費者契約法(以下「法」という。)第9条第1項第1号及び第10条(※1)に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、本件条項の修正を求めた事案である。(理由) 中学学力判定テスト(年4回)について、任意の時期に都度又は年4回まとめて申込みができるところ、本件条項は、申込み後は解約の時期等を問わず一律に中途解約及び模試費の返金はできないと定めている。模試契約は民法上の準委任契約に該当すると思われるところ、民法第656条により準用される同法第651条第1項は、各当事者がいつでも準委任契約を解除することができると定めているが、本件条項は同権利を否定しており、同条に比して消費者の権利を制限するものであり、法第10条前段に該当する。加えて、中学学力判定テスト(4回)については、年4回のテストを任意の時期に申し込むことができるところ、本件条項は、未了分のテストの実施まで相当期間があるような場合でも一切中途解約ができないとしている点で消費者の不利益は大きく、民法第1条第2項に定める信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであり、法第10条後段に該当する。よって、本件条項は、法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。 また、解約の時期等を問わず模試費を一切返金しないとする本件条項は、解約に応じる場合でも契約金額の全額を違約金とする条項に等しく、中途解約された場合、時期によっては、実施未了のテストについてはナガセが採点業務等の業務の履行を免れることができることを踏まえると、解約の時期にかかわらず契約金額の全額についてナガセに損害が生じるとは考えられず、本件条項は、契約の解約に伴いナガセに生ずべき平均的な損害の額を超える損害賠償額を予定する条項であり、法第9条第1項第1号に該当し、平均的な損害の額を超える部分については無効である。(※1)消費者契約法(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分 二 [略]2 [略] (消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:消費者市民ネットとうほくは、令和6年3月6日、ナガセに対する申入れを開始し、ナガセにより申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和7年5月29日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2025年5月22日

埼玉消費者被害をなくす会とお魚通販.com株式会社との間の差止請求に関する協議が調ったことについて

お魚通販.com株式会社

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人埼玉消費者被害をなくす会(以下「埼玉消費者被害をなくす会」という。)が、お魚通販.com株式会社(以下「お魚通販.com」という。)に対し、お魚通販.comが運営するウェブサイトの利用規約(以下「本件条項」という。)について、消費者契約法(以下「法」という。)第8条第1項第1号、第2号及び第3号(※1)に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、本件条項の削除又は修正を求めた事案である。(本件条項)1 何らの限定なく、お魚通販.comの一切の責任を免除する条項2 お魚通販.comの損害賠償責任について、お魚通販.comに故意又は重大な過失がある場合の責任に上限を設ける条項(理由)1 上記1の条項は、お魚通販.comの債務不履行責任、不法行為責任及び契約不適合責任の全部を免除するものであり、法第8条第1項第1号及び第3号に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。2 上記2の条項は、お魚通販.comの損害賠償責任についてその上限を設けているところ、お魚通販.comに故意又は重大な過失がある場合の責任に制限を設けることは、法第8条第1項第2号に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。(※1)消費者契約法(事業者の損害賠償の責任を免除する条項等の無効)第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。 一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項 二 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除し、又は当該事業者にその責任の限度を決定する権限を付与する条項 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項 四 [略]2・3 [略]注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:埼玉消費者被害をなくす会は、令和7年3月6日、お魚通販.comに対する申入れを開始し、お魚通販.comにより申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、同年5月22日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2025年5月20日

消費者被害防止ネットワーク東海と学校法人大阪歯科大学との間の差止請求に関する協議が調ったことについて

学校法人大阪歯科大学

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者被害防止ネットワーク東海(以下「消費者被害防止ネットワーク東海」という。)が、学校法人大阪歯科大学に対し、同法人が運営する大阪歯科大学(以下「本件大学」という。)が使用している令和7年度入学者選抜要項における、出願者が本件大学の入学試験を受験するために支払った入学検定料はいかなる場合も返金しないとする旨の条項(以下「本件条項」という。)について、消費者契約法(以下「法」という。)第10条(※1)に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、本件条項の修正を求めた事案である。(理由) 本件条項は、例えば、出願者が、入学検定料の支払後に、出願書類を提出せず出願書類の審査が行われなかった場合や、出願書類は提出したものの本件大学が書類不備と判断して受理せず受験票を発行しなかったというような場合でも、入学検定料を一切返金しないとするものである。受験票が発行されていない場合には出願者と本件大学との間で受験契約が成立しておらず、出願者は支払済みの入学検定料について本件大学に対して不当利得返還請求権(民法第703条)を有するところ、本件条項はこれを制限するものであり、民法第703条の適用による場合に比して消費者の権利を制限する条項である。また、出願書類が提出された場合に、本件大学が審査に一定の業務を要するとしても、入学試験手続全体の業務・費用における割合は僅かなものであり、出願書類が提出されなかった場合は更にその割合が少なくなるところ、本件大学が受験票を発行せず受験契約が成立しなかった場合でも、一律に入学検定料全額を返金しないとすることには合理性がなく、信義則(民法第1条第2項)に反して消費者の利益を一方的に害するものといえる。よって、本件条項は、法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。(※1)消費者契約法(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:消費者被害防止ネットワーク東海は、令和7年1月21日、学校法人大阪歯科大学に対する申入れを開始し、同法人により申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和7年5月20日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2025年4月24日

ひょうご消費者ネットと株式会社ポジティブドリームパーソンズとの間の訴訟に関する判決について

株式会社ポジティブドリームパーソンズ

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人ひょうご消費者ネット(以下「原告」という。)が、結婚式場の運営等を業とする株式会社ポジティブドリームパーソンズ(以下「被告」という。)に対し、被告が不特定かつ多数の消費者との間で挙式披露宴等実施契約(以下「本件披露宴等実施契約」という。)の締結をするに際して、現に使用し又は今後使用するおそれのある、本件披露宴等実施契約の解約時に消費者が負担する解約料について定めた別紙1条項目録記載の条項(以下「本件解約料条項」という。)が消費者契約法(以下「法」という。)第9条第1項第1号及び法第10条(※1)に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、法第12条第3項に基づく差止請求として、被告が消費者との間で本件披露宴等実施契約を締結するに際し、①本件解約料条項を含む本件披露宴等実施契約の申込み又は承諾の意思表示行為の差止め、②本件解約料条項が記載された契約書ひな形が印刷された契約書用紙の廃棄、及び③被告の従業員らに対し、別紙2配布書面目録記載の内容を記載した書面の配布を求めた事案である(令和5年7月26日付けで神戸地方裁判所に対して訴訟を提起)。(※1)消費者契約法(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分 二 [略]2 [略](消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。(注)上記の訴訟が提起された日現在の規定 結果:神戸地方裁判所は、令和7年4月24日、以下のように判断した上で、原告の請求を棄却した(原告は、令和7年5月8日付けで大阪高等裁判所に控訴した。)。 当該裁判の主たる争点:ア 本件における主たる争点 ⅰ)本件解約料条項が法第9条第1項第1号に該当するか ⅱ)本件解約料条項が法第10条に該当するかイ 本件における争点についての裁判所の判断【争点ⅰ)本件解約料条項が法第9条第1項第1号に該当するか】(ア)本件披露宴等実施契約の法的性質について 本件披露宴等実施契約は、所定の日時及び場所において飲食物を提供し、披露宴等を実施・運営することを目的とするものであることから、請負契約の性質を有する契約であり、さらに、衣装や会場の貸与といった賃貸借契約の性質や、引き出物等の購入といった役務を行うという売買契約の性質を一部有している。そうすると、本件披露宴等実施契約の性質は、単なる準委任契約ではなく、準委任、賃貸借、売買等の性質を併有する非典型契約と解するのが相当である。(イ)逸失利益について 契約の債務不履行に対する損害賠償の請求では、「これによって通常生ずべき損害」(民法第416条)が損害として認められ、同損害には逸失利益が含まれるといえる。法第9条第1項第1号は、契約の解除に伴う損害賠償額の予定等について消費者の不当な金銭的負担を防止するために、一定の限度を超えないよう規制するものであるところ、損害賠償の範囲について、債務不履行による解除に伴う損害賠償の場合と別異に解する理由はないから、法第9条第1項第1号は、損害賠償の範囲について、民法第416条と同様に逸失利益を含むことを前提としているものと解される。よって、平均的な損害の額には逸失利益を含むというべきである。 原告は、披露宴等当日より1年以上前の解約においては、①本件披露宴等実施契約は計画策定段階にあり準委任契約の性質を持つこと、②ブライダル業界では、披露宴等を実施する契約の申込みが予定日の1年以内に行われる例が多いため、披露宴等当日より1年以上前の段階であれば、一定程度の割合で解約も見込まれるから、被告が具体的に履行利益を確保しうる地位にあるとはいえないこと、③被告が再販売を行うための十分な時間があることから、少なくとも披露宴等当日の1年以上前に契約が解除された場合には、平均的損害としての逸失利益は存在しない旨主張する。 しかし、本件披露宴等実施契約の法的性質は単なる準委任契約とは解せないことから、契約締結直後から被告において具体的な役務提供を行うことが可能である。また、披露宴等当日より1年以上前であっても、消費者が同一日程で複数の事業者と披露宴等を実施する契約を締結するということは通常想定しがたく、被告において契約締結当初より消費者の解約の具体的可能性を見込むべきといえるような業界の慣行を認めるに足りる証拠はない。また、同一日程での再販売が可能であるとしても、後記のとおり再販売による利益は損益相殺により損害から控除されるのであって、もとより逸失利益自体が存しないと解することはできない。したがって、披露宴等当日より1年以上前の解約においても逸失利益は生じ得る。 平均的な損害の額には逸失利益が含まれるところ、本件披露宴等実施契約の解約がなければ被告が得るはずであった逸失利益の額は、解除時見積額に、被告における本件披露宴等実施契約に係る粗利率を乗じて算定することが合理的である。さらに、本件披露宴等実施契約の解約との間で因果関係のある損害でなければならないから、本件披露宴等実施契約の解約後に同一の日程で第三者との契約を締結することで被告が取得する利益(再販売による利益)や、解約によって被告が負担することを免れる費用は、損益相殺により損害から控除して計算すべきである。再販売による売上額の平均が解除時見積額の平均を上回ることを認めるに足りる証拠はないから、損益相殺すべきである再販売による利益の計算は、解除時見積額に、被告における本件披露宴等実施契約に係る粗利率を乗じ、さらに再販率を乗じて算定することが合理的である。(計算式) 本件逸失利益-損益相殺すべき利益 =(解除時見積額の平均×粗利率)-(解除時見積額の平均×粗利率×再販率) =解除時見積額の平均×粗利率×(1-再販率) =解除時見積額の平均×粗利率×非再販率 被告の披露宴会場において平成30年5月1日から令和6年4月30日までの間 に実施予定であり、かつ、披露宴等当日より181日前までに消費者側から解約された案件のうち、令和2年5月1日から令和4年4月30日までの案件を除外した案件における、披露宴等1件当たりの解除時見積額の平均、粗利率、同案件についての再販率を上記計算式に当てはめると、本件解約料条項に定める解約料は、実費を含むことを踏まえても、損益相殺後の本件逸失利益の額を下回っていることが認められる。 以上より、本件解約料は平均的な損害の額を超えるものとは認められず、本件解約料条項は法第9条第1項第1号に該当しない。【争点ⅱ)本件解約料条項が法第10条に該当するか】(ア)法第10条の第1要件に該当するか 法第10条の第1要件の趣旨は、当該契約条項がなければ適用されていた「公の秩序に関しない規定」、すなわち任意規定の適用による場合に比して、消費者の権利を制限し又は義務を加重する消費者契約の条項であることを無効の要件として定めるものと解される。 仮に本件解約料条項がなかったとしても、被告は、本件披露宴等実施契約の解約に伴って消費者に対して申込金返還債務を負う一方で、解約を理由とする消費者に対する損害賠償請求権を得るから、対当額で相殺することによって申込金相当額を得ることが可能であり、同申込金相当額の利得は法律上の原因を有するから、そもそも被告に対する不当利得請求は成立しない。 また、本件披露宴等実施契約の法的性質は、請負契約や売買契約、賃貸借契約という複数の性質を有する複合的なものであるところ、請負契約に関する民法第641条より、注文者からの解約の場合に、注文者が賠償する義務を負う請負人に生じる損害には、履行利益、すなわち既に支出した費用と仕事の完成により取得したであろう利益が含まれる。よって、解約の場合の損害賠償額を予定する本件解約料条項が、任意規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は義務を加重するものに当たるとはいえないから、本件解約料条項は法第10条の第1要件に該当しない。(イ)法第10条の第2要件に該当するか 法第10条の第2要件は、「民法第1条第2項に規定する基本原則」、すなわち信義則に反して消費者の利益を一方的に害する場合に当該契約条項を無効とする旨定めているところ、当該契約条項によって消費者が受ける不利益とその条項を無効とすることによって事業者が受ける不利益を衡量して両者が均衡を失していると認められる場合を意味すると解される。 そして、当該条項が信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるか否かは、消費者契約法の趣旨、目的(法第1条参照)に照らし、当該条項の性質、契約が成立するに至った経緯、消費者と事業者との間に存する情報の質及び量並びに交渉力の格差その他諸般の事情を総合考量して判断されるべきである。 ㈠ 仮に本件解約料条項がなかったとしても、消費者は被告に対する申込金の 不当利得返還請求権を行使できないから、本件解約料条項によって消費者が申込金相当額の不利益を受けるとはいえない。また、本件披露宴等実施契約の法的性質が準委任契約であるとは認められないから、委任契約に関する民法の任意規定との乖離ないし消費者と事業者との間の不均衡の程度が著しく大きいとはいえない。 ㈡ 本件披露宴等実施契約の締結により、消費者は、契約した日時及び会場において披露宴等を実施する権利を確保でき、さらに契約締結当初から、披露宴等実施に係る物品の手配等の具体的な役務提供を受けることが可能である一方、事業者においては、契約した日時における会場の確保が義務付けられ、契約締結直後から上記具体的な役務提供を行う義務を負うこととなり、本件解約料条項が無効になると、解約者と本件披露宴等実施契約を締結することによって得られたはずの利益を得られないだけでなく、解約者に対して既に行った具体的な役務提供に対する対価も得られないという不利益が生じる。また、被告において、披露宴等当日より181日前までの解約であっても、その後に同一日程・会場での再販売がなされることがほぼ確実であるとはいえないから、再販売は上記不利益が生じることを防ぐものといえない。そして、本件披露宴等実施契約の解約の場合に被告に生じる逸失利益の額は、申込金20万円を上回るものであり、本件解約料条項が、消費者の利益を一方的に害するものとはいえない。 ㈢ 被告には契約締結当初から、消費者の希望に応じた具体的な役務提供に伴う実費の負担が生じているところ、解約された場合に上記実費が常に別の契約に転用可能であるとはいえないから、被告における実費の負担が、既に価格に転嫁されて織り込み済みのものとはいえない。また、本件解約料条項のうち実費については、ウエディングパーティご利用規約において、「実費とは、司会、引出物、印刷費用など、手配が完了している商品等の料金」を意味する旨が明記されており被告において同規約とともに消費者に提示される見積書には、披露宴司会、演出、招待状等、引菓子、記念品といった商品又は役務の項目ごとの料金を記載しているから消費者にとって、実費の内容及び金額を把握することは容易であって、透明性の原則に反するとはいえない。 ㈣ 利用規約説明書面によれば、被告は消費者に対し、本件披露宴等実施契約締結の際に、契約成立日から段階的に解約料が発生する旨が記載された映像を含む動画を用いて説明を行っているから、被告において、消費者との間における情報の格差等を軽減する措置を行っているものと認められる。 ㈤ モデル約款との内容の乖離について、モデル約款は、解約料やその時期の区分等は各事業者における平均的損害の額を超えないように定めるところ、平均的損害の額は、当該業種における業界の水準ではなく、各事業者において算定するものであるから、本件解約料条項での区分と異なることをもって信義則違反の根拠とすべきではない。 ㈥ 原告が、被告が過去に原告とは別の適格消費者団体である公益社団法人全国消費生活相談員協会からの申入れに応じて、解約日が披露宴等当日の1年以上前の場合には解約料を徴収しない取扱いをする旨の合意をした経緯があるのに同合意と異なる本件解約料条項を設定しているから、自己の従前の態度に矛盾する行動である旨主張するが、そもそも同合意の存在を裏付ける証拠はなく、仮に同合意があったとしても、訴訟外での別団体との間の合意の内容に反することが信義則違反の根拠となるとまでは認められない。 ㈦ よって、本件解約料条項は、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するとは認められず、法第10条の第2要件に該当しない。(ウ)結論 以上より、本件解約料条項は、法第10条に該当しない。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2025年4月22日

