公的活動2015年2月13日

京都消費者契約ネットワークと株式会社ベストブライダルの控訴審判決について

株式会社ベストブライダル

消費者庁・公式記録ID case-45-2

公表内容

事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人京都消費者契約ネットワーク(以下「原審原告」又は「控訴人」という。)が、結婚式場等の企画、運営等を業とする株式会社ベストブライダル(以下「原審被告」又は「被控訴人」という。)に対し、原審被告が不特定かつ多数の消費者との間で、挙式披露宴実施契約を締結する際に現に使用し、又は今後使用するおそれのある、消費者が解約をする際に解約の時期に応じて原審被告に所定のキャンセル料を支払うことを定める契約条項(以下「本件各キャンセル料条項」という。)が、消費者契約法(以下「法」という。)第9条第1号に定める「平均的な損害」を超える違約金を定めるものであり、無効であるとして、本件各キャンセル料条項を内容とする意思表示の差止め等を求めた事案の控訴審である。 原判決(平成25年4月26日に京都地方裁判所が判決言渡し)は、本件各キャンセル料条項について、いずれも「平均的な損害」の額を超えないとして原審原告の請求を棄却したが、原審原告はこれを不服とし、平成25年5月9日付けで大阪高等裁判所に控訴した。 結果:大阪高等裁判所は、平成26年2月21日、原審における判断を引用しつつ、控訴審における控訴人の補充主張について、それぞれ以下のように判断し、本件各キャンセル料条項は、いずれも法第9条第1号に定める「平均的な損害」を超えるキャンセル料を定める条項ということはできないとして、控訴人の控訴を棄却した。 平成27年2月13日、最高裁判所は上告受理の申立てについて、受理すべきとは認められない旨の決定をし、控訴審判決が確定した。 当該裁判の主たる争点:ア.挙式披露宴施行予定日の91日以前の解約について 控訴人は、解約時期が挙式披露宴施行予定日の91日以前である場合には、実際に提供されるサービスの内容も対価も確定しておらず、また、再販売による代替的な利益の確保が期待できるとして、「平均的な損害」として認定できる逸失利益は存在しないと主張した。 これに対して、裁判所は、「たとえ解約時期の段階では,具体的な打合せが行われておらず,実際に提供されるサービスの内容や対価が確定していなかったとしても,追加のオプション等は別として,挙式披露宴実施契約において提供されるサービスの内容はほぼ決まっているのが通常であり,被控訴人は,消費者との間で締結した挙式披露宴実施契約が履行されることについて合理的な期待を有しているものというべきであるから,当該顧客が挙式披露宴をキャンセルすることによって,その期待は害されるものといえる」とし、また、再販売の可能性があることについては、「当該再販売によって被控訴人が取得する利益を,キャンセルによって生じた損害(逸失利益)から控除することによって斟酌できるのであり,このような損害の填補という判断枠組みを超えて,当該損害(逸失利益)自体が生じていないと考えるのは,正鵠を得ない」として、解約時期が挙式披露宴施行予定日の91日以前である場合であっても、逸失利益は、「平均的な損害」に含まれるとした。イ.逸失利益の具体的算定の基礎となる金額について 控訴人は、逸失利益の具体的算定の基礎となるのは、平均的契約金額か解約時の平均的見積額であると主張した。 これに対して、裁判所は、被控訴人は、解約がされずに挙式披露宴が実施されていれば、見積額よりも大きい金額となる挙式披露宴実施代金を取得し得る蓋然性が存すると認められるとして、解約に伴う逸失利益の算定に当たっては、平均実施金額(実際に挙式披露宴が実施された場合に被控訴人が得られる金額の平均額)を基礎とするのが相当とした。ウ.挙式披露宴施行予定日の4日前以降の解約について 控訴人は、挙式披露宴施行予定日の4日前以降という直前期に解約がされた場合であっても、被控訴人が発注済みの食材・飲物等全て廃棄したり、労務提供を受けることなく既にシフトを入れたアルバイトに賃金を支払ったりするなどということはおよそ考え難いから、このような費用は被控訴人が支出を免れる費用に含まれると主張した。 これに対して、裁判所は、「既に発注済みの食材等や手配済みの人件費について,被控訴人が契約に基づき代金の支払を余儀なくされることは容易に想定され,そのような直前期の解約において,被控訴人が発注済みの食材費等の支払を免れることが可能であると認めるに足りる証拠はない」とし、また、被控訴人の実施する挙式披露宴の平均参加人数に照らせば、提供する飲食物に係る食材量や動員される人員の数は相当な量に上ることが推測され、上記食材及び人員を、解約後に他の用途に代替、転用することができる割合は多くないと考えられるとして、挙式披露宴施行予定日の4日前以降に解約がされた場合でも、被控訴人が発注済みの食材費等の支払を免れるとはいえず、被控訴人が支出を免れる費用があるとは認められないとした。エ.これらの判断を前提に、本件各キャンセル料条項に係る各解約時期におけるキャンセル料の額が、各解約時期において解約がされた場合に被控訴人に生じる「平均的な損害」を超えるとは認められないとした。

Classification
中立的な公的活動
Record nature
中立的な公的活動
Event type
consumer_injunction_publication
Event date
2015年2月13日
Announced
未収録
Effective from
未収録
Effective to
未収録
Record status
終了
Status as of
未収録