公的活動2021年3月18日

埼玉消費者被害をなくす会と株式会社 ZERUTA との間の共通義務確認訴訟に関する判決の確定について

株式会社ZERUTA

消費者庁・公式記録ID trial-5-2

公表内容

事案の内容:(1)事案の概要 本件は、特定適格消費者団体である特定非営利活動法人埼玉消費者被害をなくす会(以下「原告」という。)が、株式会社 ZERUTA(以下「被告」という。)に対し、被告が給料ファクタリングと称し、実質的には利息制限法所定の制限利率を大幅に超過し、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(以下「出資法」という。)の規制を超える利息を収受して無登録により貸金業を営み、消費者から金銭を受領したことが不法行為に該当すると主張し、平成30年6月5日から令和3年1月15日(本件口頭弁論終結時)までの間に、被告との間で買取対象給料債権の買取額の10%以上の買取手数料額を定めて賃金等債権譲渡契約を締結し、同契約に基づく金銭の引渡し又は支払として被告に対して金銭の支払をした消費者(令和2年3月31日までに加害行為が行われた場合は平成29年法律第45号による改正前の消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律(以下「法」という。)第3条第1項第5号(※1)(民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第103条第1項による。)、令和2年4月1日以降に加害行為が行われた場合は法第3条第1項第4号(※2)。以下「本件対象消費者」という。)が有する不法行為に基づく損害賠償請求に係る共通義務確認の訴え(法第2条第4号(※3))を提起した事案である。(※1)消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律(平成 29 年法律第 45 号による改正前)(共通義務確認の訴え)第三条 特定適格消費者団体は、事業者が消費者に対して負う金銭の支払義務であって、消費者契約に関する次に掲げる請求(これらに附帯する利息、損害賠償、違約金又は費用の請求を含む。)に係るものについて、共通義務確認の訴えを提起することができる。一~四 〔略〕五 不法行為に基づく損害賠償の請求(民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定によるものに限る。)2~4 〔略〕(※2、3)消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律(平成 29 年法律第 45 号による改正後)(共通義務確認の訴え)第三条 特定適格消費者団体は、事業者が消費者に対して負う金銭の支払義務であって、消費者契約に関する次に掲げる請求(これらに附帯する利息、損害賠償、違約金又は費用の請求を含む。)に係るものについて、共通義務確認の訴えを提起することができる。一~三 〔略〕四 不法行為に基づく損害賠償の請求(民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定によるものに限る。)2~4 〔略〕(定義)第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。一~三 〔略〕四 共通義務確認の訴え 消費者契約に関して相当多数の消費者に生じた財産的被害について、事業者が、これらの消費者に対し、これらの消費者に共通する事実上及び法律上の原因に基づき、個々の消費者の事情によりその金銭の支払請求に理由がない場合を除いて、金銭を支払う義務を負うべきことの確認を求める訴えをいう。五~十 〔略〕 結果:さいたま地方裁判所は、令和3年2月26日、以下のとおり判決を言い渡した(同年3月18日、原告・被告双方が控訴せず判決確定。)。 当該裁判の主たる争点:(2)主文「1 被告は、別紙対象消費者目録記載の対象消費者に対し、個々の消費者の事情によりその金銭の支払請求に理由がない場合を除いて、次の金銭支払義務を負うことを確認する。