消費者被害防止ネットワーク東海とプロジェクトリーズ株式会社との間の差止請求に関する協議が調ったことについて

プロジェクトリーズ株式会社

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者被害防止ネットワーク東海(以下「消費者被害防止ネットワーク東海」という。)が、プロジェクトリーズ株式会社(以下「プロジェクトリーズ」という。)に対し、プロジェクトリーズが運営する学習塾の入塾の手引き及び入塾要項における下記の条項(以下「本件条項」という。)が、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第49条第7項(※1)に規定する特約に該当し、また、消費者契約法第9条第1項及び同法第10条(※2)に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、特定商取引法及び消費者契約法に適合するように本件条項を改めることを求めた事案である。(本件条項)1 「* いただいた諸費用・期間講習費用は、日割・回数割による返金はできません。* 次のような場合、すでに納入された費用は理由の如何を問わず、返金及び別経費への振り替えをいたしませんので、あらかじめご了承ください(変更受付期限後の休塾・退塾の場合、手続き後自らの判断で授業に参加しない場合など)」と定める条項(入塾の手引き内の学費規定における条項)2 クーリング・オフ期間経過後に塾生により中途解約がなされた場合について、プロジェクトリーズが塾生に対して、役務提供分及び2万円又は1か月分の授業料に相当する金額のいずれか低い額を超えない範囲で損害を請求できる旨を定める条項(入塾要項第10条)3 「クーリング・オフ期間後、購入いただいたテキスト類は返金の対象とはなりません。」と定める条項(入塾の手引き内の学費規定における条項)(理由)1 (1)特定商取引法第49条第7項の該当性について プロジェクトリーズが運営する学習塾は「特定継続的役務」に該当し、その役務の提供期間が2月を超え、役務の提供に応じて塾生が支払う金額が5万円を超える場合には、「特定継続的役務提供」(特定商取引法第41条第1項第1号、特定商取引に関する法律施行令(以下「政令」という。)第11条)に該当する。 役務受領者はクーリング・オフ期間の経過後も役務提供契約の期間内であれば将来に向かって契約を解除(中途解約)できるところ、上記1の条項は、学習塾の役務提供契約がその役務提供開始前に役務受領者である塾生によって解除される場合において、特定商取引法で定められた上限である「契約の締結及び履行のために通常要する費用の額」(学習塾の上限は1万1,000円)(特定商取引法第49条第2項第2号(※3)、政令第16条)を超える入会金・維持費・教材費を塾生に負担させるものであり、特定商取引法第49条第2項第2号に違反し、同条第7項に規定する特約に該当し、無効である。 また、上記1の条項は、学習塾の役務提供契約がその役務提供開始後に解除される場合において、特定商取引法で定められた上限(「提供された特定継続的役務の対価に相当する額」と「当該特定継続的役務提供契約の解除によつて通常生ずる損害の額」(学習塾の上限は2万円又は1か月分の授業料相当額のいずれか低い額)を合算した額(特定商取引法第49条第2項第1号(※4)、政令第15条))を超える部分については、特定商取引法第49条第2項第1号に違反し、同条第7項に規定する特約に該当し、無効である。 (2)消費者契約法第9条第1号の該当性について 上記1の条項は、塾生が中途解約を申し出た際に、既に納入された諸費用を一切返金しないとするものであるから、損害賠償額の予定又は違約金を定めた条項といえる。そして、上記1の条項は、解約の事由や時期等を一切考慮することなく、契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える損害賠償の額を予定し又は違約金を定めるものであるから、消費者契約法第9条第1号に規定する消費者契約の条項に該当し、平均的損害の額を超える部分については無効である。 (3)消費者契約法第10条の該当性について 上記1の条項は、塾生からの退塾の申出又はプロジェクトリーズからの強制退塾手続による契約終了により、プロジェクトリーズの塾生に対するサービスの給付が存在し得ない場合でも、対価としての維持費・教材費を支払わなければならないと定めている。これは、民法の双務有償契約にいう給付の対価性に反し、消費者の権利を制限し又は義務を加重し、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものであり、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し、無効である。2 上記2の条項は、塾生が中途解約を申し出た際に、プロジェクトリーズが塾生に対し、役務提供分及び2万円又は1か月分の授業料に相当する金額のいずれか低い額を超えない範囲で損害を請求できる旨を定めるものである。入塾してから授業を受ける前に退塾する場合には役務提供開始前の解除に該当するところ、この場合にも上記2の条項を適用すると、特定商取引法第49条第2項第2号に違反し、同条第7項に規定する特約に該当し、無効である。3 塾生がプロジェクトリーズから購入したテキスト類は「関連商品」(特定商取引法第48条第2項、政令別表第5)に当たるところ、上記3の条項は、関連商品販売契約が中途解約された場合に、そのテキストが使用されたか否か、返還されたか否か、あるいは契約解除がテキストの引渡し前であるか否かといった具体的な状況を問わず、一律にテキストの売買代金の返金をしないと定めており、関連商品販売契約が解除された場合に事業者が消費者に請求し得る損害賠償額等の上限(特定商取引法第49条第6項(※5))を超え、特定商取引法第49条第6項に違反し、同条第7項に規定する特約に該当し、無効である。(※1・3・4・5)特定商取引法 第四十九条 [略]2 役務提供事業者は、前項の規定により特定継続的役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務の提供を受ける者に対して請求することができない。 一 当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始後である場合 次の額を合算した額 イ 提供された特定継続的役務の対価に相当する額 ロ 当該特定継続的役務提供契約の解除によつて通常生ずる損害の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額 二 当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額 3~5 [略]6 関連商品の販売を行つた者は、前項の規定により関連商品販売契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務提供受領者等に対して請求することができない。 一 当該関連商品が返還された場合 当該関連商品の通常の使用料に相当する額(当該関連商品の販売価格に相当する額から当該関連商品の返還されたときにおける価額を控除した額が通常の使用料に相当する額を超えるときは、その額) 二 当該関連商品が返還されない場合 当該関連商品の販売価格に相当する額 三 当該契約の解除が当該関連商品の引渡し前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額7 前各項の規定に反する特約で特定継続的役務提供受領者等に不利なものは、無効とする。(※2)消費者契約法(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効) 第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分 二 [略](消費者の利益を一方的に害する条項の無効) 第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:消費者被害防止ネットワーク東海は、令和元年7月23日、プロジェクトリーズに対する申入れを開始し、プロジェクトリーズより申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和7年4月22日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2025年4月21日

