公表内容
事案の内容:本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者被害防止ネットワーク東海(以下「消費者被害防止ネットワーク東海」という。)が、株式会社グッドプレイス(以下「グッドプレイス」という。)に対し、下記のとおり、同社が運営する電子コミックの配信サービスにおける複数の利用規約中の下記条項について、下記の理由により、消費者契約法(※)第8条及び第10条に規定する消費者契約の条項に抵触するとして、変更又は削除を求めた事案である。(対象条項)ア 規約変更規定 通信事業者や決済手段の違いに応じて定められた複数の規約における「当社は、本規約及び個別規約の内容を予告なく改訂、追加、変更又はその一部を廃止することがございます。なお、本規約及び個別規約を改訂、追加、変更又はその一部を廃止したときは、本サービスに関する一切の事項は改訂、追加、変更後の規約又は一部廃止後の残部の規約によるものとします。本規約の改定後、お客様が本サービスを利用した場合、改定後の本規約に同意したものとみなします。」、「本規約および個別規約は当社の判断により、事前に会員への通知なく変更・改定を行うことができます。本規約及び個別規約が変更された場合、会員の当該変更後の利用には変更後の規約が適用され、会員は当該変更に同意したものとみなします。」との条項(以下「対象条項ア」という。)。イ 免責条項 通信事業者や決済手段の違いに応じて定められた複数の規約における「第11条 メンテナンス等 本サービスの全部または一部については、システムのメンテナンス、点検等のため、一時的に停止する場合があります。この場合、緊急の場合を除き、本サービス内でそのスケジュールを事前に告知するものとします。当社は、事前の予告の有無に関わらずサービスの一時停止時期の変更による損害について責任を負わないものとします。」、「第12条 当社の責任 1.お客様には、本サービスに関して被るいかなる損害についても、当社は一切賠償の責任を負わないことを承諾いただきます。2.お客様には、インターネットに接続できない状況、また、本サービスをご利用できないいかなる場合においても、当社は一切の責任を負わないことを承諾いただきます。」、「本サービスの変更・停止・終了によって会員に生じた損害について、当社は一切の責任を負いません。」、「当社は、本サービスに掲載されている広告によって発生した損害および掲載された事実に起因する損害に関しては一切の責任を負いません。」との条項(以下「対象条項イ」という。)。ウ 不返金条項・ポイント消滅に伴う不返金条項 通信事業者や決済手段の違いに応じて定められた複数の規約における「当社はお客様が当社サービス購入時に表示される購入確認画面に同意したと同時にサービスを購入したものとみなし、その場合はその事由の如何を問わず一切の返金は行わないものとします。」、「会員は、本サービスが終了するときは、本サービス終了と同時に各コンテンツの利用ができなくなります。その場合はその事由の如何を問わず一切の返金及び、ポイントの返還は行わないものとします。」、「当社はいかなる理由によっても、既に支払われた情報料を一切返金いたしません。」、「当社は、当社の都合による本サービス又は一部サービスの中断や廃止、その他いかなる場合であっても、ポイントを現金その他に交換しません。」、「いかなる事情があろうと、有料アイテムおよびポイント購入後の取り消し、返金は一切できません。」との条項(以下「対象条項ウ」という。)。エ 管轄裁判所 通信事業者や決済手段の違いに応じて定められた複数の規約における「第16条 管轄裁判所 本サービス又は本利用規約に関してお客さまとの間で疑義又は争いが生じた場合には、誠意をもって協議することとしますが、それでもなお解決しない場合には『東京地方裁判所』又は『東京簡易裁判所』を専属の管轄裁判所とします。」、「当社と会員との間で生じた紛争については、東京地方裁判所または東京簡易裁判所を第一審の専属的合意裁判所とします。」との条項(以下「対象条項エ」という。)。オ 分離可能性条項 「本規約又は個別規約のいずれかの条項またはその一部が、消費者契約法その他の法令等により無効または執行不能と判断された場合であっても、本規約または個別規約の残りの規定および一部が無効または執行不能と判断された規定の残りの部分は、継続して完全に効力を有するものとします。」との条項(以下「対象条項オ」という。)。(理由)ア 規約変更規定 規約は当事者間の契約内容となっているため、消費者の同意なくグッドプレイスが変更しても消費者を拘束しないことが原則である。対象条項アが消費者に不利な変更も可能とし、消費者を拘束する趣旨であれば消費者契約法第10条に抵触する。令和2年4月1日から施行された改正民法で新たに定められた第548条の4が定型約款の変更について一定の要件を充足する場合には、個別に相手方と同意をすることなく契約の変更をすることを可能としていることを踏まえて、対象条項アを変更されたい。イ 免責条項 消費者契約法第8条第1項は、事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項(第1号)、消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項(第3号)を無効とするところ、対象条項イは、事業者の債務不履行により消費者に生じた損害と、消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を全部免責するものであり、消費者契約法に抵触する。したがって、消費者契約法第8条第1項第1号及び第3号に抵触しないよう、変更されたい。ウ 不返金条項・ポイント消滅に伴う不返金条項 対象条項ウは、事由の如何を問わず、消費者が支払った金員を一切返還しないものとし、また、サービスが停止又は解除する場合においても、事由の如何を問わず、返金やポイントの返還を行わないとするが、双務有償契約にいう給付の対価性に反しており、消費者の権利を制限し、義務を加重し、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものというべきである。したがって、消費者契約法第10条に抵触しないよう変更されたい。エ 管轄裁判所 対象条項エは、民事訴訟法第4条以下で定められている土地管轄を、グッドプレイスの本店所在地を管轄する東京地方裁判所等に限定する条項であり、消費者が他の裁判所で訴訟を提起することを認めた民事訴訟法第5条の適用を制限し、消費者の権利を制限する条項であるため、消費者契約法第10条に抵触する。したがって、消費者契約法第10条に抵触しないよう削除されたい。オ 分離可能性条項 対象条項オは、「消費者契約法その他の法令の規定により無効とすべき消費者契約の条項について、無効となる範囲を限定する条項」であり、いわゆる「サルベージ条項」と呼ばれるものである。サルベージ条項は、消費者が法律上請求可能である損害賠償請求の行使を萎縮させるなど、消費者の権利の行使が抑制するおそれがある条項であって、消費者契約法上の不当条項の規律を潜脱するものであり、消費者契約法第10条に違反するおそれがあると考えられる。したがって、対象条項オを削除されたい。 (※)消費者契約法(事業者の損害賠償の責任を免除する条項等の無効)第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項二 (略)三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項四 (略)2 (略)(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。注)上記の差止請求が行われた日現在の規定 結果:消費者被害防止ネットワーク東海は、令和4年1月25日、株式会社グッドプレイスに対し、上記各対象条項の変更又は削除を申し入れた。株式会社グッドプレイスは、令和4年2月25日、消費者被害防止ネットワーク東海に対し、上記各対象条項を変更又は削除する旨を回答した。 これを受けて、消費者被害防止ネットワーク東海は、令和4年3月30日、株式会社グッドプレイスに対し、申入れを踏まえた改訂がされたとして申入れを終了する旨連絡した。
- Classification
- 中立的な公的活動
- Record nature
- 中立的な公的活動
- Event type
- consumer_injunction_publication
- Event date
- 2022年3月30日
- Announced
- 未収録
- Effective from
- 未収録
- Effective to
- 未収録
- Record status
- 終了
- Status as of
- 未収録