公的活動2024年10月24日

消費者ネットおかやまと株式会社インシップとの間の訴訟に関する控訴審判決の確定について

株式会社インシップ

消費者庁・公式記録ID case-645-2

公表内容

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者ネットおかやま(以下「一審原告」という。)が、栄養補助食品製造・通信販売を行う株式会社インシップ(以下「一審被告」という。)に対し、「ノコギリヤシエキス」という名称のサプリメント(以下「本件サプリ」という。)に係る新聞広告(以下「本件広告」という。)の表示について、本件サプリは医薬品として承認されていないにもかかわらず、本件広告において頻尿の改善という医薬品的な効能効果を表示していることなどが、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)第30条第1項第1号(※)所定の優良誤認表示に当たると主張して本件広告の表示の差止めを求めた事案である。 一審判決は(岡山地方裁判所が令和4年9月20日に言渡し)、一審原告の請求を棄却したところ、一審原告は、広島高等裁判所岡山支部に控訴した。(※)景表法第三十条 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体(以下この条及び第四十一条において単に「適格消費者団体」という。)は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して次の各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が当該各号に規定する表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると誤認される表示をすること。 二 [略]2・3 [略](注)上記の訴訟が提起された日現在の規定 結果:広島高等裁判所岡山支部は、令和5年12月7日、以下のとおり判断して、控訴を棄却した(一審原告は、同月19日付けで最高裁判所に上告及び上告受理申立てした。)。 一審原告が最高裁判所に行った上告及び上告受理申立てについて、令和6年10月24日、それぞれ上告棄却及び上告申立て不受理の決定がされ、控訴審判決が確定した。 当該裁判の主たる争点:ア 主たる争点 ⅰ)適格消費者団体による差止請求においても、事業者が優良誤認表示ではないことの立証責任を負担すべきか ⅱ)上記ⅰ)が否定される場合でも、事業者が合理的な根拠を備えていない場合には優良誤認表示を行っていると事実上推定されるべきか ⅲ)一審被告が訴訟に提出する証拠は合理的根拠ではなく、本件広告の表示は優良誤認表示に該当するか ⅳ)上記ⅲ)が否定される場合でも、一審被告は本件商品やその原材料のノコギリヤシエキスについて頻尿改善効果のあることを裏付ける合理的な根拠を示す資料を備えていないから、優良誤認表示を行うおそれがあるかイ 主たる争点についての裁判所の判断の概要【争点ⅰ及びⅱ】 不実証広告規制は、優良誤認表示を効果的に規制(不当表示を迅速に規制し、 一般消費者の利益を確保する観点から)するため、立証責任を転換し、消費者庁長官(内閣総理大臣から権限委任。景表法33条、同法施行令14条)は、優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合には、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、事業者が求められた資料を期間内に提出しない場合や、提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合には、当該表示は、措置命令との関係では不当表示とみなされ(景表法7条2項)、課徴金納付命令との関係では不当表示と推定される(景表法8条3項)としたものである。 このように、消費者庁長官の立証責任は法の明文の規定をもって転換されているが、適格消費者団体による差止訴訟については、同様の規定はない。そうすると、適格消費者団体が差止請求を行う場合には、原則に従って、当該表示どおりの効果、性能がないことの立証責任を適格消費者団体自身が負うというべきである(争点ⅰ)。 また、このような景表法の定めに照らすと、事業者が合理的な根拠を備えていない場合には優良誤認表示を行っていると事実上推定されるとは言えない(争点ⅱ)。【争点ⅲ】 一般消費者が本件広告の表示から受ける印象や認識は、本件広告の抽象的な記載、「すべて個人の感想です。効果効能を保証するものではありません。」との記載(いわゆる打ち消し表示)等に照らすと、本件サプリにより一定程度の頻尿改善効果が得られる可能性がある、要するに、個人によっては効果があるかもしれないとの印象を生じさせるものにとどまるし、原判決でも認定されているとおり、本件サプリに一定程度の頻尿改善効果が認められる可能性を否定しきれないことからすると、一般消費者が本件広告の表示によって本件サプリの内容を誤認するとか、それによって顧客が誘引される程度に至っているということはできず、本件広告の表示が優良誤認表示に該当するとは認められない。【争点ⅳ】 一審原告は、あたかも不実証広告規制と同様に立証責任が転換されていることを前提とする主張をするのみで、特段の立証をしない。したがって、一審被告が本件広告の表示以外に優良誤認表示を行うおそれは認められない。ウ 結論 よって、本件控訴には理由がないから、これを棄却する。

Classification
中立的な公的活動
Record nature
中立的な公的活動
Event type
consumer_injunction_publication
Event date
2024年10月24日
Announced
未収録
Effective from
未収録
Effective to
未収録
Record status
終了
Status as of
未収録