公的活動2020年9月3日

消費者支援ネットくまもとと株式会社SOUWAとの間の訴訟に関する控訴審判決の確定について

株式会社SOUWA

消費者庁・公式記録ID case-367-2

公表内容

事案の内容:本件は、適格消費者団体であるNPO法人消費者支援ネットくまもと(以下「控訴人」という。)が、自動車販売業者である株式会社SOUWA(以下「被控訴人」という。)に対し、被控訴人が不特定かつ多数の消費者との間で自動車販売契約を締結するに際して使用している書面には消費者契約法(以下「法」という。)第9条第1号(※1)の規定に該当する次の①及び②の各条項(以下これらを併せて「差止請求条項」という。)が含まれているとして、法第12条第3項の規定に基づき、差止請求条項を内容とする意思表示の停止及び差止請求条項が記載された用紙の廃棄並びにこれらを従業員に指示する措置を採ることを求めた事案である。 原判決(熊本地方裁判所が令和元年5月8日に言渡し)(※2)が、差止請求条項は法第9条第1号に規定する消費者契約の条項に該当するということはできないとして、控訴人の請求をいずれも棄却したところ、控訴人がこれを不服として控訴した(同月20日付けで福岡高等裁判所に控訴)。(差止請求条項)① 本件解約料条項 契約後のキャンセルは原則できません。購入者の一方的なキャンセルにつきましては、キャンセル料(契約額の30%)の支払を申し受けます。② 本件損害賠償条項 契約が解除されたときは、乙(注文者)は甲(販売店)に対し直ちに自動車代金等に相当する額の損害賠償金及びこれに対する(ただし書の場合は、各号の金額を控除した額に対する)商事法定利率による遅延損害金を支払います。ただし、下記各号に該当する場合、甲はその金額を前記損害賠償金の支払に充当するものとします。 ⑴ 乙が甲に頭金及び残代金の一部を既に支払っているときはその合計額。 ⑵ 自動車が返還された場合(甲が乙に自動車を提供したが、乙が第2条に違反したため自動車の引渡しができなかったときを含む。)は財団法人日本自動車査定協会による査定評価額及び乙に支払う消費税・地方消費税が生じた場合はその額。ただし、乙が任意に自動車を返還しないため、甲が仮処分その他自己の費用をもって自動車を回収した場合、甲が自動車の評価額から回収費用を差し引くことができるものとします。(※1)消費者契約法(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分 二 〔略〕(注)上記の訴えが提起された日現在の規定 結果:控訴審(福岡高等裁判所)は、令和元年12月5日、原判決を一部補正し、以下のように、控訴審における控訴人の主張についてそれぞれ判断していずれも採用できないとしたほかは、原判決の判断理由を引用の上、控訴人の控訴を棄却した(控訴人は、令和元年12月20日付けで上告受理申立てを行った。)。 令和2年9月3日に、申立て不受理の決定がされ、差止請求を棄却した控訴審判決が確定した。 当該裁判の主たる争点:ア 法第9条第1号に規定する「平均的な損害」は、少なくとも契約履行前の解除に関する限り、逸失利益を含むものではないとの主張について 法第9条第1号は、「損害」という文言を使用しているのみであり、これは、民法第416条を前提としつつ、「解除の時期」を考慮して逸失利益の損害の回避可能性がある場合にはその賠償請求を否定する、あるいは減じるとの趣旨であると解するのが相当であって、契約の履行前であればおよそ逸失利益の賠償請求を否定する趣旨であると解することはできない。イ 中古車販売のキャンセルの場合に売主に生じる損害については、業界標準約款の規律する車庫証明申請の実費等をもって「平均的な損害」とすべきとの主張について[本件解約料条項関係] 法第9条第1号に規定する「平均的な損害」とは、当該事業者の一定の類型の消費者契約において生じた損害の額について合理的に算出された平均値であって、当該業種における業界の水準と必ずしも一致するものではない。控訴人の主張によっても、業界標準約款の規律する車庫証明申請の実費等をもって「平均的な損害」といえるためには、事業者が業界標準約款の適用を前提とした中古自動車の売買代金を定めていることが必要であるところ、被控訴人においてそのような売買代金により取引をしていることを認めるに足りる的確な証拠はない。ウ 本件損害賠償条項が、解除された時期のいかんを問わず、車両の市場価格ではなく「財団法人日本自動車査定協会による査定評価額」を控除した額を買主に負担させるものとしている点を捉えて、同条項により算出された損害額が「平均的な損害」の額を超えるとする主張について[本件損害賠償条項関係] 売買契約がその成立後、自動車の引渡前に解除された場合には、引渡後に解除された場合よりも「財団法人日本自動車査定協会による査定評価額」が高くなるはずであって、控訴人の主張する市場価格が当該評価額よりも常に高額であるとは限らない。控訴人は、「財団法人日本自動車査定協会による査定評価額」の内容に関する立証を何らしないから、本件損害賠償条項によって算定される損害賠償の額が「平均的な損害」の額を超えるかも明らかではないといわざるを得ない。

Classification
中立的な公的活動
Record nature
中立的な公的活動
Event type
consumer_injunction_publication
Event date
2020年9月3日
Announced
未収録
Effective from
未収録
Effective to
未収録
Record status
終了
Status as of
未収録