消費者支援ネットワークいしかわと合同会社金沢美術学院との間の差止請求に関する協議が調ったことについて

合同会社金沢美術学院

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者支援ネットワークいしかわ(以下「消費者支援ネットワークいしかわ」という。)が、美術大学の受験指導を行う合同会社金沢美術学院(以下「金沢美術学院」という。)に対し、金沢美術学院の受講契約に関する下記条項(以下「本件条項」という。)が、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第48条第8項及び第49条第7項に規定する特約に該当し、また、消費者契約法第9条第1号に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、本件条項を内容とする意思表示を行わないことを求めるとともに、特定商取引法及び消費者契約法に適合するように本件条項の是正を求めた事案である。(本件条項)① 金沢美術学院のホームページ及び要項において、一度納められた入学金・学費等は、いかなる理由があろうとも返却できない旨を定める条項② 金沢美術学院ホームページにおいて、クーリング・オフに際して消費者に配達記録付きの書面での解約を求めるとともに、解約金11,000円及び振込手数料770円を消費者に負担させ、また、途中退塾の場合の返金に際して解約金22,000円及び振込手数料770円を差し引く旨を定める条項(理由)ア 令和2年11月25日の申入れ(ア) 特定商取引法第49条第7項の該当性について 金沢美術学院は美術大学受験に備えるための「学習塾」であり、その役務提供は「特定継続的役務」に該当し、役務の提供期間が2月を超え、役務の提供に応じて塾生が支払う金額が5万円を超える場合には、「特定継続的役務提供」(特定商取引法第41条第1項第1号、特定商取引に関する法律施行令(以下「政令」という。)第11条(令和2年5月1日施行))に該当する。 特定商取引法は、役務受領者はクーリング・オフ期間の経過後も将来に向かって契約を解除できる法定解除権を定めており、法定解除権が行使された場合に役務提供事業者が役務受領者に対して請求できる損害賠償額の上限を定めている。上記①の条項は、契約解除の事由や時期にかかわらず、金沢美術学院が受領した入学金・学費等の返還を一律に否定するものであり、当該上限額を超えて不返還を定める部分は、特定商取引法第49条第2項(※1)に違反し、同条第7項(※2)に規定する特約に該当し、無効である。(イ) 消費者契約法第9条第1号の該当性について 上記①の条項は、契約解除の場合の損害賠償額の予定又は違約金を定めたものと解されるところ、契約解除の事由や時期を問わず一律に入学金・学費相当額の損害が発生する合理的理由はないため、金沢美術学院に生ずべき平均的な損害の額を超える部分については、消費者契約法第9条第1号(※3)に規定する消費者契約の条項に該当し、無効である。(※1・2)特定商取引法第四十九条 [略]2 役務提供事業者は、前項の規定により特定継続的役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務の提供を受ける者に対して請求することができない。 一 当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始後である場合 次の額を合算した額 イ 提供された特定継続的役務の対価に相当する額 ロ 当該特定継続的役務提供契約の解除によつて通常生ずる損害の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額二 当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額3~6 [略]7 前各項の規定に反する特約で特定継続的役務提供受領者等に不利なものは、無効とする。(※3)消費者契約法(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分 二 [略](注)上記の差止請求が行われた日現在の規定イ 令和6年4月11日の申入れ 上記②の条項は、消費者のクーリング・オフの意思表示を配達記録付きの書面により行うことを要求しており、書面又は電磁的記録により解除の意思表示をすれば足りるとする特定商取引法第48条第1項(※4)に違反し、同条第8項(※5)に規定する特約に該当する。 加えて、特定商取引法第49条第2項、政令第30条(令和6年2月1日施行)は、受講開始後であっても「2万円又は当該特定継続的役務提供契約における1か月分の授業料相当額のいずれか低い額」を超える解約金を消費者に負担させることを禁じており、金沢美術学院が解約金として22,000円を差し引くことを定める上記②の条項は、特定商取引法第49条第2項に違反し、同条第7項に規定する特約に該当する。(※4・5)特定商取引法(特定継続的役務提供等契約の解除等)第四十八条 役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務提供等契約を締結した場合におけるその特定継続的役務提供受領者等は、第四十二条第二項又は第三項の書面を受領した日から起算して八日を経過したとき(特定継続的役務提供受領者等が、役務提供事業者若しくは販売業者が第四十四条第一項の規定に違反してこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は役務提供事業者若しくは販売業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでにこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除を行わなかつた場合には、当該特定継続的役務提供受領者等が、当該役務提供事業者又は当該販売業者が主務省令で定めるところによりこの項の規定による当該特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過したとき)を除き、書面又は電磁的記録によりその特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる。2~7 [略]8 前各項の規定に反する特約で特定継続的役務提供受領者等に不利なものは、無効とする。(注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:消費者支援ネットワークいしかわは、令和2年11月25日、金沢美術学院に対し、本件条項①についての申入れを開始し、更に令和6年4月11日、本件条項②についての申入れをし、金沢美術学院により申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和7年4月21日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2025年4月15日

消費者支援ネット北海道と合同会社365との間の差止請求に関する協議が調ったことについて

合同会社365

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者支援ネット北海道(以下「消費者支援ネット北海道」という。)が、合同会社365(以下「365」という。)に対し、365が使用する定期賃貸住宅標準契約書及び同契約書の一部を構成する特約事項承諾書の下記条項(以下「本件条項」という。)について、消費者契約法(以下「法」という。)第8条第1項第1号及び第3号、第9条第1項第1号並びに第10条(※1)に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、本件条項の削除又は修正を求めた事案である。(本件条項)1 (乙からの解約) 第11条 乙は、甲に対して少なくとも1月前に解約の申入れを行い、解約申入れ日から契約期間終期までの賃料(本契約の解約後の賃料相当額を含む。)を甲に支払うことにより、本契約を解約することができる。2 特約事項承諾書 7.入居後6か月以内の解除の場合、短期違約金として賃料3か月分 入居後12か月以内の解約の場合、短期違約金として賃料2か月分 入居後24か月以内の解約の場合、短期違約金として賃料1か月分を支払うものとする。3 (明渡し時の原状回復) 第14条 乙は、通常の使用に伴い生じた本物件の損耗を除き、本物件を原状回復しなければならない。 2 甲及び乙は、本物件の明渡し時において、契約時に特約を定めた場合は当該特約を含め、別表第5の規定に基づき乙が行う原状回復の内容及び方法について協議するものとする。4 特約事項承諾書 2.冬期間において水道凍結させた場合の修理費用は基本的に乙の全額負担とする。(理由) 1 前記1の条項は、契約期間中の解約の条件として、申出の時期と違約金を定めたものであるが、解約後の期間も含む契約全期間の賃料の支払を求めるもので、その実質は契約解除に伴う損害賠償額を定めるものであり、損害額を契約金額全額とする条項と解される。そして、解約時期にかかわらず一律に契約期間終期までの賃料相当額の違約金を定めることは、365に生ずる平均的な損害を超える違約金を定める場合には法第9条第1項第1号に該当し、その平均的な損害の額を超える部分について無効である。2 前記2の条項は、入居後6か月以内、12か月以内及び24か月以内の解約の場合の短期違約金を支払う義務を定めたものであるが、例えば入居後6か月以内に解約した場合、現実に賃料3か月分の損害が発生しているのかが問題となる上、前記1の条項によって実質的な違約金を支払うことが前提とされていることも踏まえると、前記1及び前記2の条項は、解約によって事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える違約金を定めるものであるといえ、法第9条第1項第1号に該当し、平均的な損害の額を超える部分については無効である。3 前記3の条項は、契約終了時の原状回復義務を定めたものであるが、賃借人に対して請求を行わない範囲を通常使用に伴い生じた損耗に限っており、経年変化によるものや、賃借人の責めに帰することができない事由による損傷についても賃借人に原状回復義務を負わせる条項となっていることから、民法第621条の適用による場合に比して消費者である賃借人の義務を加重するものであり、法第10条前段に該当する。加えて、前記3の条項は、消費者である賃借人と事業者である賃貸人との間に看過し得ない不均衡をもたらし、当事者間の衡平を害するものであるから、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであり、法第10条後段に該当する。したがって、前記3の条項は、法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。4 前記4の条項は、冬期間において水道凍結をさせた場合の修理費用を賃借人に全額負担させるものであるが、賃借人が善良な管理者としての注意を払っていたにもかかわらず凍結してしまった場合など、賃借人の責めに帰することができない事由により生じた凍結であっても、賃借人に修理費用を負担させる定めとなっており、民法第606条第1項の適用による場合に比して消費者である賃借人の義務を加重するものであり、法第10条前段に該当する。加えて、前記4の条項は、消費者である賃借人と事業者である賃貸人との間に看過し得ない不均衡をもたらし、当事者間の衡平を害するものであるから、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであり、法第10条後段に該当する。したがって、前記4の条項は、法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。 また、前記4の条項は、賃貸人に賃貸借物件の維持、管理などについて債務不履行や不法行為がある場合においても、賃借人に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する旨を定めるものであり、法第8条第1項第1号及び第3号に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。(※1)消費者契約法 (事業者の損害賠償の責任を免除する条項等の無効) 第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。 一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項 二 [略] 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項 四 [略] 2・3 [略](消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等) 第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分 二 [略] 2 [略](消費者の利益を一方的に害する条項の無効) 第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:消費者支援ネット北海道は、令和6年12月13日、365に対する申入れを開始し、365により申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和7年4月 15 日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2025年3月28日