(1) 被告と対象消費者との間で締結された賃金等債権譲渡契約書において、被告が対象消費者に回収を委託した賃金債権の引渡しとして対象消費者が被告に支払った金員の合計金額に相当する金額並びに対象消費者が特定適格消費者団体に支払うべき報酬及び費用に相当する額の不法行為に基づく損害賠償の支払義務(2) 被告が対象消費者に回収を委託した賃金債権の引渡しとして対象消費者が被告に支払った金員に対する各支払日から各支払済みまで年5分の割合(ただし、対象消費者の支払日が令和2年4月1日以降である場合は、年3分の割合)による遅延損害金の支払義務(3) 対象消費者が特定適格消費者団体に支払うべき報酬及び費用に相当する額に対する対象消費者が被告に最後に支払をした日から支払済みまで年5分の割合(ただし、対象消費者の支払日が令和2年4月1日以降である場合は、年3分の割合)による遅延損害金の支払義務2 〔略〕」(3)理由(一) 多数性について 平成28年から裁判所が認定した時点までにおいて、全国消費生活情報ネットワークシステムに掲載された、給料ファクタリングに関する被告への苦情・相談事例は18例あり、うち14件は実際に借入れをした本人又は親族からの相談であった。消費生活センター等に相談を行う消費者の割合が約5%と推計される旨の報告があることからすると、本件対象消費者の数は280名程度と見込まれる。したがって、本件対象消費者が相当多数存在すると認められる。(二) 共通性について 被告が、給料ファクタリングと称し、実質的には利息制限法の制限利率を大幅に超過し、出資法の規制を超える利息を収受する貸付けであるにもかかわらず、給料債権の売買契約という法形式を装って、本件対象消費者に契約を締結させ、同契約に基づく金銭の引渡し又は支払として、被告に対して金銭を支払わせており、請求を基礎付ける事実関係が主要部分において共通である。したがって、いずれも不法行為に基づく損害賠償請求権として基本的な法的根拠が共通であると認められる。(三) 支配性について 個々の本件対象消費者ごとに損害額が異なるが、被告と本件対象消費者との取引では、賃金等債権譲渡契約書が作成されることが通常と考えられ、本件対象消費者から被告への金銭の支払は銀行振込方式によるために通帳、振込履歴等の証拠が想定できることから、損害の審理について審理を適切かつ迅速に進めることが困難であるとはいえない。したがって、支配性が認められる。(四) 不法行為の成否について 《1》被告はブラックでも借りられるとうたって資金の調達方法として事業を広告し、本件対象消費者も広告を受けて金銭の借入れとして利用していると考えられること、実際にも給料ファクタリングを利用して手数料を控除し給料が売買されると、本件対象消費者は期日に利息を付して弁済をするのと同じであること、ファクタリングには回収リスクがあり、ファクタリング業者が債権管理業務を負うが、給料の不払は通常想定されず、債権回収も本件対象消費者に委ねられていること、債権譲渡通知の留保は支払の懈怠を防止する機能を有すること等から、被告の営む給料ファクタリングは、貸金業法第2条第1項本文及び出資法第5条にいう「金銭の貸付け」、又は出資法第7条にいう「手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によってする金銭の交付」に当たると解するのが相当である。 《2》そして、被告の営む給料ファクタリングは、被告が業として本件対象消費者に対し、買取対象給料債権月額の10%以上の手数料及び振込手数料を控除した金銭を交付し、本件対象消費者から期日に買取対象給料債権の額面額の金銭を受領するものであるところ、月利10%(年利120%)超の利息を定めて金銭を貸し付け、本件対象消費者から元本及び利息の返済を受けることになるから、買取対象給料債権の額面額にかかわらず利息制限法第1条所定の利息を超過し、出資法第5条第3項の定める年109.5%を超過するものであって、公序良俗に反する暴利として違法な行為であると認められる。 《3》これにより、本件対象消費者は、被告に対して給料ファクタリングによる賃金等債権譲渡契約に基づいて支払った金銭全額(最高裁判所平成20年6月10日第三小法廷判決・民集62巻6号1488頁参照)、本件対象消費者が特定適格消費者団体に支払うべき報酬及び費用、これらに対する被告への支払日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金(当該支払日が令和2年4月1日以降であるときは年3分の割合による遅延損害金)の各損害を受けたと認められる。 《4》以上のとおり、被告が本件対象消費者から給料ファクタリング事業により金銭の交付を受ける行為については不法行為が成立するものと解される。

Classification
中立的な公的活動
Record nature
中立的な公的活動
Event type
consumer_redress_publication
Event date
2021年3月18日
Announced
未収録
Effective from
未収録
Effective to
未収録
Record status
終了
Status as of
未収録