公表内容
事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人京都消費者契約ネットワーク(以下「原告」という。)が、移動体通信事業等を目的とする事業者であるソフトバンクモバイル株式会社(以下「被告」という。)に対し、被告が不特定かつ多数の消費者との間で、携帯電話の利用契約を締結する際に現に使用しており、今後も使用するおそれのある解除料に関する条項(契約期間を2年間の定期契約とした上で、基本使用料などを安く設定し、この期間内に消費者が料金種別を変更又は廃止する場合には、消費者は、被告に9,975円の解除料(以下「本件解除料」という。)を支払わなければならず、また、契約締結から2年が経過すると自動的に更新し、更新月(初回更新は更新月の翌月も)に解約する場合を除き、契約期間中に解約する場合は、消費者は、本件解除料を被告に支払わなければならないとする条項。以下「本件解除料条項」という。)は消費者契約法(以下「法」という。)第9条第1号又は第10条に反して無効であるとして、当該条項を含む契約約款を用いた意思表示の差止めを求めた事案である(平成23年1月19日付けで、京都地方裁判所に対して訴えを提起)。 結果:京都地方裁判所は、平成24年11月20日、以下の理由により原告の請求を棄却した。 当該裁判の主たる争点:① 本件解約料条項についての法の不当条項規制が適用されるか② 本件解約料条項が法第9条第1号に反するか③ 本件解約料条項が法第10条に反するか 争点①について、被告が、本件解除料条項は契約の目的の一部を構成するため、事業者と消費者との間で自由に決定されるべきであると主張したのに対し、本件契約は、継続的に携帯電話を利用するための通信サービスの提供が主要な目的であり、また、その役務の対価は、基本使用料、通話料及び通信料であり、2年間解約しなければ発生しない本件解除料は、事前に当該プランに組み込まれて対価を構成するものとはいえず、条項の文言などからも、契約時に消費者が本件解除料を契約の主要な目的や役務の対価と捉えているとは言い難く、法第9条第1号及び法第10条の適用は排除されないとした。 争点②について、本件解除料条項は、損害賠償の予定ないし違約罰に該当し、法第9条第1号の適用対象となるところ、「平均的損害」の額とは、解除の事由、時期等により同一区分に分類される複数の同種の契約の解除に伴い、当該事業者に生じる損害の額の平均値を意味するものであり、当該契約の特性などを考慮に入れて算定されるべきものとした。その上で、本件の契約については、本件解除料条項で定めた2年間という期間を一つの区分としても、消費者保護の観点から著しく不当であるとはいえないことから、同期間を平均的損害を算定するための区分とすべきとし、本件契約の平均的損害の額は、契約が解約されることにより被告に生ずる逸失利益に平均解約期間と契約期間である2年間との差の期間を乗じた金額とすべきとした上で、その金額を12,694円と認定し、本件契約の平均的損害は、本件解除料9,975円を上回るというべきであるから、法第9条第1号には反しないとした。 争点③については、事由のいかんを問わず、更新月など以外の場合の解除に一律に金銭的負担を課している本件解除料条項は、任意規定(準委任契約に関する民法第651条参考)の適用の場合に比して消費者の権利を制限し、義務を加重するものといえるものの、他方、本件解約料条項について、消費者は充分に認識した上で契約を締結しているといえ、消費者と事業者との間に看過できないような知識、情報及び交渉力の差があるともいえず、解除料の金額や解除料がかからない期間を考慮しても、信義則に反して消費者の利益を一方的に害する場合であるとはいえないから、法第10条に反しないとした。 また、更新後の解除料についても同様に法第9条第1号及び第10条に反しないとした。
- Classification
- 中立的な公的活動
- Record nature
- 中立的な公的活動
- Event type
- consumer_injunction_publication
- Event date
- 2012年11月20日
- Announced
- 未収録
- Effective from
- 未収録
- Effective to
- 未収録
- Record status
- 終了
- Status as of
- 未収録