消費者機構日本と医療法人社団サカイクリニック62 との間の裁判上の和解について

医療法人社団サカイクリニック62

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者機構日本(以下「原告」という。)が、医療法人社団サカイクリニック62(以下「被告」という。)に対し、被告の運営するウェブサイトの自由診療分野における医療広告の各表示(以下「本件表示」という。)が、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)第30 条第1項第1号(※1)に規定する優良誤認表示に該当するとして、同項に基づき、本件表示の停止等を求めた事案である(令和6年9月10 日付けで東京地方裁判所に対して訴訟を提起)。(本件表示)(1) マクロファージ活性化療法 ア「我々は、単に免疫力を高めるだけの一般的な「免疫療法」だけではなく、免疫過剰による「アレルギー性疾患」自らの身体を免疫細胞が攻撃してしまう「自己免疫疾患」などの難病の治療にマクロファージを活性化し、免疫の強化およびコントロールする「マクロファージ活性化療法」を行っています。」 イ「マクロファージ活性化物質はiRF(Immune Regulating Factor)として末期癌治療から美容に至るまで高い効果が期待できます。」 ウ「iRFのひとつであるLPS(Lipopolysaccharide)は、傷を治したり、炎症を抑制し肌免疫細胞を活性化させ、肌のクリアランスを高めターンオーバーを促進させ、いち早く新たな皮膚へと生まれ変わらせ、いつも張りと艶のある若々しい肌を保ちます。その為、アトピー性皮膚炎や傷や熱傷にも高い治療効果が期待できます。」 エ「【対応症例】難病を改善◎感染症予防 ◎アトピー改善 ◎糖尿病予防 ◎骨粗鬆症予防◎各種がん全般 ◎不妊・婦人科系疾患 ◎美肌効果 ◎花粉症・アレルギー抑制◎アルツハイマー予防 ◎早期がん ◎進行がん ◎原因不明の不妊・精子や卵子の活性化」(2) マクロファージ活性化化粧品・サプリメント ア「癌治療から美容に至るまで高い効果をもたらすマクロファージ活性化物質を皮膚に塗布できるよう、化粧水、クリームにしたiRF化粧品と、美肌効果のあるiRFのサプリメントをご紹介します。」 イ「マクロファージ活性化物質は、iRF(Immune Regulating Factor)として癌治療から美容に至るまで高い効果をもたらします。このiRFのひとつであるLPS(Lipopolysaccharide)を皮膚に塗布できるよう、化粧水、クリームにしたものがiRF化粧品です。アトピー性皮膚炎やアレルギー性疾患の治療にも用いられており、iRF化粧品は肌免疫細胞を活性化させます。また、私たちの身体に日々増殖するがん細胞を減らしたり、美肌効果のあるiRFのサプリメントもございます。」 ウ「iRFサプリメントはこんな方におすすめ!更年期症状(男性、女性)、ホットフラッシュ・倦怠感、慢性疲労症候群、味覚障害、ウイルス対策・予防、新型コロナウイルス後遺症」(3) テロメア注射・点滴 ア「肌が正常化することにより、小じわ、肌荒れ、白髪が減った、浮腫み、痩せたなど様々な感想を頂いています。」 イ「特許取得済みサカイクリニック62 オリジナルテロメア注射・点滴は細胞レベルで修復することが可能です。遅延型食物アレルギー、アトピー、自律神経、更年期、不妊、アルツハイマー、鬱、生理不順など様々なお悩みの方にもおすすめです。」 ウ「肌が正常化することにより、小じわ、肌荒れ、白髪が減った、浮腫み、痩せたなど様々な感想を頂いています。特許取得済みサカイクリニック62オリジナルテロメア注射・点滴はマクロファージ活性活注射に加え、テロメア活性化+ミトコンドリア活性化成分も配合して最強のテロメア・マクロファージ活性化注射となりました。ビタミン、アミノ酸、ビタミンK、ビタミンD3 などの身体に安全な成分から特許取得のオリジナルの配合によりマクロファージ活性化を強化しています。」 エ「アレルギー、アトピー、末期癌、自律神経、更年期障害、認知症、不妊、アルツハイマー、パーキンソン病、自閉症、鬱、生理不順、花粉症、失調症、感染症予防、コロナ後遺症、自己免疫疾患リウマチ、手術後のダウンタイム軽減(美容外科の手術後、インプラントや親知らずの抜歯後の腫れ軽減効果有)など様々なお悩みの方にもおすすめです。)」 オ「<期待される症状> ガンの回復、糖尿病、パーキンソン病、アルツハイマー病、動脈硬化、コレステロール値改善、自律神経失調症、男女更年期障害、アトピー、肌質改善、生殖器の若返り、ED、不妊(卵子・精子の活性化)、シワの改善、重症筋無力症、脳の機能充進、記憶力向上、あらゆるウイルス感染症、コロナ後遺症、慢性疲労症候群、味覚障害、シワ・白髪の改善、神経系の痛み、鬱、PTSD、自閉症、見た目の若返り、アレルギー」 カ「不妊・卵子凍結を考えている方へ 少しでも多くの卵子をとりたい方、不妊、当院のテロメア注射の実績あります。」(4) 腸内フローラ移植「《対応症例》難病を改善 ◎腸内疾患系 ◎肥満症(痩身) ◎エイジングケア・美肌・健康美促進 ◎心療内科系疾患(自閉症) ◎花粉やPM2.5 によるアレルギー ◎便秘 ◎遅延型食物アレルギー ◎皮膚疾患系(アトピー性皮膚炎) ◎呼吸器疾患等(喘息など) ◎自閉症・鬱」(5) エクソソーム点滴療法 ア「安心・安全・高品質」 イ「臍帯由来は希少価値が高く「幹細胞上培養清液市場に1%前後しかない」」 ウ「一番の特徴は「エクソソーム含有量:1000 億個/ml」の「高濃度」です。 ※他の臍帯幹細胞培養上清液の数十倍以上となっております。」 エ「圧倒的なエクソソーム保有の唯一無二の幹細胞上清液」 オ「日本最高品質の幹細胞培養上清液」(6) マイクロウェーブ温熱器による温熱療法 「マイクロウェーブを一回15 分当てるだけでがんの細胞にマイクロ波が当たり、42.43 度まで温度を上げがんの細胞を死滅していきます。(がんの細胞は42.43 度で死滅するのでこれを続けることで癌が小さくなる。)」(7) 高濃度水素吸入療法 「<期待される症状> 脳の血流アップ、認知症の予防、肥満、コレステロール値改善、脳梗塞後遺症、痛みの緩和、肺炎など肺機能亢進、便秘、悪玉コレステロール減少、肌の透明感、ニキビ、慢性疲労症候群、目の疲れ、若返り、ガン、コロナ予防、コロナ後遺症活性酸素除去」(8) ACRS(自己血サイトカインリッチ血清療法) ア「自身の血液で添加物を使用していない為、安全性の高い治療になります。」 イ「従来のPRPの15 倍以上のサイトカインの濃度で、身体の様々な炎症を抑え、健康増進し体調が良くなり、アレルギーや免疫機能が改善されます。」 ウ「こんな方にオススメ!! 目元の小じわ・凹み・たるみ 口元やおでこの小じわ、肌の若返り効果 肌のキメを整えてツヤ肌にしたい!体内のエイジングケア 健康維持や健康促進」 エ「副作用はゼロ、歯肉の若返りというとても素晴らしい治療」 オ「リウマチ•更年期にも有効といわれています。」(理由) 本件表示は、その治療法、商品等の効果・効能の根拠は客観的・医学的エビデンスのレベルでは皆無であるにもかかわらず、様々な治療効果があるかのような表示がなされていることから、商品又は役務の内容について、一般消費者に実際のものよりも著しく優良である旨、誤認される表示であるといえる。したがって、本件表示は景品表示法第30 条第1項第1号の優良誤認表示に該当する。(※1)不当景品類及び不当表示防止法第三十条 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体(以下この条及び第四十一条において単に「適格消費者団体」という。)は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して次の各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が当該各号に規定する表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると誤認される表示をすること。 二 [略]2・3 [略]注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:令和7年3月28 日、原告と被告との間で、別紙のとおり裁判上の和解が成立した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2025年3月6日

埼玉消費者被害をなくす会と株式会社HALとの間の差止請求に関する協議が調ったことについて

株式会社HAL

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人埼玉消費者被害をなくす会(以下「埼玉消費者被害をなくす会」という。)が、株式会社HAL(以下「HAL」という。)に対し、HALが「Dr.Stick typeX」(以下「本件商品」という。)を販売するウェブサイトにおける広告(以下「本件広告」という。)のうち、以下の各表示(以下「本件表示」という。)について、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)第34条第1項第2号(※1)に規定される有利誤認表示に該当するとして、本件表示の使用停止又は修正を求め、また、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第12条の6第1項に規定される特定申込みを受ける場合、当該特定申込みに係る手続が表示される映像面(以下「最終確認画面」という。)において売買契約の申込みの撤回又は解除に関する事項を表示しなければならないにもかかわらず(特定商取引法第12条の6第1項第2号)、これを表示していなかったことが、特定商取引法第58条の19第2号(※2)に該当するとして、最終確認画面の表示の修正を求めた事案である。(本件表示)1 「本体相当分無料! 11,220円OFFで今すぐ手に入れる!」2 「どのような理由でも満足できなかった場合は、初回分を全額返金致します。」3 「購入回数に縛りなし」、「お届け回数に関わらず解約OK!」、「お届け回数の契約縛りなし!」(理由) 【本件表示】1 上記1の表示は二重価格表示に当たるところ、二重価格表示を行う場合、比較対照価格がどのような価格であるかを正確に表示することが求められるが、上記1の表示では比較対照価格が表示されていないことから、商品の価格について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示(景品表示法第34条第1項第2号)に該当する。2 上記2の表示については、その下部において注意事項、適用条件及びお申込み手順が記載されているが、その文字が小さく見づらいことから、あたかも無条件で初回分全額返金保証を受けられるものと消費者を誤認させるおそれがあるため、商品の取引条件について、実際のものよりも著しく有利であると誤認される表示(景品表示法第34条第1項第2号)に該当する。3 本件広告では、「ご注文完了後のお客様都合による返品・交換・ご注文のキャンセルについては、一切受け付けておりません。」との注意書きがあり、また、クレジットカードの悪用等を想定した対策として、「1回目にお届けした商品のお受け取り」を解約の条件としていることから、本件商品の定期購入契約を解約するに当たっては、実際には、1回目の商品を受け取ることが条件となっている。しかし、上記3の表示では、あたかも1回も商品を受け取ることなく契約を解約できるものと消費者を誤認させるおそれがあるため、商品の取引条件について、実際のものよりも著しく有利であると誤認される表示(景品表示法第34条第1項第2号)に該当する。 【最終確認画面】 「ご注文内容の確認」という画面は最終確認画面に当たるところ、特定商取引法第12条の6第1項第2号では、最終確認画面において売買契約の申込みの撤回又は解除に関する事項を表示すべきものとされているにもかかわらず、「ご注文内容の確認」においては「1回目にお届けした商品のお受け取り」が解約の条件である旨が表示されていないことから、特定商取引法第58条の19第2号に該当する。(※1)景品表示法(差止請求権等)第三十四条 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体(以下「適格消費者団体」という。)は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して次の各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が当該各号に規定する表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。 一 [略] 二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示をすること。2・3 [略](※2)特定商取引法(通信販売に係る差止請求権)第五十八条の十九 適格消費者団体は、販売業者又は役務提供事業者が、通信販売に関し、不特定かつ多数の者に対して次に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為に供した物の廃棄若しくは除去その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。 一 [略] 二 特定申込みに係る書面又は手続が表示される映像面に、第十二条の六第一項各号に掲げる事項につき表示をしない行為又は不実の表示をする行為 三・四 [略]注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:埼玉消費者被害をなくす会は、令和6年12月11日、HALに対する申入れを開始し、HALにより申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和7年3月6日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2025年2月26日

