取引先の与信判断・コンプライアンス審査では、「過去に行政処分を受けたことがあるか」 の確認が重要です。本記事では、無料の公的データだけで取引先の処分歴を確認する手順を解説します。
1. 行政処分とは何か
行政処分とは、官公庁が法令違反を行った企業・個人に対して下す公的な制裁です。代表例:
- 措置命令: 違反行為の差し止め・再発防止策を命じる(消費者庁・公取委・厚労省など)
- 課徴金納付命令: 違反による不当利得を金銭で徴収(消費者庁・公取委)
- 業務停止命令: 一定期間の事業停止を命じる(特商法・薬機法・宅建業法など)
- 勧告・指示: 改善を求める行政指導
- 許可取消し: 事業許可を剥奪する重い処分
これらは すべて公表が原則 で、各省庁のウェブサイトで誰でも確認できます。
2. 主要な公表ページ(9省庁)
取引先審査でチェックすべき主な公表ページは以下です:
- 消費者庁: 景品表示法・特定商取引法の措置命令・課徴金
- 公正取引委員会: 独占禁止法・下請法の排除措置命令・課徴金
- 金融庁: 金融商品取引法の課徴金、業務改善命令
- 厚生労働省: 薬機法・労働基準法違反
- 個人情報保護委員会: 個人情報保護法の勧告・命令
- 総務省: 電気通信事業法
- 経済産業省: 特商法・割賦販売法
- 国土交通省: 宅建業法・建設業法
- 国税庁: 査察・税法違反告発
各省庁ごとに公表形式・ページ構成が異なるため、1社の処分歴を網羅的に調べるには相当な時間が必要です。
3. RegBase で一括検索する
RegBase は上記9省庁の公表ページを毎日自動収集し、企業名・法人番号・法令で横断検索できる無料データベースです。
- 企業検索ページ で企業名または13桁の法人番号を入力
- 個社ページに 処分タイムライン が時系列で表示される
- 各処分について 違反内容・課徴金額・原文URL を確認
- 「監視登録」しておくと、新しい処分が公表された際にメール通知
確認できる情報
- 過去の処分件数と業界平均との比較
- 違反の具体的内容(AI抽出による事実ベース記述)
- 課徴金・被害者数・被害額(公表されている場合)
- 関連企業(同一代表者・同一本店所在地の別法人)
- 商号変更・本店移転・代表者変更の履歴
4. RegBase でカバーされていない情報
本サービスは公表済の中央処分のみを収録しています。以下は別途確認が必要です:
- 都道府県・市区町村の処分: 宅建業者の業務停止、産廃処分業者の許可取消し等。各都道府県のサイトを別途確認してください
- 非公表の行政指導・口頭警告: 公開されていないため把握不可
- 信用情報・財務状況・倒産リスク: 帝国データバンク(TDB)・東京商工リサーチ(TSR)等の信用調査機関を併用してください
RegBase は 「公表処分歴の確認」専用ツール として、信用調査機関と組み合わせて使うのが効果的です。
5. 取引前のチェックリスト
- RegBase で企業名検索 → 処分歴を確認
- 関連企業セクションで 同一代表者の別法人 も確認
- 商号変更履歴を確認(処分後に商号を変えていないか)
- 対象が反社チェック必要業界なら、警察庁の公式情報も確認
- 必要に応じて TDB/TSR の信用調査レポートを取得
関連リンク
実際に企業の処分歴を調べてみる
RegBase なら企業名または法人番号を入力するだけで、行政処分歴・法人基礎情報・関連企業を即座に確認できます。無料・登録不要。
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