業務停止命令とは、行政機関が法令に基づき、指定した業務の全部または一部を一定期間停止するよう命じる処分です。対象となる取引や行為、期間は個別の命令で異なります。会社の全事業が停止する、廃業する、という意味とは限りません。
措置命令は違反状態の是正や再発防止、課徴金納付命令は法令の算定方法による金銭の納付、許可・免許・登録の取消しは対象の許認可を失わせる処分です。名称だけで一律に「重い・軽い」と並べず、根拠法と命令の具体的な範囲を確認します。
行政処分の種類を比較する
| 種類 | 主な内容 | 確認する項目 |
|---|---|---|
| 業務停止・営業停止 | 指定された業務を一定期間停止する | 対象業務・地域、開始日、終了日 |
| 措置命令・排除措置命令 | 違反状態の是正や再発防止などを命じる | 根拠法、対象行為、命令された措置 |
| 課徴金納付命令 | 法令に基づき算定した課徴金の納付を命じる | 金額、算定対象期間、納付期限 |
| 許可・免許・登録の取消し | 対象となる許認可を失わせる | 許認可の種類・番号、対象範囲、効力発生日 |
| 指示・勧告・警告等 | 制度により行政処分・行政指導などの位置付けが異なる | 根拠条項、公表機関の説明、求められた対応 |
業務停止命令・営業停止処分とは
停止の名称や対象は業法ごとに異なります。特定商取引法では訪問販売などの取引類型、建設業法では建設業の営業、宅地建物取引業法では宅地建物取引業の業務が問題になります。停止期間の上限や付随する制限も、一つの年数でまとめられるものではありません。
例えば消費者庁が2026年9月18日に公表した訪問販売の事例では、停止の対象は「勧誘・申込受付・契約締結」に当たる業務で、期間は2026年9月18日から2027年6月17日までと示されています。消費者庁の公表事例のように、処分日、実際に停止する期間、対象業務を分けて読みます。
また、事業者への業務停止命令と、役員等の個人への業務禁止命令は別の命令です。役員への影響を会社の処分名だけから判断せず、命令の有無と対象者を確認してください。消費者庁「訪問販売」の行政処分・罰則の説明で制度を確認できます。
措置命令と排除措置命令の違い
景品表示法の措置命令では、誤認を解消するための周知、再発を防ぐ取り組みなどが命じられます。課徴金が課されるかどうかは、別の要件で判断されます。消費者庁による景品表示法違反への対応の説明を参照してください。
独占禁止法の排除措置命令は、公正取引委員会が競争を回復するために必要な対応を命じるものです。価格カルテルの場合には、合意の破棄や関係者への周知、再発防止などが例として挙げられています。公正取引委員会による排除措置命令と課徴金の説明で確認できます。
措置命令の記録と排除措置命令の記録では、名称に加えて根拠法と命令内容を確認してください。
課徴金納付命令とは
課徴金は、違反を防止するためなどの行政上の目的で課される金銭です。刑事罰の罰金とは制度が異なります。金額は根拠法、対象となる売上等、期間、加算・減額の要件などによって変わるため、「必ず売上の何%」「得た利益をそのまま返す」と一律には説明できません。
例えば独占禁止法の課徴金は、違反の類型や事業者の規模等に応じた算定方法があります。公正取引委員会「課徴金制度」と、個別の納付命令書を併せて確認してください。RegBaseでは課徴金納付命令の記録から事例を探せます。
指示・勧告・警告は同じものか
同じではありません。国土交通省は建設業法の「指示・営業停止・許可取消し」を監督処分、「指導・助言・勧告」を行政指導として区別しています。したがって、指示を勧告とまとめて「法的拘束力がない」「必ず軽い」と扱うことはできません。
警告や注意喚起を含む公表資料を読むときも、処分が行われたという記載があるか、違反の疑いや消費者への注意情報なのかを確認します。制度ごとの位置付けは国土交通省の建設業法に関するQ&A(許可行政庁による監督処分)などの公式説明で確かめてください。
許可取消し・免許取消し・登録取消しとは
対象となる許可・免許・登録を失わせる処分です。建設業や宅地建物取引業など、制度によって名称や取消事由が異なります。ある許認可の取消しから、別の事業も含む会社全体の廃業を決めつけることはできません。
確認するのは、対象の許認可の種類と番号、取消しの範囲、効力発生日です。過去の取消しの記録と、現在の許認可の有無も区別してください。建設業の監督処分基準、宅地建物取引業の監督処分情報、RegBaseの許認可の取消・停止等一覧から確認できます。
刑事告発は行政処分とどう違うか
刑事告発は、刑事処罰を求める手続です。排除措置命令などの行政処分そのものではなく、告発された段階で有罪が確定するわけでもありません。独占禁止法の刑事手続に関する規定など、根拠法とその後の手続を確認します。
処分記録を取引先確認に使うときの手順
- 対象を照合する。企業名だけでなく、法人番号・所在地・許認可番号を確認します。同名の別法人や個人に関する記録を区別します。
- 根拠法と原文を読む。処分名、対象事業、処分理由、命じられた対応を確認します。RegBaseの分類名だけで法的な効果を判断しません。
- 日付を分ける。処分日、公表日、停止の開始日・終了日をそれぞれ確認します。ウェブ上に記録が残っていることは、現在も処分が継続していることを意味しません。
- 現在の状況を別に確認する。最新の許認可情報、公表機関の訂正・追加発表、当該事業者の説明を確認します。記録が見つからない場合も、処分歴がないことの証明にはなりません。
行政処分・公表記録の一覧で具体例を探し、企業名・法人番号による検索で対象法人の情報と照合できます。
実際に企業の処分歴を調べてみる
RegBase なら企業名または法人番号を入力するだけで、行政処分歴・法人基礎情報・関連企業を即座に確認できます。無料・登録不要。
関連ガイド
取引先からの入金遅延に備える方法 — 売掛金と資金繰りの確認手順
売掛金の入金が遅れたときに、事実確認、資金繰りへの影響整理、資金調達手段の比較を進める実務手順。
取引先の行政処分を調べる方法 — 公的データで5分で確認
新規取引や継続取引の前に、相手企業の行政処分歴を効率的に調べる手順。9省庁の公表ページを巡回せず一括検索する方法。
暴排条例対応時の公的情報確認 — 2026年版
不動産・建設・保険・古物商など取引前確認が求められる業界向けの実務ガイド。暴排条例の概要、最低限確認すべき項目、記録の残し方。
採用前の企業コンプライアンス調査ガイド — 個人向け実務手順
応募する企業や転職先について、公表済みの行政処分・労務違反・関連企業を確認する方法を解説。