消費者機構日本と合同会社LeyLineGroupとの間の訴訟に関する判決について

合同会社LeyLineGroup

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者機構日本(以下「原告」という。)が、芸能タレントのマネジメント業務等を業とする合同会社LeyLineGroup(以下「被告」という。)に対し、被告が不特定かつ多数の者に対してレッスン及び出演業務等を提供する旨の専属演者契約(以下「本件契約」という。)に関し、下記①から④までの事項を求めた事案である(令和6年7月18日付けで東京地方裁判所に対して訴訟を提起)。① 特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第58条の18第1項第1号イ(※1)又は消費者契約法第12条第1項に基づき、契約について締結を勧誘するに際しての不実告知の停止及びこれを周知徹底させる措置の採用(以下「請求①」という。)。② 特定商取引法第58条の18第2項第1号に基づき、特定商取引法第9条第1項(※2)所定の申込みの撤回等(以下「クーリングオフ」という。)を否定する条項に係る意思表示の停止及び契約書等の破棄並びにこれらを周知徹底させる措置の採用(以下「請求②」という。)。③ 消費者契約法第12条第3項に基づき、積立金の放棄についての条項に係る意思表示の停止及び契約書等の破棄並びにこれらを周知徹底させる措置の採用(以下「請求③」という。)。④ 特定商取引法第58条の18第2項第2号又は消費者契約法第12条第3項に基づき、保証金及び入会金の不返還についての条項に係る意思表示の停止及び契約書等の破棄並びにこれらを周知徹底させる措置の採用(以下「請求④」という。)。【請求原因の概要】(ⅰ)請求①の請求原因(以下「請求原因①」という。)ア 本件契約の訪問販売該当性 被告は、インターネット上で告知した特定のオーディションに申し込んだ消費者に対し、電磁的方法により、本件契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに被告の営業所への来訪を要請し、その者と本件契約を締結している。 したがって、本件契約は、「訪問販売」(特定商取引法第2条第1項第2号、特定商取引法施行令第1条第1号)に該当する。イ 被告による不特定かつ多数の者に対する不実告知 (ア) 被告は、被告の営業所に来訪した不特定かつ多数の者に対し、オーディションに合格するには実績不足である、被告と本件契約を締結すれば、実績をつけるための仕事を回すことができると告知しているが、実際には、本件契約を締結した者に対して仕事を回していない。よって、不特定かつ多数の者に対し、本件契約の締結について勧誘をするに際し、本件契約の「役務」の「内容」について不実告知(特定商取引法第58条の18第1項第1号イ)を現に行っている。 (イ) オーディション合格に向けた実績をつけるための仕事を回されなければ消費者が本件契約締結には至ることはないと考えられるため、実績をつけるための仕事を回すことができる旨の被告の告知内容は、「消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべき」「役務」の「内容」という「重要事項」(消費者契約法第4条第5項第1号)に該当する。 よって、被告は、不特定かつ多数の消費者に対し、本件契約の締結について勧誘をするに際し、「重要事項」について不実告知(消費者契約法第4条第1項第1号(※3))を現に行っている。(ⅱ)請求②の請求原因(以下「請求原因②」という。) 被告は、不特定かつ多数の者と本件契約を締結するに際し、「専属演者契約書」(以下「本契約書」という。)を現に使用しているところ、本件契約第13条第1項第7号には「クーリングオフは出来かねます。」と規定する。 上記のとおり、本件契約に基づく役務の提供は、「訪問販売」に該当するところ、訪問販売における契約の申込者等にはクーリングオフの権利が認められており(特定商取引法第9条第1項)、本件契約第13条第1項第7号の規定は、かかる特定商取引法第9条第1項の規定に反する「特約」(特定商取引法第9条第8項(※4))に該当する。(ⅲ)請求③の請求原因(以下「請求原因③」という。)ア 被告は、不特定かつ多数の消費者と本件契約を締結するに際し、本契約書を現に使用しているところ、本件契約第5条第3項第1文において、消費者は、被告に対し、保証金として合計54万円(税別)を支払う義務があるとされ、同項第3文において、保証金は、本件契約満期での解除時に支給される積立金の原資とされている。そして、同条第2項は、消費者に対し、被告が消費者宛てに契約の更新意思の確認メールを送信してから1週間以内に書面にて契約更新か解除の手続を行うことを要求し(以上の内容について、以下「前段」という。)、同手続をとることが困難な場合は、被告に対して速やかに連絡を行うことを求め、その連絡をすることなく同手続を遅滞した場合は、自動的に本件契約が満了し、消費者が積立金の受取を放棄したとみなす(以上の内容について、以下「後段」という。)と規定する。イ 消費者契約法第10条前段要件該当性 法令中の公の秩序に関しない規定である民法第519条の適用による場合、債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときにその債権が消滅するとされ、債権者の任意の意思表示なくして債権が消滅することはない。それにもかかわらず、本件契約第5条第2項後段は、消費者の意思表示なくして、消費者が積立金の受取を放棄したとみなす(換言すれば、被告の積立金返還義務が消滅する)と規定している。よって、本件契約第5条第2項後段の規定は、法令中の公の秩序に関しない規定の適用である民法第519条の適用による場合に比して、消費者の権利である積立金返還請求権を制限する消費者契約の条項であることは明らかであり、消費者契約法第10条(※5)前段に該当する。ウ 消費者契約法第10条後段要件該当性 本件契約第5条第2項後段の規定は、本件契約の相手方である消費者が被告に対し、所定の連絡をすることなく契約更新又は解除の手続を遅滞した場合、積立金の受取を放棄したとみなすとしているが、積立金の額は54万円(税別)と極めて高額であることなどから、同規定が消費者の利益を害する重大な効果を及ぼすものであることは明らかである。 これに対し、同規定は、消費者が所定の連絡をすることなく上記手続を遅滞した場合、自動的に本件契約が満了すると規定し、その場合、本件契約は当初より予定された契約期間どおりに終了することで確定するのであるから、被告において手続の煩雑さ等は全くなく、消費者の上記手続遅滞によって被告が被る不利益はないといえる。したがって、本件契約第5条第2項後段の規定は、民法第1条第2項に規定する基本原則たる信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであることは明らかであり、消費者契約法第10条後段に該当する。エ 以上より、本件契約第5条第2項後段の規定は、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当する。(ⅳ)請求④の請求原因(以下「請求原因④」という。)ア 解除に伴う損害賠償額を予定し、又は違約金を定める条項に該当すること 被告は、不特定かつ多数の者と本件契約を締結するに際し、本契約書を現に使用しているところ、本件契約第5条第3項第5文は、契約満了時以外での保証金の返金はできないと定め、同条第4項第1文は、契約満了に達せず契約解除した場合、積立金は支給されないと規定する。 本件契約における保証金は、消費者の被告に対する一切の債務を担保したものと解されるところ、上記条項は、契約期間の中途で本件契約が解除された場合、消費者の被告に対する損害賠償額を保証金と同額であるとして、保証金を原資とする積立金を支給しないと定めたものといえるから、同規定は、本件契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項に該当する。イ 特定商取引法第10条第1項に反する特約であること 本件契約に基づく役務の提供は「訪問販売」に該当するところ、特定商取引法第10条第1項は、訪問販売における契約の解除等に伴う損害賠償等の額について、①役務提供契約の解除が当該役務提供の開始後である場合には、提供された当該役務の対価に相当する額及びこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の支払を請求することができず、②契約の解除が当該役務提供の開始前である場合には、契約の締結及び履行のために通常要する費用の額及びこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の支払を請求することができないと規定する。したがって、本件契約が契約期間の中途で解除された場合、被告は消費者に対して、上記①又は②に定める額を超えて損害賠償又は違約金を請求することはできない。 本件契約第5条第3項第5文及び同条第4項第1文は、上記①又は②の制限を大幅に上回る解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項に該当するものであるから、特定商取引法第10条第1項第3号及び第4号(※6)の規定に反する特約であるといえる。ウ 消費者契約法第9条第1項第1号に規定する契約条項に該当すること本件契約第5条第3項第5文及び同条第4項第1文の規定は、解除の事由、時期等の区分を一切設けることなく、一律に、契約期間の中途で本件契約が解除された場合、消費者の被告に対する損害賠償額を保証金と同額であるとしていることから、その額には、解除の事由、時期等の区分に応じて、解除に伴い被告に生ずべき平均的な損害の額を超える部分が含まれていることは明らかである。 したがって、本件契約第5条第3項第5文及び同条第4項第1文は、被告に生ずべき平均的な損害を超える部分を含む規定であるから、消費者契約法第9条第1項第1号(※7)に規定する消費者契約の条項に該当する。(※1・2・4・6)特定商取引法(訪問販売における契約の申込みの撤回等)第九条 販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において商品若しくは特定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客から商品若しくは特定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において商品若しくは特定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合(営業所等において申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結した場合を除く。)若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客と商品若しくは特定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合におけるその購入者若しくは役務の提供を受ける者(以下この条から第九条の三までにおいて「申込者等」という。)は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。ただし、申込者等が第五条第一項又は第二項の書面を受領した日(その日前に第四条第一項の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過した場合(申込者等が、販売業者若しくは役務提供事業者が第六条第一項の規定に違反して申込みの撤回等に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに申込みの撤回等を行わなかつた場合には、当該申込者等が、当該販売業者又は当該役務提供事業者が主務省令で定めるところにより当該売買契約又は当該役務提供契約の申込みの撤回等を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過した場合)においては、この限りでない。2~7 [略]8 前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。(訪問販売における契約の解除等に伴う損害賠償等の額の制限)第十条 販売業者又は役務提供事業者は、第五条第一項各号のいずれかに該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約又はその役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。 一・二 [略] 三 当該役務提供契約の解除が当該役務の提供の開始後である場合 提供された当該役務の対価に相当する額 四 当該契約の解除が当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供の開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額2 [略](訪問販売に係る差止請求権)第五十八条の十八 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体(以下この章において単に「適格消費者団体」という。)は、販売業者又は役務提供事業者が、訪問販売に関し、不特定かつ多数の者に対して次に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為に供した物の廃棄若しくは除去その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。 一 売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、次に掲げる事項につき、不実のことを告げる行為 イ 商品の種類及びその性能若しくは品質又は権利若しくは役務の種類及びこれらの内容 ロ・ハ [略] 二・三 [略]2 [略](※3・5・7)消費者契約法(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。 一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認 二 [略]2~4 [略]5 第一項第一号及び第二項の「重要事項」とは、消費者契約に係る次に掲げる事項(同項の場合にあっては、第三号に掲げるものを除く。)をいう。 一 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容であって、消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきもの 二・三 [略]6 [略](消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分 二 [略]2 [略](消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。(注)上記の訴訟が提起された日現在の規定 結果:東京地方裁判所は、令和7年2月26日、以下のように判断した上で、原告の請求を認容した(本判決は既に確定している。)。 当該裁判の主たる争点:ア.請求原因事実について 請求原因①から④までの各事実は、いずれも認めることができる。イ.差止請求の可否【請求①について】 請求原因①の事実によれば、被告が、不特定かつ多数の消費者に対し、本件契約の締結について勧誘するに際し、訪問販売かつ重要事項である本件契約に基づく役務の内容について不実の告知を現に行い又はこれを行うおそれがあるものと認められる。 したがって、請求①には理由がある。【請求②について】 請求原因②の事実によれば、被告が現に使用し又は使用するおそれがある本件契約第13条第1項第7号の規定が、訪問販売における契約の申込者等にクーリングオフの権利を認める特定商取引法第9条第1項に反する特約(同条第8項)に該当すると認められる。 したがって、請求②には理由がある。【請求③について】 請求原因③の事実によれば、被告が現に使用し又は使用するおそれがある本件契約第5条第2項後段の規定は、民法第519条の適用による場合に比して、消費者の権利である積立金返還請求権を制限し、かつ、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するから、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当すると認められる。 したがって、請求③には理由がある。【請求④について】 請求原因④の事実によれば、被告が現に使用し又は使用するおそれがある本件契約第5条第3項第5文及び同条第4項第1文は、特定商取引法第10条第1項第3号及び第4号による制限を上回る損害賠償額の予定又は違約金の定めに当たるから、同条に反する特約に該当する。また、上記の定めは、解除の事由、時期等の区分を一切設けることなく、一律に、契約期間の中途で本件契約が解除された場合、消費者の被告に対する損害賠償額を保証金額であるとするものであって、被告に生ずべき平均的な損害を超える部分を含む規定であるから、消費者契約法第9条第1項第1号に規定する消費者契約の条項に該当すると認められる。 したがって、請求④には理由がある。ウ.結論 よって、原告の請求はいずれも理由があるからこれらを認容する。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2025年2月13日

消費者支援ネット北海道と足うら屋との間の差止請求に関する協議が調ったことについて

足うら屋

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者支援ネット北海道(以下「消費者支援ネット北海道」という。)が、足うら屋に対し、足うら屋のホームページにおける以下の各表示(以下「本件表示」という。)について、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)第30条第1項第2号(※1)に規定する有利誤認表示に該当するとして、本件表示の中止又は修正を求めた事案である。(本件表示)1 「整体コース(筋膜調整)」の施術料金に関して、「キャンペーン」と題して、特定の年月日までの期間(以下「キャンペーン期間」という。)に予約した消費者に限って、「(通常1回6,600円税込~)」(以下「通常価格」という。)のところ、「初回1,980円」(以下「キャンペーン価格」という。)とし、「予約多数のため先着10名様のみ→残り3名」とする表示2 「スペシャルコース」の施術料金として、「お試しキャンペーン」と題して、「施術料8,800円(税込)」のところ、「初回1,980円(税込)」とし、「※キャンペーンの数には限りがあります。」とする表示(理由)1 上記1の表示について、同表示を見た一般消費者は、特定の年月日までのキャンペーン期間のみ「整体コース(筋膜調整)」の施術を通常価格よりも4,620円安いキャンペーン価格で受けられると認識する。しかし、実際には当該キャンペーン期間が終了しても、当該キャンペーン期間の終期のみを変更して同様の割引が継続していたものであることから、当該表示は、役務の取引条件について、実際のものよりも著しく有利であると誤認される表示(景品表示法第30条第1項第2号)に該当する。2 上記2の表示について、一定期間経過後も、当該表示はそのままであり、「お試しキャンペーン」の「初回1,980円(税込)」の価格と比較対照価格とされる「施術料8,800円(税込)」につき、「スペシャルコース」の初回施術料としていつの時点までどの程度の期間8,800円にて施術が行われていたのか明らかでなく、当該表示を見た消費者は、「お試しキャンペーン」の期間中に限って初回施術料が6,820円安くなっていると誤認するところ、当該表示は、役務の取引条件について、実際のものよりも著しく有利であると誤認される表示(景品表示法第30条第1項第2号)に該当する。(※1)景品表示法第三十条 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体(以下この条及び第四十一条において単に「適格消費者団体」という。)は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して次の各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が当該各号に規定する表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。 一 [略] 二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示をすること。2・3 [略]注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:消費者支援ネット北海道は、令和5年5月1日、足うら屋に対する申入れを開始し、足うら屋により申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和7年2月13日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2025年2月3日

消費者機構日本とソーダストリーム株式会社との間の差止請求に関する協議が調ったことについて

ソーダストリーム株式会社

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者機構日本(以下「消費者機構日本」という。)が、ソーダストリーム株式会社(以下「ソーダストリーム」という。)に対し、ソーダストリームが提供するガスシリンダーお得便(以下「本サービス」という。)の利用規約の下記条項(以下「本件条項」という。)について、消費者契約法(以下「法」という。)第8条第1項第1号及び第3号並びに第10条(※1)に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、本件条項の修正を求めた事案である。 (本件条項) 1 ソーダストリームに故意又は重大な過失がある場合を除き、解除に伴う返金をしないとする旨の条項 2 やむを得ない場合その他本サービスの運営上の理由による本サービスの終了により利用者が被ったいかなる損害についても、一切責任を負わないとする旨の条項 (理由) 1 上記1の条項は、民法第545条第1項で定める解除に伴う原状回復義務としての代金返還を否定し、消費者の権利を制限する条項であって、原状回復義務としての代金返還が否定されることにより、消費者は既に代金を支払いながらガスシリンダーを使用できないことになるから、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものであり、法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。2 上記2の条項は、ソーダストリームに故意又は過失がある場合においても、利用者に生じた損害についてソーダストリームの債務不履行及び不法行為に基づく損害賠償責任の全部を免除するものであり、法第8条第1項第1号及び第3号に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。(※1)消費者契約法 (事業者の損害賠償の責任を免除する条項等の無効) 第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。 一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項 二 [略] 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項 四 [略] 2・3 [略] (消費者の利益を一方的に害する条項の無効) 第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:消費者機構日本は、令和6年7月5日、ソーダストリームに対する申入れを開始し、ソーダストリームにより申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和7年2月3日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2025年1月9日

埼玉消費者被害をなくす会と株式会社北の達人コーポレーションとの間の差止請求に関する協議が調ったことについて

株式会社北の達人コーポレーション

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人埼玉消費者被害をなくす会(以下「埼玉消費者被害をなくす会」という。)が、株式会社北の達人コーポレーション(以下「北の達人コーポレーション」という。)に対し、北の達人コーポレーションが提供する「薬用クリアストロングショットアルファ」(以下「本製品」という。)の販売サイト広告における各表示(以下「本件表示」という。)について、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)の優良誤認表示(景品表示法第30条第1項第1号(※1))に該当するものとして、本件表示の使用停止を求めた事案である。(本件表示)1 本製品が爪の中に深く浸透し、爪の中の菌を殺菌・消毒することができる旨の表示2 本製品を使用すれば、爪のトラブルの原因菌・細菌を殺菌・消毒することにより、爪トラブルが改善される旨の表示3 本製品を使用したことにより、爪回りの濁りや変形・変色の症状に対して効果を実感した等とのお客様体験談の表示(理由)1 上記1の表示は、実際は本製品が爪の中の菌まで殺菌・消毒する効果を承認されたものでないにもかかわらず、本製品が爪の中に深く浸透し爪の中の菌を殺菌・消毒できると一般消費者に誤認させるものであり、商品の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対して、実際のものよりも著しく優良であることを示す表示であるため、景品表示法第30条第1項第1号の優良誤認表示に該当する。2 上記2の表示は、実際は特定の菌に対する殺菌・消毒の効果を承認されたものでないにもかかわらず、本製品を使用することで爪のトラブルの原因となった原因菌・細菌を殺菌・消毒することにより爪のトラブルが改善できると一般消費者に誤認させるものであり、商品の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対して、実際のものよりも著しく優良であることを示す表示であるため、景品表示法第30条第1項第1号の優良誤認表示に該当する。3 上記3の表示は、実際は本製品が爪回りの濁り等の症状に対する効果を承認されたものでないにもかかわらず、同表示を見た一般消費者に、本製品を使用した大体の者が、同表示に記載されたような、爪回りの濁り等に対し何らかの効果、性能等が得られるという認識を抱かせるものであり、商品の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対して、実際のものよりも著しく優良であることを示す表示であるため、景品表示法第30条第1項第1号の優良誤認表示に該当する。(※1)景品表示法第三十条 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体(以下この条及び第四十一条において単に「適格消費者団体」という。)は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して次の各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が当該各号に規定する表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると誤認される表示をすること。 二 [略]2・3 [略]注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:埼玉消費者被害をなくす会は、令和6年7月4日、北の達人コーポレーションに対する申入れを開始し、北の達人コーポレーションにより申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和7年1月9日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2024年12月19日

消費者支援機構福岡と北九州マラソン実行委員会との間の差止請求に関する協議が調ったことについて

北九州マラソン実行委員会

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者支援機構福岡(以下「消費者支援機構福岡」という。)が、北九州マラソン実行委員会に対し、マラソン大会の申込規約の下記条項(以下「本件条項」という。)について、以下のとおり消費者契約法(以下「法」という。)第10条(※)に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、本件条項の削除を求めた事案である。(本件条項)8.申込期間終了後の種目変更、記載内容変更・修正、キャンセル、グループのメンバー変更はできません。 また、過剰入金、重複入金の返金はいたしません。(理由) 本件条項は、不当利得の返還義務を定めた民法第703条の適用による場合に比して消費者の権利を制限するものであり、かつ、過剰入金又は重複入金の返還義務を否定すべき合理的理由もないことから、消費者の利益を一方的に害するものであり、法第10条に該当し無効である。(※)消費者契約法(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。(注)上記差止請求が行われた日現在の規定 結果:消費者支援機構福岡は、令和5年10月18日、北九州マラソン実行委員会に対する申入れを開始し、同委員会により申入れの趣旨に沿う対応がなされたとして、令和6年12月19日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2024年12月19日

消費者支援機構関西と合同会社ユー・エス・ジェイとの間の訴訟に関する控訴審判決について

合同会社ユー・エス・ジェイ

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者支援機構関西(以下「一審原告」という。)が、テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(以下「USJ」という。)を運営する合同会社ユー・エス・ジェイ(以下「一審被告」という。)に対し、①一審被告が消費者との間でインターネットを経由してチケットの購入契約を締結する際に適用される利用規約(WEBチケットストア利用規約)中にある、一定の場合を除き購入後のチケットのキャンセルができない旨の条項(別紙契約条項目録記載1の条項。以下「本件条項1」という。)が、消費者の利益を一方的に害する条項に該当するなど消費者契約法(以下「法」という。)第10条及び第9条第1号(※)の条項に当たると主張するとともに、②上記利用規約中にある、チケットの転売を禁止する旨の条項(別紙契約条項目録記載2の1.の条項。以下「本件条項2」といい、本件条項1と併せて「本件各条項」ともいう。)が、同じく法第10条の条項に当たると主張し、法第12条第3項に基づく差止請求として、本件各条項を内容とする意思表示の停止、本件各条項が記載された上記利用規約が印刷された規約用紙等の破棄及び上記の意思表示の停止等のための一審被告の従業員らに対する書面の配布を求めた事案である。一審判決(大阪地方裁判所が令和5年7月21日に言渡し)が、一審原告の請求を全部棄却したところ、一審原告はこれを不服として大阪高等裁判所に控訴した。一審原告は控訴審において、別紙契約条項目録記載2の3.及び4.(以下併せて「本件追加条項」という。)が法第10条の条項に当たると主張して、本件追加条項について、その意思表示の停止、これらの条項が記載された上記利用規約が印刷された規約用紙等の破棄及び上記の意思表示の停止等のための一審被告の従業員らに対する書面の配布の各請求を予備的に追加する旨の訴えの変更をした。これに対し、一審被告は、上記訴えの変更について、異議を述べた。(※)消費者契約法(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分 二 [略](消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。(注)上記の訴訟が提起された日現在の規定 結果:大阪高等裁判所は、令和6年12月19日、以下のとおり判断して、控訴を棄却した(一審原告は同月27日付けで最高裁判所に上告及び上告受理申立てした。)。 当該裁判の主たる争点:ア 主たる争点ⅰ)本件条項1は、法第10条前段要件を充足するか否かⅱ)本件条項1は、法第10条後段要件を充足するか否かⅲ)本件条項1は、法第9条第1号の規定する「解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項」に該当するか否かⅳ)本件条項1は、法第9条第1号の規定する「平均的な損害の額を超える」損害賠償等を定めるものにあたるか否かⅴ)本件条項2は、法第10条前段要件を充足するか否かⅵ)本件条項2は、法第10条後段要件を充足するか否かイ 控訴審における裁判所の判断の概要【本件追加条項に係る訴えの変更】 一審原告は、控訴審において、予備的に本件追加条項に係る訴えの変更申立てをするところ、本件追加条項は、一審原告の主張するとおり、いわゆる権利没収条項であって、その存在自体が消費者の権利を制限するものであるということができるが、これらによって生じる消費者の不利益は、違約罰に類するものであって、キャンセルができない旨の条項(本件条項1)やチケットの転売を禁止する旨の条項(本件条項2)による不利益とは自ずと性質を異にする。そうすると、本件追加条項が本件各条項に違反した場合の効果を規定するものである点において、本件各条項と密接に関連するとはいえるものの、請求の基礎に変更がないとはいえず、また、仮にこれを認めた上で審理を行うとすれば、一審被告の審級の利益が侵害されることとなる。さらに、上記申立てがなされたのが本件口頭弁論終結の8日前であることから、一審被告において、その認否反論のため、改めて本件追加条項適用の実情の調査をすることによって訴訟手続の著しい遅延は避けられない。したがって、上記訴えの変更申立てを許すことはできない。【争点ⅰ】 典型的な役務提供契約は、役務の提供を受ける必要がある役務受領者の利益のために行われるものであり、また、役務受領者にとってその役務の提供を受けることが不要となった場合あるいは役務の提供を受けることができなくなった場合にまで契約の終了を認めず、役務提供契約の効力を存続させることは社会経済的に非効率であるということはできる。しかし、典型的な役務提供契約とは異なり、チケットを購入した個々の顧客と一審被告との間には人的信頼関係があるわけではない。そして、USJ内で提供される個々の役務と、顧客が購入したチケットに表章される個々の利用権との間には、直接の対応関係がなく、チケット購入者の個別的な事情により、役務の提供を受けることが不要となった場合あるいは役務の提供を受けることができなくなった場合であっても、一審被告は、変わらず役務を提供せざるを得ないシステムになっている。そうすると、本件チケットの購入契約においては、当事者間に人的信頼を基礎に置く委任契約に認められている民法第651条を類推適用して任意解除権を認めることは相当ではない(本件条項1について、法第10条前段該当性を認めることはできないとの一審判決の判断を維持)。【争点ⅱ】 確かに、誤購入や急な予定変更により、チケット購入者にとっても思わぬ形で、チケットが不要となる場合があるところ、一審被告が販売する本件チケットは、一般消費者が購入するチケットとしては高額であり、購入者の経済的負担は軽視できない。また、スタジオ・パスについては、無償で、本来の入場予定日の90日後までであれば、入場日を変更することが可能となったとはいえ、海外を含む遠隔地からの利用者については、旅行そのものが中止になったような場合には、90日以内にUSJを訪れるように日程を調整することは困難であることも少なくないと考えられる。しかし、そうであるからといって、本件条項1が民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものと直ちに評価することはできない。そして、本件条項1の趣旨・目的がチケット価格の高額化を防ぐことにあり、合理性があることは、補正の上引用した一審判決第3の3で説示したとおりである。また、前述したとおり、USJ内で提供される個々の役務と顧客が購入したチケットに表章される個々の利用権との間には、直接の対応関係がなく、チケット購入者の個別的な事情により、役務の提供を受けることが不要となった場合あるいは役務の提供を受けることができなくなった場合であっても、一審被告は、変わらず役務を提供せざるを得ないシステムになっているのであるから、顧客が任意にキャンセルできることになれば、一審被告において役務提供のために要した費用に見合った収入を得られなくなるおそれがあることや、高額な転売を目的とする者が大量にチケットを購入することの防止がより困難になるおそれがあることに照らすと、本件条項1にはやはり相応の合理性があり、適合性、必要性及び均衡性のいずれかにおいて欠けるところがあるとは認められない。また、本件条項1のただし書(法令上の解除または無効事由等がお客様に認められる場合はこの限りではありません。)の運用が不適切なものであれば、本来、キャンセルが認められるべき顧客の利益を不当に害することになると考えられるが、それは、本件条項1の定め方の瑕疵ではなく、解釈運用の不手際であるから、そのことによって、本件条項1が法第10条後段に該当するものとはいえない。【争点ⅲ及びⅳ】 一審判決で説示したとおり(本件条項1は、法第9条第1項第1号の条項に該当しない。)。【争点ⅴ】 チケットの転売は、一審被告から役務の提供を受ける権利の譲渡であり、債権譲渡であると解することができる。そのような役務の提供を受ける権利については、長年、その権利が化体した無記名の有価証券類似の有体物としてのチケットが発行され、役務提供の対価である利用料金を支払った顧客が、その権利を表章するものとしてチケットを取得し、役務の提供を受ける権利は、チケットの所有権の移転に伴って移転し、当該施設において、チケットの所持者が役務の提供を受ける権利を有する者として取り扱われてきたことは公知の事実である。そして、一審被告が本件条項2によって、チケットの転売を禁止することは、商慣行として定着していたチケットの有価証券類似の機能を新たに制限するものであって、原則自由とされている債権譲渡を制限することになり、任意規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限するものというべきである。 以上で検討したところによれば、本件条項2について、任意規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限するものということができるので、法第10条前段該当性が認められる。【争点ⅵ】 USJ内で提供される個々の役務と、顧客が購入したチケットに表章される個々の利用権との間には、直接の対応関係がなく、チケット購入者の個別的な事情により、役務の提供を受けることが不要となった場合あるいは役務の提供を受けることができなくなった場合であっても、一審被告は、変わらず役務を提供せざるを得ないシステムになっており、このような状況の下では、消費者が役務提供を受け得ない状態となったにもかかわらず、そのような消費者に対して事業者が債務を履行した場合と全く同一の対価を得たとしても不当な利益を得ることにはならない。そして、①転売目的でチケットを購入した者と後発的にチケットが不要となった一般購入者の客観的な区別は困難であるし、②一審被告において転売価格を知ることは不可能であって、本来の防止目的である定価を超える転売であるか、通常転売者に利益の生じない定価以下の転売であるかを知ることもできないのであるから、これらの区別なく一律に転売を禁止することはやむを得ないところである。そして、転売が禁止された以上、③禁止に反して転売されたチケットが無効となり、④USJ内で提供される役務を受領できなくなった購入者は、チケット購入契約による経済的負担を回収する機会を失うことになるが、転売の禁止には、高額な転売を目的とする者の買い占めを防止し、それによって消費者である顧客に対し、自由な転売市場において形成されるであろう高額な転売価格に比べて低廉な定価で安定してチケットを購入できる機会を保障するという、消費者にとって利益となる目的・効果があると認められる以上、それが消費者の一方的な不利益をもたらすものということはできない。なお、チケット不正転売禁止法は、不正な転売行為を強行法規によって規制するものであって、事業者が自ら販売するチケットの転売制限の上限を画ずるものではないから、本件条項2が不正転売禁止法よりも制限的であるとしても、本件条項2が法第10条後段に該当すると認めることはできない。以上を踏まえれば、本件条項2にも相応の合理性があり、適合性、必要性及び均衡性のいずれかにおいて欠けるところがあるとは認められない。なお、転売サイト(リセールサイト)の開設は、転売目的でチケットを購入した者が依然としてチケットの保有を継続中であると考えられる、チケットの発売開始に近接した時期に誤購入した購入者の救済には一定の効果があると考えられるものの、他方、そのような誤購入は、錯誤等、法令上の解除又は無効事由等が認められる場合に当たることが多いと推認されるから、リセールサイトを開設しなくても、一審被告が本件条項1のただし書を適切に運用することによって救済が可能と考えられる。これに対し、使用予定日近くに差し支えが生じて行けなくなった購入者については、転売目的でチケットを購入した者が売れ残ったチケットを処分するためにも転売サイトが利用可能となるから、時期的に、転売目的購入者の売れ残りチケットの処分と競合し、その結果、チケットの一般購入者がその損失を回避できなくなることもあり得るところであり、リセールサイトを開設してもその救済効果には限界があると考えられる。そうすると、経営上の判断から、一審被告においてリセールサイトを開設していないことが、直ちに消費者の利益を一方的に害するものということは困難である。ウ 結論 以上の次第で、一審原告の訴えの変更(追加請求)はこれを許さないこととし、一審原告のその余の請求はいずれも理由がなく、これを棄却した一審判決は相当であるから、本件控訴を棄却する。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2024年12月13日

消費者支援ネット北海道とトラストライン株式会社との間の差止請求に関する協議が調ったことについて

トラストライン株式会社

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者支援ネット北海道(以下「消費者支援ネット北海道」という。)が、トラストライン株式会社(以下「トラストライン」という。)に対し、トラストラインが運営するウェブサイトの広告における表示(以下「本件表示」という。)について、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)第30条第1項第2号(※1)に該当するものとして、本件表示の使用停止を求め、また、トラストラインのウェブサイトの利用規約における各条項(以下「本件条項」という。)について、消費者契約法第8条第1項第1号及び第3号並びに第10条(※2)に規定する消費者契約の条項に該当するものとして、本件条項の削除又は変更を求めた事案である。(本件表示)定期受取の約束はない旨の表示(本件条項)1 返品・交換の手続、期限及び対象となる商品を制限する旨の条項2 パスワードを用いて行われた意思表示を会員本人の意思表示とみなし、同意思表示により生じる支払等に関する責任を全て会員に帰属させる旨の条項3 トラストラインの故意・過失により会員に損害が生じた場合でも、トラストラインが会員に対し一切責任を負わない旨の条項(理由)【本件表示】 実際は定期購入契約であるにもかかわらず、定期購入契約ではないかのような印象を一般消費者に与えるものであり、商品の価格その他の取引条件について、実際のものよりも著しく有利であると誤認される表示であり、景品表示法第30条第1項第2号の有利誤認表示に該当する。【本件条項】1 上記1の条項は、返品・交換について、商品到着後24時間以内に連絡した場合のみ交換に応じ、一度でも使用した形跡がある物については交換に応じない旨を定めているが、消費者が商品の品質に問題があるかどうかを認識するためには、使用開始から一定期間を要するものであり、また、外観だけでは品質に問題があるかを認識することは不可能であることから、本条項は、契約不適合責任をトラストラインに追及することを事実上不可能とするもので、著しく不合理といえ、法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は義務を加重する条項であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであり、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。2 上記2の条項は、パスワードを用いて行われた意思表示は会員本人の意思表示であるため、生じる支払等については全て会員の責任としており、トラストラインの故意・過失により会員情報が漏えいした場合等においても、会員本人に責任を帰属させるものであることから、法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は義務を加重する条項であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであり、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。3 上記3の条項は、トラストラインに故意・過失があった場合においても、会員に生じた損害についてトラストラインの債務不履行及び不法行為に基づく損害賠償責任の全部を免除するものであり、消費者契約法第8条第1項第1号及び第3号に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。(※1)景品表示法第三十条 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体(以下この条及び第四十一条において単に「適格消費者団体」という。)は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して次の各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が当該各号に規定する表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。 一 [略] 二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示をすること。 2・3 [略](※2)消費者契約法(事業者の損害賠償の責任を免除する条項等の無効)第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。 一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当 該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項 二 [略] 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項 四 [略]2・3 [略](消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:消費者支援ネット北海道は、令和6年7月30日、トラストラインに対する申入れを開始し、トラストラインにより申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和6年12月13日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2024年11月26日

やまなし消費者支援ネットと株式会社加取との間で差止請求に関する協議が調ったことについて

株式会社加取

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人やまなし消費者支援ネット(以下「やまなし消費者支援ネット」という。)が、株式会社加取(以下「加取」という。)に対し、加取のチラシ又はウェブサイトの各表示(以下「本件表示」という。)について、以下のとおり不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)第30条第1項第2号※2に規定する有利誤認表示に該当するものとして、本件表示の削除又は修正を求めた事案である。(本件表示)①「年間の光熱費削減、売電収入を貯めると、年間24万円~30万円貯蓄できます。」等と表示し、光熱費削減及び売電収入により最低でも年間24万円の貯蓄が実現されるかのように示す表示②「一般住宅光熱費¥16,000円(全国平均)-太陽光発電(4kw以上)+オール電化住宅=光熱費を大幅に削減」、「20,000×360=720万円/30年」等と表示し、30年間で720万円の利益が生じるかのように示す表示③ 賃貸と加取の分譲住宅を対比させ、「賃貸、光熱費(電気・ガス代)24,000円、家賃65,000円、月の生活負担額89,000円」、「カトリの高性能住宅土地付、光熱費(電気代)±0円、ローン代67,000円-24,000円(電気代分)、月の生活負担額55,000円」、「毎月3.4万円お得!」、「35年で14,280,000円」等と表示し、賃貸と比較して毎月3.4万円の利益が生じ、35年で1,428万円の利益が累積するかのように示す表示④ 一般の住宅と加取の高性能住宅・太陽光・オール電化とを対比させ、「35年で1,050万円もお得!」、「高断熱仕様300万円÷30万円=10年で回収」等と表示し、一般住宅の場合と比べて35年で1,050万円の利益が生じるかのように示す表示⑤ 住宅ローンを用いた場合として、「月々返済67,000円」、「光熱費削減-24,000円」、「月の生活負担43,000円」等と表示し、分譲住宅を購入した際の毎月の負担額が月々の住宅ローンの返済額から光熱費削減の金額であるかのように示す表示⑥ 他の条件を併記することなく「期間限定特別価格」等と表示し、他の条件なく期間中に契約することのみで割引を受けられるかのように示す表示⑦「カトリホームで建設されたZEH住宅と、従来の住宅での光熱費・水道費を比較しました。」と記載した上、「年間光熱費・水道費が276,820円も節約できました」等の表示⑧「太陽光発電でさらにおトク年間利益95,420円」として、かかる年間利益も含めて「年間光熱費・水道費が276,820円も節約できました。」等の表示(理由) 本件表示のうち、上記①から④まで及び⑧は、加取から回答された内容、客観的資料、現在の売電単価及び売電制度を踏まえると、購入者が各表示に係る経済的利益を得ることはできないにもかかわらず、これが得られるかのように一般消費者に誤認される表示であり、有利誤認表示に該当する。 本件表示のうち、上記⑤は、別途発生する太陽光発電・蓄電池の月額リース料金を考慮しておらず、かつ、現在の売電制度を踏まえると光熱費を一律に24,000円削減することは不可能であるから、表示に係る月額返済額となることはないにもかかわらず、このような月額返済額となるかのように一般消費者に誤認される表示であり、有利誤認表示に該当する。 本件表示のうち、上記⑥は、実際にはモニターハウスとしての協力及びエネカリ契約(太陽光発電・蓄電池のリースサービスの契約)の締結が条件となっているにもかかわらず、特定期間に契約を締結すること以外の条件は無いかのように一般消費者に誤認される表示であり、有利誤認表示に該当する。 本件表示のうち、上記⑦は、表示に係る内容が、実際に加取が建設した住宅において測定された数値ではないにもかかわらず、加取が建設した住宅において測定された数値であるかのように一般消費者に誤認される表示であり、有利誤認表示に該当する。(※1)景品表示法第三十条 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体(以下この条及び第四十一条において単に「適格消費者団体」という。)は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して次の各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が当該各号に規定する表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。 一 [略] 二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示をすること。2・3 [略]注)令和5年3月28日付けの差止請求が行われた日の規定 結果:やまなし消費者支援ネットは、令和5年3月28日、加取に対し、本件表示①から⑥までについての申入れを開始し、更に令和6年10月15日、本件表示⑦及び⑧についての申入れをし、加取により、本件表示の削除がなされたことを確認したものとして、令和6年11月26日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2024年10月24日

消費者ネットおかやまと株式会社インシップとの間の訴訟に関する控訴審判決の確定について

株式会社インシップ

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者ネットおかやま(以下「一審原告」という。)が、栄養補助食品製造・通信販売を行う株式会社インシップ(以下「一審被告」という。)に対し、「ノコギリヤシエキス」という名称のサプリメント(以下「本件サプリ」という。)に係る新聞広告(以下「本件広告」という。)の表示について、本件サプリは医薬品として承認されていないにもかかわらず、本件広告において頻尿の改善という医薬品的な効能効果を表示していることなどが、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)第30条第1項第1号(※)所定の優良誤認表示に当たると主張して本件広告の表示の差止めを求めた事案である。 一審判決は(岡山地方裁判所が令和4年9月20日に言渡し)、一審原告の請求を棄却したところ、一審原告は、広島高等裁判所岡山支部に控訴した。(※)景表法第三十条 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体(以下この条及び第四十一条において単に「適格消費者団体」という。)は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して次の各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が当該各号に規定する表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると誤認される表示をすること。 二 [略]2・3 [略](注)上記の訴訟が提起された日現在の規定 結果:広島高等裁判所岡山支部は、令和5年12月7日、以下のとおり判断して、控訴を棄却した(一審原告は、同月19日付けで最高裁判所に上告及び上告受理申立てした。)。 一審原告が最高裁判所に行った上告及び上告受理申立てについて、令和6年10月24日、それぞれ上告棄却及び上告申立て不受理の決定がされ、控訴審判決が確定した。 当該裁判の主たる争点:ア 主たる争点 ⅰ)適格消費者団体による差止請求においても、事業者が優良誤認表示ではないことの立証責任を負担すべきか ⅱ)上記ⅰ)が否定される場合でも、事業者が合理的な根拠を備えていない場合には優良誤認表示を行っていると事実上推定されるべきか ⅲ)一審被告が訴訟に提出する証拠は合理的根拠ではなく、本件広告の表示は優良誤認表示に該当するか ⅳ)上記ⅲ)が否定される場合でも、一審被告は本件商品やその原材料のノコギリヤシエキスについて頻尿改善効果のあることを裏付ける合理的な根拠を示す資料を備えていないから、優良誤認表示を行うおそれがあるかイ 主たる争点についての裁判所の判断の概要【争点ⅰ及びⅱ】 不実証広告規制は、優良誤認表示を効果的に規制(不当表示を迅速に規制し、 一般消費者の利益を確保する観点から)するため、立証責任を転換し、消費者庁長官(内閣総理大臣から権限委任。景表法33条、同法施行令14条)は、優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合には、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、事業者が求められた資料を期間内に提出しない場合や、提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合には、当該表示は、措置命令との関係では不当表示とみなされ(景表法7条2項)、課徴金納付命令との関係では不当表示と推定される(景表法8条3項)としたものである。 このように、消費者庁長官の立証責任は法の明文の規定をもって転換されているが、適格消費者団体による差止訴訟については、同様の規定はない。そうすると、適格消費者団体が差止請求を行う場合には、原則に従って、当該表示どおりの効果、性能がないことの立証責任を適格消費者団体自身が負うというべきである(争点ⅰ)。 また、このような景表法の定めに照らすと、事業者が合理的な根拠を備えていない場合には優良誤認表示を行っていると事実上推定されるとは言えない(争点ⅱ)。【争点ⅲ】 一般消費者が本件広告の表示から受ける印象や認識は、本件広告の抽象的な記載、「すべて個人の感想です。効果効能を保証するものではありません。」との記載(いわゆる打ち消し表示)等に照らすと、本件サプリにより一定程度の頻尿改善効果が得られる可能性がある、要するに、個人によっては効果があるかもしれないとの印象を生じさせるものにとどまるし、原判決でも認定されているとおり、本件サプリに一定程度の頻尿改善効果が認められる可能性を否定しきれないことからすると、一般消費者が本件広告の表示によって本件サプリの内容を誤認するとか、それによって顧客が誘引される程度に至っているということはできず、本件広告の表示が優良誤認表示に該当するとは認められない。【争点ⅳ】 一審原告は、あたかも不実証広告規制と同様に立証責任が転換されていることを前提とする主張をするのみで、特段の立証をしない。したがって、一審被告が本件広告の表示以外に優良誤認表示を行うおそれは認められない。ウ 結論 よって、本件控訴には理由がないから、これを棄却する。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求

公的活動2024年10月22日

消費者被害防止ネットワーク東海と弁護士法人大本総合法律事務所との間で差止請求に関する協議が調ったことについて

弁護士法人大本総合法律事務所

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者被害防止ネットワーク東海(以下「消費者被害防止ネットワーク東海」という。)が、弁護士法人大本総合法律事務所(以下「大本総合法律事務所」という。)に対し、大本総合法律事務所の使用する委任契約書における以下の条項(以下「本件条項」という。)について、消費者契約法(以下「法」という。)第9条第1項第1号及び第10条(※1)に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、下記のとおり本件条項の改定を求めた事案である。(本件条項)第6条(委任の終了と精算)・本委任契約にもとづく事件等の処理が、解任、辞任または継続不能により中途で終了したときは、乙の処理の程度に応じて報酬金の清算をおこなうこととし、処理の程度についての甲及び乙の協議結果にもとづき、着手金および報酬金の全部もしくは一部の支払をおこなう。着手金の返還はしないものとする。・本契約が終了したときは、乙の責めに帰すべき事由による場合を除いて、甲は既に支払済の着手金およびその他の弁護士報酬の費用の返還を求めることが出来ない。また、未払の着手金その他の弁護土報酬について乙に対して支払う義務を免れることは出来ず、速やかに支払うものとする。・甲は、乙が事件処理等を終了させるまでの間、本契約に基づき、いつでも契約を解除出来るものとする。ただし、解除が乙の責めに帰すべき事由によるものでない場合を除いて、乙に対し成功報酬金の支払義務を負うこととする。甲が一方的に乙の同意なく事件を終結させた場合、甲の過失によって事務処理の遂行が出来なくなった場合も同様の扱いとする。(理由) 本件条項は、委任契約が中途で終了した場合について、① 契約の終了原因及びその理由を問わず一律に着手金は返還しないこと、② 未払着手金の支払義務、及び③ 受任者に帰責事由がある場合のみを例外とし、それ以外の場合における一律の報酬金の支払義務を定めている。 委任契約が中途で終了した場合において、委任事務の履行が未だ果たされていない部分に相当する着手金及び報酬金の支払を求めることや、支払済みの着手金を理由の如何を問わず一切返還しないと定めることは、委任契約が委任事務の終了まで継続しなかったことによる受任者の損害(委任契約が終了まで継続することができれば受任者が得られたはずの利益)を填補することを目的としていると考えられ、実質的に違約金を定めている条項であると解される。 それにもかかわらず、何ら解約時期や既払金額などの条件を限定することなく、委任契約どおりの着手金・報酬金の支払を求められるとすることは、受任者が契約解除によって被る平均的な損害を超えて、受任者が得べかりし利益を取得する結果となり、法第9条第1項第1号に該当し無効である。 また、民法上は、委任契約の報酬については、特約によって報酬請求権を認める場合でも、委任契約が中途で終了した場合については、既にした履行の割合に応じて報酬請求が可能である(民法第648条第3項第2号)。本件条項は、かかる民法の規定を消費者に不利益な方向で加重するものであり、法第10条にも該当し無効である。(※1)消費者契約法(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの当該超える部分 二 [略]2 [略](消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:消費者被害防止ネットワーク東海は、令和6年8月20日、大本総合法律事務所に対する申入れを開始し、大本総合法律事務所により申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和6年10月22日、申入れを終了した。

補助金、調達、認定等の中立的な公的活動であり、リスク評価ではありません。

消費者庁 COCoLiS

COCoLiS 消費者団体の差止請求